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【落武者魂】 本当はキビシいSR600 Fuji その三

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本当はキビシいSR600 Fuji その三

 ふと気づくと、ベッドに倒れこんでから1時間も経過している……が、眠れていない! ええい、この一時間は「眠った」ということにしよう。そしてさらにこれから2時間は眠ることができる。つまり3時間の睡眠をとるの……だ……!

 ああ、やっぱり眠れない! 疲労と緊張とボトルが無いことへの不安?などが折り重なっているせいか、目がギンギンに冴えてきた。水を飲み、トイレへ行くのを繰り返す。ああ、時間が無為に過ぎ去る……。どどどどどどどどうしよう……。

 気づけば外は明るい。6時を過ぎて、ついに睡眠を諦めた。天気を窓越しにチェックし、雨具はジャケットだけでいいなと帰り支度。前日のウェアなどをまとめて送り返すバッグに詰める。コンビニで買っておいたレーズンパンをもぐもぐ食い、午後の紅茶で流しこむ。なんだかあまり急ごうという気も起きずに、結局ホテルを出たのは7時過ぎ。うーん、意外と交通量が多いなあ。ちょうど通勤ラッシュの時間にぶち当たってしまったようだ。支度をもっと早く済ませて、さっさと出るべきだったな。



PC6の信濃国分寺仁王門の通過は予定から1時間以上の遅れ。今日は気温が上がりそうだ。どこかで水を入手しなきゃな。水、というかポカリスエット。ポカリスエットの900mlなら普通のボトルケージにぴったり嵌るという情報を得ていたからだ。それにできればワンタッチオープンのペットボトル用キャップが入手できないものか。100円ショップやスーパーのアウトドアの棚なんかに置いてあるやつ。もっと言えばそろそろアウトドアコーナーなんかが拡充されてボトルも入手できるかもしれない。そんな淡い期待をしながらコンビニに入るが、900mlのポカリスエットさえ見つからず……。

 二軒目のコンビニでポカリを購入すると、たしかにこれはボトルケージにぴったしサイズ。その後も通勤渋滞が怖くなるたびにコンビニに入ってチェックするが、結局ボトルは入手できないまま美ヶ原への登りへ入る。これがまた……長い。まばらにある人里をつなぐ直線的な登り。なぜかところどころで道の脇に大きなオブジェが飾られていたりする。これはてっぺんにある美ヶ原美術館のイメージなんだろうか。ぼんやり登り続けていると、このぼんやりさは眠気ではないかと気づき、ちょっと体育座りをしてうとうとする。すると、どれほど時間がたったのか、あるいはたっていないのか、チェーンの音がする。顔をあげると一人のランドナーが通り過ぎるところだった。



 そこからはI氏と一緒に登り始める。武石のキャンプ場からは補給出来る場所はないと言われるが、僕はまだ十分にポカリスエットが残っているのでそこをパス。だが結局I氏に抜かれてたらたら登る。天気はすばらしく、雲ひとつ無いと言っていいくらいの快晴。暑いことは暑いけど、高度もあるのでそれほど問題にはならない(当社比)。とにかくこの登坂も長いのだけど、それを文章で伝えることは難しい。次の文は「12時ちょっと前にはなんとか登り終えることができた」なのだけど、そこまでにも2時間近い時間が流れていたはずだ。



 美ヶ原で拉麺を食い、時間を費やして白樺湖のコンビニを目指す。美ヶ原から霧ヶ峰、車山と抜けていく行程には3時間ほどかかったはずだが、まったく苦を感じることはなかった(いま椅子に座ってキーボードを叩いている立場から思う。つまり苦しくても忘れてる)。なにしろ景色がよかった。この世界の広さを見渡せる場所は、日本ではなかなか無いだろう。雪を冠したアルプスの山々が見える。あっちにも、ほら、こっちにも。空気は澄んでいて、その肌触りは爽やかだ。車山まで達すれば、眼下にジオラマのような白樺湖の風景が見下ろせる。
 素晴らしい。
 あまりに素晴らしいので、トレーラーが車両7割分車線をはみ出して曲がってきやがって、ドライバーどこ見てやがんだと思ったら、僕を追い抜きにかかっていたバイクのあんちゃんを凝視していた(たぶん正面衝突寸前だったはず)のも、忘れてしまいそうだ。

 馬鹿なトレーラーと言えば10年以上前だけど、台風直撃の中、東名を大阪に向かっていたら、前を走っていたトレーラーが左右に車体をゆすって前の車を煽り出した。その当然の帰結として、ジャックナイフを起こしてトレーラー部分が二車線にまたがって横滑りを起こすということがあったのだけど、世の中にはそういうホームラン級の馬鹿がうようよしているので要注意だ。たぶん、そのドライバーは「20km/hくらいオーバーしないなんてありえない」とか思っていたに違いない。
 ホームラン級の馬鹿で思い出したけど、こないだ信号待ちしたら後ろから来たロード乗りが、前にとまっていた軽トラの荷台に手を伸ばした。なんかイベントぽかったしその軽トラは回収車らしかったので「スタッフとして知り合いなのかなー。でもあぶないんじゃないかなー」と見ていた。たぶん、その人は軽トラにひっぱってもらって加速しようとしたんだと思う。でも、それはゼロ発進時に用いる手段ではない。当然の帰結として、信号が青になった瞬間、軽トラに引きずり倒.されそうになるわ、僕の目の前に直角に飛び込んでくるわでひどいもんだった。
 その時に思い出した言葉が「ホームラン級の馬鹿」だ。
 いや、あれはすごかったなあ。

 何の話だっけ?
 SR600の話だ。
 そうそう、SR600Fujiの中でももっとも素晴らしい景色が楽しめるこのセクションは、SR600JapanAlpsでも堪能できるらしい。僕はもうお腹いっぱい、食べられないけど。



 白樺湖から次のPC女の神展望台まではちょっと登りがきつい。ここまで来た足にはちょっと堪える感じの道が続く。斜度がきつかったり、ひたすら真っすぐだったり。それでも女の神展望台まで登ってしまえば、八ヶ岳を見渡すことができて、これまでの疲れも、まあ、疲れはそのままだけど、ちょっと気も紛れる。ちなみに、そこまではほとんど景色らしい景色はなかったなあ。



 女の神展望台から一気に下って、そして麦草峠が始まる。これは最後の長いヒルクライム。最後の大ボス。そこへ到達すれば残り距離は200km、残り累積標高は2500m。普通に考えれば、全然終わってないのだけど、なんだか心は軽くなってきていた。残りの山は野辺山と河口湖へ至る若彦だけ。それぞれ1000mも登らない中ボス級。よほどのことがなければ完走できるだろう。



 麦草峠も2時間以上かかって登るが、特に書くことなし。頑張って登った。
 レインジャケットを着込んで下るものの、やっぱり寒さはある。しかし困ったな、この時間で寒いってことは、この先のダウンヒルが怖いな。レインパンツを送り返したのは失敗だったかも。

 麦草を下りきり、小海の方へ入っていく。小海はむか~し、クラシックカー(というわけでもないが)とかのからみの仕事をしていたころに、よくイベント絡みで訪れた。はずなんだけど、記憶に無い。そんなことを考えていたら、なんだか長閑な集落に吸い込まれるように入り込んだ。
 松原の集落だ。そして忘れられないのは、そこから見た八ヶ岳の光景の素晴らしさ。残雪を照らす夕日の美しさ。田圃もオレンジ色に輝き、ただ息を飲むばかり……。まさに絶景と思っていたら、道端の粗末な木の板に「絶景ポイント」と手書きで墨書きされていた。



 絶景ポイントを過ぎると、幹線道路に入って野辺山へ。ゆるい上りだが、交通量は少なくない。平日ならトラックが多いので、ここまで素晴らしい交通状況(クルマが少ない)にに慣れてしまった身には、ちょっと嫌な感じだ。

 野辺山はJRの最高地点。韮崎までの国道141号はひたすら下り。この下りは長く、高い速度を維持して行けるが、やはり幹線道路なのでうまく後続車に道を譲ったりしないといけない。僕らは野辺山で既に真っ暗(予定の3時間遅れ。余裕時間4時間)になっていて、路面状況もところによってはあまりよろしくないので、これも神経を使う。やがて道の脇に久々に見かけるフランチャイズレストランや、大型スーパーが現れる。上田以来、12時間ぶりくらいにみかける「都会」の灯り。白樺湖のコンビニから、補給のできていない僕らは、ちょうど良さげな店を探しながら走る。


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