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【落武者魂】 SR600NihonAlps 第四話 甲州街道
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SR600NihonAlps 第四話 甲州街道

 諏訪神社下社の細い脇道からビーナスラインへの登坂が始まる。とはいっても、とりあえずはチェックポイントの蓼の海公園とやらまで頑張ることになる。しかしまあ、この道はとてもビーナスラインまで通じてるとは思えないほどの細い道で、農作業道路みたいな感じ。ちょうど下校時間だからか、生徒がちらほらと歩いている。そしてキツい。こういうことを書いてしまうと、これから走る人にはネタバレになってつまんないかもしれないと思うことがあるけど、ここは実にキツい。グレーチングの上でスタンディングすると後輪がすべるくらい(まあ、雨降ってるからね)。ここを登下校の道に使っている生徒たちは、さぞ足腰が鍛えられるだろう。ここの坂は、このコース屈指のキツさを誇っているらしい。けど、名前も頂上も無い、ただの坂というのが実に良い。いわゆるワナだ。

 そんな道の先によく整備された広大な公園があるのは不思議。雨が降っているから誰もいないのか、こんな僻地だから誰もいないのか。釣り人が数人、人造池に。あれ、公園が終わっちゃうぞ、というところで振り返るとチェックポイントの看板があった。夜、暗くなってしまうと見つけにくいかもしれない。ところで、僕はこの公園の裏口から入ってきたことに気づいた。道理でほっそい道な訳だ。普通にこの公園にアクセスするには、二車線の立派な県道を通ってくればよいらしい。そしてその二車線はビーナスラインへ向かって続いている。そこを僕は進む。雨に打たれながら。

DSC00969.jpg


 唐突に霧ヶ峰に到着。そういえば初めて来たのかな。ビーナスラインには何度か来たことあるけど、いつも美ヶ原-白樺湖間を走っていて、こちらには来たことがない。うまいことに雨はやんで雲は・・・・・・空を覆うけど、霧などはでていないようだ。地元町内会(別荘でもあるのかね)?の掲示板は三菱電機が提供したもののようで、三菱電機、霧ヶ峰の文字が入っていた。霧ヶ峰のエアコンで温めてくんねえかな、と思うくらいには寒い。美ヶ原との合流付近から雨足が強くなる。レインウェアはジャケットしか羽織っていないけど、まあすぐやむだろう。なんて思ってたら、どんどん降ってきた。寒い寒い。黄昏時+雨天+街灯なんか無し、で路面のインフォメーションはほとんど入ってこない。ライトつけててもブルーグレーの世界にすべてが溶け込んでしまうだけ。車山を見ては寒いと思い、白樺湖を見下ろしては寒いと思う。そうだ、このまま白樺湖のホテルに突入しちゃうってのはどうかな。

 白樺湖のコンビニはまだ営業していたので、とりあえず入る。ここが久々の補給で、ここからしばらくの最後の補給だな、と思うものの、実のところ何かを買う必要も無い。今、手持ちの補給物資だけで100kmは走れるはずで、次の補給地点は100kmも先ではない。雨は降り続いているので、ここでホテルに入って二泊してゴールの案も少しだけ検討してみる。僕のタイムリミットは午前6時で、実はまだ10時間以上残っている。残り距離は100kmくらいだろうか。現在位置は、コースの最高地点に近く、ゴールは1000mも下にある。ということは3時間くらいの休憩はまだ安全圏ではないだろうか。・・・微妙だな。この臭いウェアをもう一度着るのも嫌だしなあ(基本、アウトドアに向いてません)。最後のセクションはよく知らないのだけど、どうも幹線国道らしい。となると深夜に通過しちゃったほうが交通量的には良いかも(あるいは木曽国道みたいに、夜間はトラック暴走道路の可能性もある)。
 悩みどころだけど、胃腸が弱くて回復力に欠ける自分には、ゲームを長引かせるよりここでケリをつけるほうがよさそうだ。5時間半という膨大な睡眠時間のおかげでまったく眠気なんか無いし。

 なんてしっかり考えているようなことを書いたが、ただの思考の遊びで実際に泊まるつもりは無い。雨量レーダーを見る限り、ここで雨は1時間くらい。小淵沢の周辺には雨雲が滞留する予報だけど、今、心配することではない。濡れて風に吹かれている体はガクガク震えているけど、レインウェアを全部着こめばなんとでもなろう。自転車はまだ壊れていないし、壊れるわけもない。ブルベではどんな自転車が向いてるのかって? 悲惨な状況下でも無事に戻って来られることを確信出来る自転車だ。俺には今、この自転車しか無い。だからこの自転車が一番向いてるんだ!

 「戦場まんがシリーズ」の名セリフに酔いながら、大河原峠へ出発。コンビニからしばらく登ったり降りたり。スキー場の向かいにあるホテルが最後の自販機。そこから先は、真っ暗闇。雨のおかげで野生動物の音がほとんどしない。謎の鳥の鳴き声が稀に聞こえるくらい。道はしばらく2車線のよく舗装された道路だが、しまいには1車線になった。もう標高は2000メートル近く、森林限界ってどうなってるんだ? とか思っているとがけ崩れのせいか、視界が開けていところにでた。下方にぼんやりと佐久の市街地が見える。雨にふられているのか、けぶっている明かりだ。左手の奥に見える鉄塔の立つ尾根は美ヶ原? わかんないけど、標高ではありえなくもない。しかし、こんな道を下るのヤだな・・・

 大河原峠の鞍部は大きな駐車場になっていて、車中泊の車が何台も止まっていた。ただ放置されているのかもしれないが、真っ暗なのでうかがい知ることはできない。峠の看板まで草むらを踏み分けて渡り、自転車をたてかけて撮影。さて、次のPCまでは下りだけだぞー。爽快ではなさそうだけど。

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 雨は止んでいたが(降ったりやんだりめんどくせーなー)、ずぶ濡れの林道みたいな道を下っていく。路面にはいろんなものが散らばり、要所要所にグレーチングが。隙間は開いていないよね、と思っていたが、ひとつふたつ、隙間があるものもあったなあ。なんだか宿泊施設っぽいものの看板の下にやけに大きな犬がいて、並走しはじめる。ま、飼い犬だろうし繋がれてるのかフェンスの向こうなのだろう、と思った瞬間気づいた。鹿だ。でかい鹿に並走されてる。くそう、同航戦か。ちょっとヤバイので、大声で怒鳴りつけるが、まったく聞く耳を持たない。というかわざわざ斜め右前から進路にはいってきて、カツカツ蹄の音を立てながら左側の藪に消えていった。すげえな、我関せずって感じだったよ。

 しかし下る下る下りまくるがが全然高度の数字が減らない。ブレーキパッドを交換しておいてよかったよ。ちょっとビビリー入りすぎててブレーキ引きっぱなしになってる。機械式ディスクブレーキってブレーキかけっぱなしでなんか悪いことあるのかな。ベイパーロックは起こらないよな。ワイヤーに熱が伝わってレバーが熱くなるとかあるんだろうか。ないよなあ。

 ところで手のひらが痛い。やたら痛い。なんでだろ、と思ったら、グローブのロングライド用の分厚いジェルパッドが手のひらに食い込んで痛い。参ったね、こりゃ。ブレーキ引きっぱで体重がかかっちゃってるから、どんどん痛いんだね。

DSC00995.jpg


 佐久のPCはただの交通標柱。写真がとても撮りにくく、10枚ほど撮影してなんとか成功。最後の60kmへ突入する。ここは国道141号、幹線国道。まだ深夜というには早い時間ということもあって交通量がそれなりにある。少し走ると久々の「フツーの」コンビニあり、さらに走るとファミレスもあったり。
 しかしまあ、事前の勉強をしてなかったから知らなかったけど、意外と登る。斜度は無いものの前半はずっと登り、後半はずっと下り。いい加減飽きて来たので、さらにコンビニで休憩をとったりする。このまま行けば午前1時〜2時には到着するだろう。当初計画より若干早いくらいだけど、問題はそのあとどうするかなんだよね。小淵沢には夜チェックインできるような宿泊施設は無いし、道の駅の温泉施設は午前10時からしか開かないし。俺、とっても臭いし、その間なにしてるんだって話。そんなわけで速く走るモチベーションが無いわけ。

 小淵沢駅へ、よくこんな道を知ってるなあというルートをつないで走る。午前1時半ごろ、駅へ到着。おとといの夜中にはアナ雪が流れていたカラオケスナックも今は静かだ。写真を撮影し、すこしベンチに座って休む。さてさて、とりあえずもう走らなくていいんだね。

DSC00997.jpg


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次回予告:ちょっとしたおまけと完走後の感想。かんそうだけに。
 
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