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【落武者魂】 熱風台湾 TPT1000km 蓮の花満ちる林鳳営まで
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落武者魂

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熱風台湾 TPT1000km 蓮の花満ちる林鳳営まで

 話は飛んで当日。
 1000kmブルベだというのに、ステージが設けられ盛大な感じ。実は数日前には行政院で記者会見まで開いていて、台湾ヤフーニュースにもあがっていたほど。ステージ後ろの看板に書かれた協力団体の中には、各地の警察まで。そして、スタートからしばらくは警察の先導車両がつくらしい。このあたりの優遇には、自転車産業に対する施策や、台湾という国の置かれた立場みたいなものも感じられるなとか偉そうに考えつつ過ごす。超マイナースポーツ種目であるACPブルベと言えど、国際的な競技。台湾に独立した組織が置かれているという意味はこの国にとっては大事なことだろう。



 そんな僕の勝手な推測とは関係なく、式次第は進む。
 参加人数は110人くらいだというが、スタートラインへ皆が集まりだした。僕らは後ろの方へ。前日までに見た淡水やその周辺の町並みを考えるに、あまり混み合った集団にいるのは避けたい。タンデムも特に普通の自転車と変わることはないのだけど、周りの人がよそ見するとかそういう不測の事態もあるからだ。



 ブブゼラの音が響き渡りつつ、台北ー屏東ー台北1000kmブルベがスタートした。たまたま通りかかった観光客とお土産屋さんに見送られつつ 、100台超がいっせいに走り出す。警察車両が先頭にいるらしいけど、僕のところからは見えない。そして警察の先導があるからといって、特に道路が封鎖されていたり信号が停止されていたりということもない。至っていつも通り。あっという間に交通ラッシュの中に投げ込まれるけど、大勢の自転車が走っているから、ついていくだけ。淡水から大きな橋を渡り対岸の八里へ。ボトルが落下して停止したので、ほぼ最後尾だ。最近こんなんばっかだな。八里の町中を抜けると、高速道路の側道のようなところへ入っていく。ここからはぐっと交通量が減っていく。走るのが楽になった。桃園空港へ出入りする飛行機が頭上を行き交う。少し先は台湾海峡の海。海岸沿いにはいくつもの風力発電機が置かれている。しかしそれは少しも動いていない。



 今回のコースは確かにフラットだ。
 けれど、それは単純にイージーであることとはイコールではない。単調な直線が続くだけの道を、足を止めたりペースを変えたりすることなく走り続けるのは、案外しんどい。それに、このブルベにエントリーするときに台湾の知人に言われたことがふたつばかし。ひとつは季節風。この季節は強烈な北風が吹くので行きは良いが帰りはきっついよと。それと無数の信号。初めの200kmで100個はあるからね……と。



 しかし残念。きっつい追い風を期待していたのだけど、全然風が吹かない。前日までの強風はどこへやら。帰りに向かい風になるんじゃないかという恐れがあるので、今ここで追い風の恩恵を受けることができないというのはなんとも恨めしい。それでもフラットはタンデムにとっては有利な環境なのでさくさくと進んでいくことができる。なんでタンデムがフラットで有利かといえば、空気抵抗と出力の比率で普通の自転車より優位だからだ。一般の自転車にとって、一番大きな抵抗になるのは空気との戦い。タンデムは前から見れば一人分の大きさでしかないので、つまり空気抵抗は一人分、そして出力は二人で漕ぐので二倍。すごく単純に考えればそういうことになる。だから比較してフラットや下りには強い。そういうことが問題にならない登坂では、乗員の能力による。僕らは上りに弱いので、そっちは非常に遅い。



 太陽は顔を出さないが、寒くはない。
 PC1ではこちらに住んでらっしゃるMさんのご夫妻に応援され、PC2ではTPT1000へのご意見をいただいた台湾のMAさんに声援をもらう。ここからは市街地だけど、しばらくは幹線道路を走っていくだけ。信号がだんだんと多くなってきた。「ガードレールのある歩道」なるものがなく、二輪車レーンがあるので交通量のわりには走りやすい。ただ信号によるストップ&ゴーは厳しい。車両そのものの重さだけではなく、ふたりの動きを合わせなくてはならないというのは、練習不足の僕らには少しずつキいてくるのかもしれない。



 妻が頭痛がするとつぶやく。
 実はこの渡航の直前から、彼女は風邪気味であった。なんとか走れる程度、ということではあったのだけど、やはり実際に走り出してぶり返したのだろうか。不安がよぎる。そういえば、僕も目の奥がズンズンとする。少し目眩がする気さえする。こっちまで風邪かな……。よくない、これはよくない。

 そういえばさっきから随分と交通量も増えた。
 整備不良のようなスクーターも多い。トラックも。
 その排ガスを吸っているせいではないかと妻と話す。
 そういう話をしている間にも、交通量はますます増えていく。もはやスクーターのプロトンの中に飲み込まれているような具合だ。



 もちろんエンジンのない僕らは、スクーターのようにグイグイ加速していくどころか、信号スタートではのそのそと動き出すばかり。それでも周りのスクーターは避けたり待ってたりで、とくに焦らせられるようなこともなかった。こっちのスクーターもなかなかスタートしなかったり、してものろのろ走ったりとフリーダム。このあたりはどこか? 彰化か台中か。いずれにしろすごい交通ラッシュだ。今僕が生きていることが不思議なくらいの流れ。スクーターの奔流の中を走ってPC3へ辿り着いた。



 このブルベのPCは基本的にすべてセブンイレブンだ。ブルベカードにお店の人からスタンプをもらい、さらにレシートも必要。どちらか一つだけでいいじゃないかと思うのだけど、そうなっている。セブンイレブンで売られているものは、お店にもよるけど日本で販売されているものとよく似ている。お弁当などはこちらの料理かつこちらの味付け。当たり外れが大きいので、僕はアンパンとバームクーヘンをメインで食べる。足りない分は走りながらジェルやウィダーで補う。こちらのコンビニにもウィダーは売られていることがあるので、みつけたら可能な限り補充していた。

 他の日本人ライダーも四苦八苦しながら走っているようだ。このセクションでは途中で暑すぎて寝たりしていたそうだ。なんでも36度もあったのだという。そりゃ、頭痛やふらふら感がでてくるわけだよ。日差しがないからよかったとか思っていたのは僕くらいか。普通に光化学スモッグ状態だったんだな。



 無数のネオン輝く中華看板の林の間を、交通ラッシュをすり抜けながら怖い夢の中を進んでいくようだ。それでもPCを過ぎた頃から、交通量が減っていく。それが夜が更けたせいなのか、街を抜けているからなのか暗くて判然としない。だんだんと街の灯りが弱まっているのは確かだ。やがて街を抜けるが、それでも路肩に煌々とネオンを輝かせているブースがある。ビンロウ売りのブースだ。ビンロウというのは、実際に見たことはないのだけど、木の実なのだそうで、ガムのように噛んで眠気覚ましにするらしい。一種の紙タバコのようなものなのだろうか。
 発がん性物質が含まれるということで、政府は規制したいらしいがあまりに販売者が多いのでそれもなかなか難しいという記事を読んだことがある。主な購入者はトラックドライバーだそうだ。

 政府が規制をかけたい理由はもうひとつある。
 それはビンロウ娘。暗い幹線道路でも目立つようにか、ビンロウ売りのブースはまばゆいばかりの照明に照らされ、売り子は肌をあらわにした若い女性とのこと。あまりにそれが過剰になっているので、指導が入っていたりするそうだが、はたしてどれほどのことか。実際に見てみねばなるまい。


※これは帰路撮影。中身はビンロウ親父だった。JAROに訴えでたい。

 うーん、うーん。当たりは5%くらいだろうか。
 かつて娘だった、売り子が半分くらい。あとおじさん。子供。
 若い女の子も、ほとんど普通の格好。なんというガッカリ感。
 でもお店の名前は「紫の誘惑」だの怪しいものが多く、看板やポスターもどこの水商売ってものばかり。
 でも期待して覗き込むと、ランニングシャツの貧相なおっさんだったり。
 時代かー。



 走りやすかった郊外の幹線道路。すこし眠くなってきていたのでしりとりと山手線ゲームで時間をつぶす。何度かのミスコースの後、道は台南の町外れへ入り、車通りも増える。時間が時間なので、それほど多くはないけど。ここまでくれば、もう少しで林鳳営にある蓮花世界という休憩所だ。通称台湾ルディアック。ルディアックとはPBPのコース上で約400kmのあたりにある街のこと。やっぱり仮眠などを取るポイントになっている。そこでこのコース上のルディアックということで台湾ルディアックと名付けたらしい。とにかく台湾ルディアックに到着すれば、シャワーを浴びて眠ることができるはず。予定していた到着時間から30分ほど早い。朝5時くらいまで寝るとすれば4時間の休憩が取れるはずだ。睡眠には3時間をとれたらいいな。ミスコースのあと合流した台湾のグループについてあっという間にルディアックへ。このグループから近くのモーテルへ向かう人もいた。事前に周辺の宿泊施設を知らなかったから予約しなかったが、ホテルがあるならそのほうがよかったな。この程度の距離なら、ドロップバッグを持って行き来できた。とはいえ、台湾のモーテルも日本の「モーテル」と同じで、ご休憩のある宿泊施設だ。海外から予約なんてできないだろう。
 韓国と同じでビジネス客にも利用されるはずなので、お一人様や同性同士もOKのはず。
 まあ、今はいい。ルディアックで休もう。



 ルディアックのシャワーは移動式のシャワールームを路上に設置したものだった。正直なところ、ちょっとがっかりしたが、ないよりはましだ。更衣室などはないので、利用にはちょっと工夫がいる。時間的に多くの人が到着するころだったから、しばらく列に並んで待たされた。
 食事はカレーライスや麺類。これは美味しかったが、寝ることを優先。
 仮眠室へ向かう。
 が、残念ながらマットはすでに無く、しかもざわついていてうるさい。まだそれほど眠くなかったせいもあって、いくら目をつむっても眠ることができない。どうやら妻も同じ様子。じゃあ、ということでまだ真夜中だけど出発することにしよう。早めに出て、暑くならないうちに距離をかせごう。ここまでに330kmほどを走った。折り返しからここへ戻ってくるまでは370kmほど。累積標高は2000くらい。このコースで山といえる山がある区間。

 つづく
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