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【落武者魂】 SR600NihonAlps 第三話 野麦街道
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SR600NihonAlps 第三話 野麦街道

 目が覚めると握られたiPhoneの画面には4:30の表示があった。一瞬のことだったが、5時間半ほどたっている。眠れないかもしれないとか言う不安は一体なんだったのか。まあ、前夜に一睡もしてなきゃこんなものか。
 しかしおかしいな。4時15分にもアラームをセットしていたはずだったのだけど。設定ミスか、無意識に消したか。さて、6時発にすれば二度寝もできるけど。まあいい。起きよう。朝飯を食べて着替え片付けをし、再スタートしたのは午前5時半。予定よりは30分ほど早い。天気予報は早朝のみ雨、とのことだったけど、今のところ曇天なれど明るい。これはいけるんじゃね? と早起きな人たちに挨拶する「おはようブルベ運動」を実施しつつ高山市街地を抜けて行く。

 道はずっと登り。じわじわと標高を上げていく。実は高山から乗鞍のゲートまでで1100mほどの上昇量があるのだ。距離はだいたい30km。残り10kmでさらに1000mほど上がる。ワオ。きついんじゃね? とか思っているうちに乗鞍と松本へのそれぞれの道の分岐。一般車両は入れない乗鞍へのアプローチへ進みだすと、パラパラと雨が落ちだす。
「ありゃりゃ」と思う間に、土砂降りへ変わったのでたまらず木陰へ入り自転車を放り出して雨の支度。このあたりはもう、まったく人工物なんか無いのであまやどりなんかできないのだ。
 雨支度をしながら「あー降りだしちゃったよー。これ本降りだよー。ゲート閉鎖だろうなー。まだまだイケるのに、ゲート閉鎖じゃ中止も仕方ないなー」と心で棒読みし、撤退路を検討しつつ更に登る。急に斜度がきつくなった。トレランの人たちとたくさんすれ違う。雨なのによくやるなー。どこから来たんだろう? この人達は。
 ゲートまで意外と遠い。雨はざんざ降り。風がないのは救い。なにしろ前後ディープリムなもんで、強風のダウンヒルはあまり楽しいことにはならない、というか空飛ぶ可能性があってコワイ(以前に煽られてふっとんだ人を見た)。とりあえずゲートまでは行こう。胃腸が弱いので、体力の回復はできてないけど、いつものことだしたった600kmだし、自転車は壊れているわけじゃないし。辞める理由がない。ゲート以外は。ゲート、しまっててくれ!

 ゲートが見える。管理小屋から反射ベストをまとった係の方がでてくる。おっと、これは「ごめんなさいねー。今日は悪天候で閉鎖だよ」か!? 天は俺にも微笑まないのか? さあどうだ。

「気をつけて行ってねー」

 あれ? おや? 通れちゃった? 景色は一面真っ白だよ・・・・・・。まあ、ヤバイほどではないし、雨の割の空も明るいけど・・・・・・。

「有料じゃないんですか?」と尋ねると「無料」とのこと。「天気、好転しますかね?」と聞くと「一日こんなんじゃないかな。降るのは夕方からって言ってたんだけどね」と。ふう。とりあえずゲートは開いてしまった。天は僕を選んでしまった。選ばれたからにゃあ、行かねばなるまい。閉鎖、の声がいつかかるともしれないし、登るか。

 ずっと、白い世界を登った。

 とても、長い時間、登った。

 静かな時間が過ぎた。

 九十九折が続く場面に入ってきた。コレがよく写真で見るところなのかな? とか思っていると、雲・・・足下に広がるのも雲・・・が斜面を駆け上がってきて流れていく。風が急に強くなってきた。雲が流れ、切れ、僕は稜線を越える。

 おお、ゴウランガ・・・。見るがいい・・・ゴウランガ・・・。

DSC00953.jpg

 天が割れて太陽光が燦々と降り注ぐ2700mの峰。もはやすべての車両は我が足下にあり、頭上にひとつの車輪も無い。素晴らしい。我、来たり。そして最高地点まで進むと・・・・・・。

DSC00956.jpg

 やれやれ。

 しかしまあ、寒い。気温はともかく日が隠れてしまって風がビュービュー吹いてて萎える。さっさとここから撤退して、温かい場所へ還ろう。幸いながら、長野側には雨は降っていないようだ。むしろ雲量50%くらいだけど、晴天ぽい。下る下る一気に下る。岐阜側では二人しかサイクリストを見なかったけど、長野側には無数のサイクリストたちが頑張っていた。事故はコワイので丁寧にすすんでいく。不安だった新島々のトンネル群はとりたてて怖いことも無くパス。まだお昼前なので帰路につく車は少ないのだろう。上昇した気温に耐えられないので、レインウェアを脱いで、背嚢へしまう。お昼ごはんはトンネル群が終わってから、どこかで座って食べたいな。

DSC00960.jpg

 水も随分前に無くなっていたが、ゆるい下りのおかげで脚が回っているので気にしていなかったらどんどん気温はあがりご飯を食べる場所もなく、どうしようモードに入る。コンビニや自販機はあるから止まればいいのだけど、せっかくいい調子なのだし、すぐにファミレスなどがあるかもしれないし。いつもの良くないパターンその一だ。ようやく長い赤信号で止まって付近のファミレスが南松本のPCの手前にあることが判明。その交差点まで進み、まずマクドナルドへ。うーん、超満員。これはよくないね、とガストへ。やっぱり超満員。松屋、吉野家もよろしくない。こんなことをしているうちに無為に時間だけが流れ、しかたないのでPCの石碑へ向かう。まだ何かあるだろう?

 何もないのでコンビニでパスタ。気温34度。ピーカン。なんで俺は日向で熱いパスタを食ってるんだろう?

 南松本から次のPCまでは塩尻峠を通過。日中の甲州街道はやはり交通量が厳しい。路肩が大きく取られているところが多いのでそこで耐えて凌ぐ。最近は左側追い越しをかける車がやたら多くて怖い。自動車にも免許制度が導入されればマナーがよくなるのに・・・ってすでにあるのか。機能してないな。ブツブツ。

 諏訪湖のほとりで通過証明としてオブジェを撮影していると雨がぽつりぽつりやってきた。昼間はあんなに晴れてたのにな。雨はまあ、走り出してしまえばなんてことはないし、気がめいるのと臭いだけが問題なのだけど、これから2000メートルの高所まで登り返すのかと思うとうんざりもする。なんというか、このコースって後半の方がキツいよね。日が落ちる前にどこまで行けるかなあ。寒いのやだなあ。ああ、寒くて雨で高所といえば去年のFujiのとか一昨年のカスケイドのワシントンパスとか思い出すなあ。ワシントンパスは泣いた。

 さて、行きますか。まずは諏訪神社へ。

***

次回予告:ついに我々は最後の高地へと突入する。目指すは霧ヶ峰、そしてビーナスライン。最後の2000m級山岳を越え、雨の中の林道を下り続けなくてはならない。カルフィー・ドラゴンフライ・アドベンチャー、お前はこの日のために作られた。最終話「甲州街道」

 
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