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【落武者魂】 LA300km:3
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落武者魂

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LA300km:3

のロングディスタンスな自転車乗りを見ていると軽々と走りきっているように見える。僕でさえそう思われることがある。もちろん軽々と走り続けられる人たちもいるのだろう。でも僕はそうではない。僕がにこやかに走っていられるのはせいぜい70kmくらいじゃないだろうか。120kmを超えるとかなり情けない顔になるし、そっから先はずっとずっと生ける屍のようになって自転車にまたがっているだけだ。それでもどこかへ行き着くことはできる。自転車を始めロングディスタンスに興味を持ちながらも、不安を感じている人たちに伝えたい。やっぱり長距離走は楽じゃないしトラブルだって起こるし、体の各所は痛いし、疲れ果てる。僕なんかは走りながらずっとリタイヤの理由を探している。でも、なんとかなる。いつかはどこかへ辿り着ける。誰と勝負するわけでもない。行くと自分で決めればいいだけだ。

「敵はたかだか300だぞ!押し返せ!」
「ディイイイス イイイイズ スパァアアアアアルタアアア!」

泣きながらミニポンプで空気を入れる。あと8milesかそこらで次のCP。有人ならフロアポンプを借りればいいよな。しかしそこまでにパンクしたらどうするんだ?さすがにタイヤが無いでは走れないぞ?リムでガーガーいいながら走るもいいか。まあ、さすがに走行不能になれば誰かが助けに来てくれるだろう。それだけは単独自転車旅行でないことの救いだ。痛い腰をおさえつつ自転車にまたがり、やがて海沿いの高台へ出る。CP4だ。

今回もっとも素晴らしいCPであったCP4。最後の有人CPでもあった。しかし既に心が折れていて、景色を見ることもなかった。

CPにあったカップヌードルを食う。少し体が温まる。日がずいぶんと傾いてしまっている。この分ではスタート地点へ中継のため戻る頃のは日没後であるのも覚悟しなくてはならないだろう。既に15時間では終えられないのは確かだ。この分でいくと17時間か18時間か・・・。パンクのことを主催者のグレッグと話すと、さらにチューブをくれた。他のスタッフにルート上にバイクショップがあるかどうかを聞く。たしか次の街にあったような気がするが、彼もそれに同意。キューシート上にバイクショップの場所を書き込んでくれる。ここで気づいた。キューシートの一部が赤文字で修正されているじゃないか。それも結構大きな範囲で。それがCP2以降のルートロストの原因だったらしい。おいおい。ということはこっから先はGPSに入れたルートはだいたい信用できるってことだな(とはいえCP3の位置が違ったりしたので不安は残る)。

二組のカップルと単独走が僕を含めて二人、それとリカンベント2台+ロード1台のグループ。それがここから集団にはならずとも視界に入るか入らないかの範囲で一緒に走り続けることになる。いずれにしろ、ここから先はもう何度か走った経験のある道。4回目かな。キューシートもGPSもいらない。隣町のカーペンテリアでバイクショップへ飛び込み「チューブくれ!」と叫ぶ。「ロードの!」というと「バルブはロング?レギュラー?」と言うので「ロング!」と。一個かいと聞かれたので「みっつ!」これでチューブは計4本。トランクに入りきらない一本は背面ポケッとへつっこむ。レジをしながらすこしおしゃべり(がんばりました)。「クラシカルなデローザ、いいねえ」と言われる。デローザはこっちでも日本と同じような扱いを受ける。よくもあしくも。どこまで行くのか?と言う話になったので「こっからベンチュラ、それからムーアパーク、そしてベンチュラ」「どこへ泊まるの?」「一気に走る」と言うと少し混乱。「どこにも泊まらないの?」「うん」「うはー」残り150kmくらいだ。もう明らかに夜間走行になるから、普通に考えればベンチュラで宿泊するだろう。気をつけてね!と送り出されてコースへ復帰。

PCH。この反対側の車線を走る。

PCHを快調に走る。だがいつもより速度がのらない。まあ、今回はゆったりペースを守ろうということだったしな、と思うもののさっき抜いたカップルに抜き返されるとどうにも辛い気分に。うん、わかった。腹が減っているのだ。パンクが多かった(自分で4回、人の付き合いが1回)のでペースを取り返すために食事を抜いていた。なんだか腹がもたれているので、補給食を食っていないのもある。トランクにはパワージェルやらが積み込んであるのだけど、どうも食う気がしない・・・。それにここからベンチュラまではだいたいどんなものかわかってるじゃないか。ベンチュラでゆっくり食おうよ・・・。

頭の中ではベンチュラでバクバク食い、さらのその次のCPでバクバク食う姿が妄想されている。ああ、もうそんなに食えないよ・・・。嗚呼、しかし残念。脳内とは違い足はどんどん重くなる一方。ただの平坦で20km/hキープは夢のまた夢。16km/hキープを「がんばる」ほどに・・・。101、旧道、そして海岸沿いのCR。ついにベンチュラの街へ戻る。まだ太陽は水平線上にある。右手に沈み行く夕日、そして左手には・・・虹。ぶっとい虹が大地から低い雲へ付き立つ柱のようにそびえる。これは勝利の剣。リタイヤ?あとたった100kmちょっとなのに!?現在午後6時。スタートから11時間半が経過した。残り100km強を、よし6時間で走ると考えよう。12時半にゴールすることになる。17時間半ということだ。タイムリミットまで2時間以上を残してゴールできる。2時間の差で俺の勝ちだ!やつらは俺においつくことはできん。

という気合いとは裏腹に足はすっかり動かない。でもスタート地点(兼本部)のモーテルへ戻る。が、スタッフはいない。リカンベントの人たちがいたので「あれ?コントロールは?」というと「ここには無いよ」とのこと。ここから11miles先のウェンディーズがCPだと教わる。まだ20km近くあるのか!腹減った!うごけねえよ!彼らはここに部屋を取っていて、シャワーを浴びてウェアを着替えたのだそうだ。たった300kmのブルベでそこまでするとは・・・これは戦勝国の余裕なのか。

彼らは「ついてくるかい?」と言ってくるが「腹が減って動けないのでカールスJr(ふぁすとふーど)とか探しながら行くよ」と答える。とはいえ、そんな店合ったかな・・・。走りながら目を皿のようにしてファストフードを探す。もう普通のレストランでもいいじゃないか、ファミレスとかあれば十分じゃないかと思うが、注文してから出て来るまでの時間などを考えるとそうもいかない。残り2時間の余裕は微妙だ。ファストフードなら計算できるし、がっつり十分に食える。マクドナルド、カールスJr、ジャックインザボックス・・・なんでもいい、来い!

キタ!IN-N-OUTバーガーだ!まったく躊躇することなく突入する。迷うことなくダブルチーズバーガーコンボを注文。全席埋まっていたが、子供連れの主婦が「ここに座りなさいよ」と相席を進めてくれた。汗と雨で臭いのにありがたいことだ。バリバリとバーガーを食いながら少し会話。どうやら彼女の旦那がサイクリスト(シリアスライダーだそうだ)とのことだった。それで興味を持った様子。どこまで行くのかといういつもながらの会話。こっからムーアパーク、それから戻って来るんだ。「うはー、ライトは?」「大丈夫です」「寒いからね、がんばって!」バーガーを食い終わる頃に彼女らはでていく。けっこうお腹いっぱい。胃の調子が悪いのか、油っぽいものをいきなりつっこんだせいか、おなかが重い。それでもポテトを食わないと・・・炭水化物が必要だ・・・。

なんとか喰い切り、店を出ようとすると入店しようとする単独ブルベライダーとすれ違う。お互い大変だね、という微妙な笑顔を交わして。

ここで命をつなぐ。かろうじて。

外に出ると既に真っ暗。新兵器のライトを点して走る。食べて飲んで休んだおかげか、それなりのペースに復旧。10miles先くらいの次のCPまではさくさくと走れる。ヨットハーバーを抜け、海軍基地を抜けるとCP5。ウェンディーズの前に二組のカップルライダーが休んでいる。レシートチェック?と聞くとレシートチェックだと回答をくれる。店に入るが食欲は無い。おかしいな妄想ではモグモグ喰えるはずなんだけど・・・なんかスィートがないかな、と思うが気に入ったのが無さそう。しかたないので紅茶を頼む。とびっきりに熱い紅茶をさめるまで待っていると、IN-N-OUTで入れ違いになったブルベライダーが入ってくる。「ウェンディーズがCPだとわかってれば、あそこで食わなかったよね」と言って来たので「うん」と答える。でも本当はもうここまで耐えられなかったんです。あそこで食わなければ僕は死んでました・・・。

彼はポテトだけを頼んでいた。しかもテイクアウトで。テイクアウト?どうやって食うんだよ?「どうやって食うの?」と聞くと、僕の反射ベストには胸ポケットがあるのさ、と見せてくれる。確かに大きなポケットがついていて、そこに補給食なんかを突っ込んでいる。それいいなあ。NATHANSというブランドのもののようだ。彼はそのまま先にでていくが、僕の紅茶はまださめない。仕方ないので少し口をつけただけで、捨てることにする。もったいないなあ・・・。

走り始めるとすぐに町外れ。ベンチュラを離れる。残り100km、くるりと回ればおわりだぜ?と言い聞かして。
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