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【落武者魂】 人情のSD400k:中編
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人情のSD400k:中編


のどかな田舎道です。今日はゆるやかに登ってワイナリーで有名なテメキュラを目指します。


暑いお!


主催者のマイクです。こうやって先回りしては応援を繰り返してました。ありがたいありがたい。


登って下って・・・新兵器のリア29Tが火を吹くぜ!


登ってゆるやかになって登って・・・。あの先はもっかい登ってテメキュラへ下ります。29Tが火を吹きまくり。さすが大口径、この程度の登坂なんざブリキ缶だぜ。


CP1(100km)からCP2(160km)まではほぼ平坦です。このあたり今回唯一の平坦エリア。6人集団にまじって走る・・・あれ!パンクですか!まじかー。

・・・脱落・・・。


脱落後の顔。一気に余裕が無くなりました。ここまででフロントバッグに入れていた補給食は食い尽くしたし、水は足りなくなるし・・・。パンクの原因は木のとげ?がタイヤを貫通していました。すごく小さいヤツが。水が無い水が無い・・・。あせりのせいか、ミスコースを繰り返します(結局16kmも多く走りました)。


暑いお・・・。

CP2、HEMETコントロールへは午後3時すぎに到着。さっきまでいた集団がでていくところに滑り込み。ドロップバッグ回収とライト取り付けとか写真におさめる余裕はありません。挨拶もそこそこにライトをくっつけ、ドロップバッグを背負い、アントニー夫妻が出発するところへ食らいつきます。ひとりでルートファインディングは怖すぎる!とくにここから次のCP RANOMA(300km)までの荒野でミスコースしたら死ねるから!



CP1で「こんなに日中暑いのに、夜は氷点下前後なんて信じられないよ」と主催者のマイクに言うと「砂漠の山間部だからねえ」と言われました。乾燥しているというのも善し悪しですね。だんだんと山間に入ります。


沈み行く夕日。気温がぐんぐん下がっていきます。


あの山の向こうはパームスプリングスのはず。


すこしづつウェアを着込んでいきます。稜線のためか風が強く厳しい山岳になってきました。とある登りでアントニーが「incredidable」とつぶやきます。「信じられん」と訳すより「やってられねえ」という感じ。

この荒野の前半終わりくらい、まさに陽の光が完全に消え去ること、僕らはクリスたちのグループに追いつきます。彼らが峠の上で休憩しているところに。多分、ある程度ペースを落として待っていてくれたんだと思いますが。そこで急いですべてを着込み、6人グループになって走り始めます。ここまでで220kくらい?半分はすぎました。

彼らといくつめかの峠を登っているときに、腹がぐうぐうなります。WATER STOPが指定されていて、そこまで20milesほど。走りきれるだろう、補給食に手を付けないでいました。厚手のグローブでは食えないから。前のサイクリストが「standing!」とダンシングを開始、前後でも同じ声が(ダンシングすると速度変化が起こるので回りに警告するわけ)。

僕も腰をあげようとするのですが、あがりません!やばいので列から離れて後ろへ回り29Tに火を吹かせようとしますが不発。脱落していきます。おかしい!いやおかしくない。エネルギー切れですか?見送る僕。でも今回のこの見送りはいつもの見送りとわけが違う。この荒野で異邦人が夜間一人きりというのはどういうことなのか。しかし力が出ません。平坦な道にもどっても、足が回らないというか、自転車のバランスとっているのに危険を感じる始末。つうか倒れ込みたい。俺はこんな荒野でひとり死ぬのか。

と思った瞬間、右手のグロープを歯で食いちぎらんばかりにひっぺがし、ちりちりと痛む寒気を鈍感力でカバーしてフロントバッグの食い残しをあさります。食べ残しのClifを噛みちぎり、嚥下し、さらに猛然と右手はバッグの中をあさってCP2で積み込んだジェルを一本、二本と口へ流し込みます。うまい!パワージェルがうますぎる!目に涙があふれる始末。パワージェルがこんなにうまいなんてありえない!さらにバッグの下にたまっていたパン屑なんかも指にひっつけてなめようと思いますが、それはなんとか思いとどまり、しかし自分の意思を超えてバッグをかきまわす右手に驚くほど。

そうこうしているうちに、糖分の一部が回り始めたのかヒットポイントのバーが一気に回復。ガシガシ踏み込んでいけます。遠くに赤い点がちらちらと見えることがあるのはまだ数キロしか離れてないってこと。WATER STOPで大休憩だろうからおいつけるはず!
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