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【落武者魂】 糸魚川参戦記(4
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糸魚川参戦記(4

あらすじ
「東尋坊で連続する自殺に不自然なものを感じた『僕』は、上司の忠告を無視して独自捜査を続ける。心理学を専攻する美人大学院生と出会い、ただの自殺ではないことを確信した『僕』は背後に潜む宇宙からのメッセージに気づく・・・!」




ここから先は雨と聞いていたので、インナーを着替え、レインコートを羽織る。いまさらって感じもしたけど、体感温度はかなり下がっていたのでその対策もこめてのことだ。大町からは糸魚川まで下り基調といえど、実際にはしばらく登りが続く。日本の風景というよりはむしろ欧州の湖水地方のような景色の中をBluedragonさんと山々と輝く湖面を眺めながら走る。。たいした登りではないし、景色がやたらといいので心が洗われる様だ。リフレッシュ!という感じ。

木崎湖、青木湖などの仁科三湖が夕日に輝く中を走りきると、最後の下りが始まる。50キロ以上にわたる長い長い下りだ。つまり新宿の我が家から高尾山口までずっと下りみたいなものか。すげえなあ、わくわくしちゃうよ・・・。

糸魚川の最後は路面が「走るってレベルじゃねーぞ!」っていう噂を聞いていたのだけど、序盤はそれなりに整備された道。ちょっと拍子抜けといった感じだけど、景色が険峻になるにしたがって道も段々と不穏な雰囲気をかもしだし始める。たて溝舗装、ひび割れ、チューブのようなトンネル、暗いスノーシェイド。いつしか一昔前のレースゲーのようなスリリングな展開になりつつも、しっかりハンドルを握って下る下る。これがまた実際は僕は大して速くも無いのでそれほどの恐怖は無かった。70キロ80キロで降りている人にとっては致命的な路面も、50キロ前後で下る僕にとってはハンドルでかわせる範囲。幸いにも交通量も無かったしね。はあ、前のオリンピック道路のあたりであきらめなくてよかったなあ。

雲は相変わらず厚く、向かう先には明らかな雨雲が控えていたにしろ、今はまだ夕日が目に映るすべてのものをオレンジ色に照らしている。暖かい色に染まっていた景色が段々とブルーに染まるころ、それは起こってしまった。

残り30キロくらいのところにある、薄暗いチューブ上のトンネルを走っていたとき、一瞬の衝撃とガランガランというけたたましい騒音、そして前輪の中でなにか光が踊り始める。直進を保ちながらググッと減速すると・・・外れてしまったマグライト(のようなもの)がホイールの中で跳ね回り、ぶち折れてはみ出したスポークがガインガインとフロントフォークを叩いていた。ゆっくりといろいろなもの(前後左右)に注意を払いつつ、停止・・・。ライトをもぎ取り、背中のポケットへ入れる。はあ、どうしたものかと思ったけれども、どうしようもない。

はああ。これシャマルだよ、シャマルウルトラだよ。今春に発売されたばかりの金色のホイール。嫁をごまかして購入した高性能ホイールもいまや無残な姿に・・・。

リタイヤするにもトンネルの中ではサポートカーも呼べないので、ゆるりゆるりと下りを再開。以前、スポーク1本折れたくらいなら・・・という日記を読んだことあるな。ランドナーの手組みホイールの話だったけれども。ある程度は安全マージンとった作りだろうし、体重もそんな重くないし・・・いろいろ考える。しかし「残り30キロ」ここでリタイヤはあまりに痛い。ペダルをこぐことなく、ただ自転車に、この鉄血長征号につかまってさえいれば、ゴールできるのに!

完全に陽も沈み、どんどんと残った選手に抜かれながら道は渓谷をぬけ、ゆるやかになっていく。夜が僕に追いついてくるとともに、雨も落ちてきた。この闇は僕の心だ。この雨は僕の涙だ。

シャマル事件が発生してから、疲れや眠気は一切感じなくなった。フロントディレイラーは破損し、ホイールもぶち壊れ、フロントフォークもギダギダ。落車も衝突も何一つしていないのに、体は無傷だし速度も遅いのになんだってこんなことに・・・。でもまだ進み続ける。あとゴールまでは少しばかり。ここでリタイヤすると絶対に後悔する。来年の参加が自分の中で義務となる。残り30キロ地点でリタイヤなんて絶対にできない。残り20キロ、10キロ・・・他のダメージがあるスポークが「ふにゃ!」となったらどうなるのかな・・・そんな不安にさいなまれつつ、でも迷いを振り切って。やがてBluedragonさんがやってきて「一緒にゴールしましょう」と声をかけてくださった。しかし、この体たらくではどうしようもないので先へ行っていただく。

ゆっくりと遠ざかるBluedragonさんを見ていると・・・そこがゴールだった。

ついた、ついたよ生き残ったよ。まさにサバイバル。はあ、完走だよ。291キロ、15時間オーバーでのゴール。


その後

部屋で弁当を食い、風呂に入ると気力体力は大幅に回復してPedalFar!のメンバーと打ち上げ焼肉会に出る。食いながらだんだんぼんやりしてきたりしつつも、食って飲んで楽しいひととき。はあ、なんというかいろいろあったけれど、なかなか得がたい経験を持てたんだと思う。コースはキツいという感じではなかった(最高心拍は175。普段のキツイ山では190くらいにはなるのに)けれど、とにかくくたびれたなあ。

一緒に走っていただいた皆さん、応援してくれた皆さん、心配をおかけした皆さん、どうもありがとうございました!次は300位以内だッ!(心意気ショボッ)
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