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【落武者魂】 LA300km:4 [Das Ende]
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落武者魂

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LA300km:4 [Das Ende]

スクを避ける努力はする。無理だと思ったら諦める。でも100%のリスクを想定し対策することはできない。無理、の線を本当の意味で知ることはできない。今回はたまたまチューブ3本でよかった。でもCP3までにもう一回パンクしたらどうしただろう?他の参加者からもらえたかもしれないし、もらえなかったかもしれない。リスク回避のために100本チューブを持つのはあり得ない。結局どこかで線をひくしかない。後者、「無理」の線はたいていの場合「低め」に引かれてしまっているものだ。「リスク」も「無理」もやってみなくてはわからない。けど、別にやんなくてもいいよな、こんなことは。どう考えたって、家でクリームブリュレをつつきながら紅茶を飲んでテレビ見ている方が幸せだ。うん。さっき見たブリュレが本当においしそうでねえ。でもストロベリータルトを頼んでしまった。嗚呼、次はブリュレ食おう。あの表面のパリパリ、おいしいよね。


「300だ!さんびゃく!! 」
寒い!ウィンタージェケットを着込むが寒さが浸透してくるようだ。ある程度体を動かし続けていないとならない。気温はとっくに5度をきっている。雨はときどきさらさらと降っているが感じられるほどでもない。海岸の湿地沿いから内陸へ。広大な農地の中を走り抜けている・・・はず。ここからムーアパークまで、だらだらと登り続けているので嫌いなんだよな、と思う。まあいい。まだしばらくは平地だ。

ふと、ボトルにお湯を入れれば良かったと思い出す。そういえばアタック福島600kmのとき、夜間走行時にはコンビニで買ったホットドリンクを入れて走った。夜はどうしても冷えるし、体内のエネルギー不足も体を冷やすから強制的に暖めるのは意外と効果があったのだ。思えば、さっきのウェンディーズで紅茶を買ったとき、ティーパックを使わずそのお湯をボトルに入れればよかったじゃないか。なんでそうしなかったんだ!俺の馬鹿!バカバカバカ!ああ、こっからしばらく店なんかないぞ!ファストフードどころか人家がない。ああ、お湯お湯お湯!

と走り続けて20km。フリーウェイとの交差するところのショッピングモールにマクドナルドを発見。突入する。マクドナルドでは紅茶とアップルパイを購入。すぐさま店を出る。お湯はボトルに注ぎ、アップルパイはトランクへ。どうせ熱くて食えないからな。すっかりご満悦でコースに復帰すると、パッチを当てたチューブをくれたフォスターのクルマと行き違う。スタッフも大変だよな・・・。

ここから嫌らしい登りが始まる。始めはゆるく、段々ときつく。そして何しろ長い。だんだんと傾斜が増していく尾根幹みたいな道だ。あまりに一直線なせいか、途中でカップル参加者が道ばたでキューシートをみつめている。こちらを見たので、まだ直進だよ、と指差す。ここを走るのも3度目。地図はいらない。かなりペースを抑えて走っているおかげか、息があがらない。ざっと考えると、ここを登り終えて少し下がるとムーアパークのCP。そこからクライマックスである標高差300m弱の峠越えになる。それを超えれば基本的には下り基調だ。いける。勝利への道筋が見えた!

ムーアパーク直前に丘の上にある新興住宅地をふたつ横切る。ここがけっこう急な坂だが短いのを知っているので気楽だ。ムーアパークのCPはシェブロンのガソリンスタンド。レシートチェックということだ。ここでマクドナルドで買ったアップルパイを食い、お湯をボトルに汲む。何を買ったかは覚えていない。なんかパンみたいなものだっただろう。前夜に早く寝付いたせいだろうか、なんだか眠くなって来ていた。さっきからも単調なまっすぐな道なら目をつぶっても大丈夫じゃないかな、とか思ってしまって実際目をつむると心地よいのだから困る。幸いにも眠りに落ちることは無かったが、この寒さだと道ばたに倒れたら確実に死ねそうだ。それだけは避けたい。なにしろただでさえ暗くて、もし行き倒れたらスタッフが探しに来てもみつからない公算が高い。

カップルライダーのひとり何か話しかけてくるが、頭が回らず答えられない。少し後に「なんであなた私たちの後からくるの?なんども抜いているのに」ということだったのだろう。ミスコースやマクドナルドへよったりで彼らを何度も抜いては、CPでは後着していた。と思っていたらフライドポテトの参加者もやってくる。あんたこそ僕より前に走ってただろう?僕を含めた二組のカップルとシングルライダーは集団を組むでもなく、しかし付かず離れず前後しながら走り続けることになる。皆ミスコースしまくりながら。カップルの髭を蓄えた男性の方に「あと40kmくらいだよね」というと「いやもっとあるぜ」と言われる。キューシートを確認すると、確かに50kmはありそうだ。10km増えたってことは30分修正だな。「この先の5milesが山場だね」「グリムスキャニオンだよな」と。そうか、そんな地名だったのか。

ムーアパークからしばらく話しかけて来たカップルについていくが、彼らのペースでは凍えてしまうので前へ出る。とはいえ無理はしない。今これを書きながら思えば、別にもうすこし追い込んでよかったんじゃないかと思うのだけど、当時はまったくそんなことは考えなかった。思考の埒外。思考能力がかなり停止してたんだと思う。ほとんど疲れを感じることも無く、峠の頂上へ。振り返るとまだカップルのライトが見えたので、ここで終わりだよと大きくジェスチャーをする。そこからは一気に下り。寒い寒い。凍えながら下り続ける。照明も何も無い夜道なのだけど、幸いにも満月に近いおかげで明るい。もちろん、新兵器のライトも十分に効果を発揮しているが月明かりがこんなに明るいとは!さすがに交通量は無いものの、ときおり登ってくるクルマのライトに幻惑される。路肩の先は崖なので勘弁して欲しい。もともと下りは不得意なこともあって夜間でもダウンヒルの速度が変わらない気がする。残念。

しかし、ここのところ足の付け根が痛い。こすれて痛い。痛い痛いをずっと書いているのもなんなので終わりまで書かないけど、最後にはじゅくじゅくするくらいまで痛くなった。やっぱりアソスのパッドは200kmくらいまでしかもたないようだ。それにゴール後に気づいたのだけど、股擦れよけに貼っておいたテープがはがれていて、それがペダリングの間中皮膚をこすり続けていたように思える。パールイズミのneoパッドだかが僕的にはベストチョイスなのだけど、日本とアメリカとで品揃えが違うので困っている・・・。

さて、6kmほどペダルをこぐこともなく進み、Bardssideを東へターン。高い垣根に囲まれた一本道をすばらしい勢いで走る。とはいえ、この時点での”素晴らしい”はせいぜい25km/hを超えればいい方なんだけど。途中でフライドポテト自転車乗りが農地の真ん中の交差点で道を確認している。ここは12月に走ったところでもあるので、こっちという感じで指差して曲がる。どこも高い生け垣なので道がわからないのだろう。標識も看板もない。近くでふくろうが鳴き、その声の大きさに少し驚く。あと1時間?2時間?次のCPまでは1時間もかからないはず。夜道を大声で歌いながら走る。1曲はだいたい平均5分、6回歌えば1時間。ipodとスピーカーを持ってくればよかった。自分で歌うにはレパートリーが少なすぎる。

フライドポテトライダーがエアロバーを握りしめてすごい勢いで追い抜いていった。彼のあの姿をみるのは何度目だろう?しかしSanta Paulaの街につくころには僕の後ろから現れる。それも何度目だろう?わけがわからない。僕も一人行き過ぎてしまって、Santa PaulaのCPに入ったらカップルも僕の前に到着していた。彼らもわけがわからないだろう。ここもシェブロンのガソリンスタンド。寒くってしょうがないのでココアを買う。人間が運動に使うエネルギーの中で脂肪がもっとも豊富に蓄えられているのだけど、それは燃えにくいのだそうだ。燃やすには糖分が必要だと言う。だとすれば糖分だけ補給していれば脂肪がガンガン使われるんじゃないだろうか。そうに違いない!だからホットココアをかった。熱すぎるのでボトルケージにさす。出発して1分ほどでさめてゴクゴク飲めるようになった・・・。

なぜだかずっと先行していたはずの若手カップルがいたのでSanta Paulaの街を彼らについて走る。話さないにせよ、誰かを視界にとらえていた方がずっと楽。話せればもっといいのだけど。僕のブルベは、畢竟、どこまで孤独の中を走るかという遊びになってしまっている。それはそれで悪くないのだけど疲れがのしかかってくるようだ。Santa Paulaの街を外れたところで若手カップルが道を間違う。僕は彼らにそっちは違うよ!と言おうとしたがすでに声が届かないところへ。いちおうキューシートを確認していたが、やっぱり彼らの行く方ではない。しかたないがまた一人旅だ。

長い緩い登り。ゆるゆると。ホットココアはそれなりに効いているようだ。思い返せば、ペースは出ていないけど200km近辺を走っていたころより調子良く走れている。普段も糖分をもっと有効活用すべきなんだろうか?本当か?うーん、わからない。20kmほど(つまり1時間くらいか)完全な直線を走り続け、ベンチュラの街へ入る。6時間以上前に見た景色。誰が待つ訳でもないのに一気に速度あげる。そのまま夜の街をつっきる。もう終わるかと思うと最高に気持ちがいい。冷たい空気を切り裂いてモーテルまで走りきり、道を横切ってゴール。モーテルのロビーで待つスタッフにカードを渡した。主催のグレッグが「一番後ろ?」というようなことを聞いて来たので「いや、僕の知る限りシングルライダーがひとりと二組のカップルがいるよ」と告げる。カードとレシートをチェックしていたグレッグの奥さんが、エントリーリストを手に「まだまだたくさんいるわよー」と言う。例のリカンベントグループがおめでとう!と言ってくれた。参加者の少なくない人数がモーテルに部屋をとっているようだ。僕も途中で泊まっていくか悩んだけど帰ることにした。現在午前1時。スープなどを飲んでいるとまとまって走っていた参加者がゴールしてくる。

おわったおわった。残り何人くらい走っているの?と聞くと8人だか7人だかだと言う。ええ!全部で30人とかだろう?と思う。まあ、モーテルでシャワーを浴びて着替えたりしながら走る人たちもいるから、タイムにはこだわってないのだろうけど、それにしても遅いだろう。グレッグも心配なようで後方のライダーを確認しに出て行った。チューブをくれたフォスターがやってくる。あなたの悪い予言の通り、あのあともパンクしましたよ。

日本でもそうだけど、こんなに過酷なイベントをボランティアで開催するスタッフの方々には頭が上がらない。参加者も仕事や家族との折り合いをつけるのが大変だけど、スタッフはさらに大変なはずだ。コースを策定し、試走し、開催する。参加者の様子をチェックし、見回り、事務処理まで!僕にはとてもできない。走る方も寝られないけど、スタッフだって寝られないのだ。僕はもう帰ればいいけど彼らは帰れない。本当に大変だ。ありがたくてありがたくて・・・。

結果完走18時間30分。次に控えているロングランは320km制限時間17時間。獲得標高も今日よりあるうえに事前のコース公開はまったく無し。今回のライドを15時間程度で走って自信をつけとこうと思ったのだけど、不安を煽る結果となってしまった・・・。どうしよう。
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