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【落武者魂】 2011年のパリ・ブレスト・パリ。 おさきまっくら。
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落武者魂

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2011年のパリ・ブレスト・パリ。 おさきまっくら。

PC MORTAGNE-AU-PERCHE 残り距離 到着時間00:25 閉鎖時間1:26

 さらにぐっと斜度があがるとその先がPC。MORTAGNE-AU-PERCHEは往路では単なる補給ポイントだったところ。ここまで来たんだと感慨深い。トイレへ走る細君を降ろして、自転車を置く場所を探す。タンデムを置くスペースはなかなか見つからず、建物のずっと裏手の壁に立てかけることに。戻ると彼女がすでに食事をプレートの上に置いて待っていてくれた。ここのミートソースはパスタも含めてけっこうおいしい。普通に食べてもおいしいくらいだったと思う。90時間クラスの日本人もけっこういて、誰々は見かけたか?とかどうなった?みたいな会話が少し。それから脚を椅子にのせて床に寝転び15分ほど・・・眠る。寝て起きるとたけさんがやってきてひとりでは夜は辛いので一緒に行こうと持ちかけられる。ここからは下り基調なので、タンデムも同じ様なペースで走れるはずという。まだ頭がはっきりしていなかったのと、細君をもう少し寝かせたかったこともあって「下り基調ならすぐ追いつくので、ちょっとしたら行きます」と答えた。そのつぎの瞬間の記憶ではもう目の前に誰もいない。本当にそんなことをしゃべっていたのだろうか。

 また時間の貯金を失ってMORTAGNE-AU-PERCHEを出ると、多少休んだことと食べたこともあって気分は元気になっていた。この区間は下り基調・・・とはいってもそれは80kmくらい走る全体を見渡して、のことでミクロな目で見れば登りはいくらでもある。というか、前半はこれまでの悪夢を引きずるような登り。もうやけくそなので闇にむかって「さあ!いよいよおもしろくなってきた!」と叫んでみる。「パンの耳をもらいにいくぞ!」とか。

 道端では寝転べるスペースがあればどこにでもサイクリストたちが寝転んでいる。こんなところで寝転ぶならPCで寝てたほうがよかろうに。トイレもないし寒いし。LEDの青白いライトに照らされて見える彼らはもはや幽鬼のようだ。道の両端にそんな幽鬼がごろごろ・・・ここはインパールかフィリピンか。小さな眠っている街に入ると道が入り組むので妻と僕とのよっつの目を見開いて街角に貼られたコースガイドを探し、その矢印をみつけると「右!」「左!」と叫んで曲がっていく。ビーフラインのような上り下りを何回繰り返しただろうか。ついに本当の下り基調にまでやってきた。登りのきつさはなくなり速度が乗るが、後席の細君は急激な眠気に襲われたようでときどきガクッ!となるのがわかる。とにかく自転車から落車さえしなければ・・・自転車にしがみついていてくれればサン=カンタンまでは連れてってやれる。だからハンドルから手を離さないで!と祈る気持ち。そんな真っ暗闇の状況の中、後ろから声がかけられた。リンダ・ボットという日系のサイクリスト。以前、西海岸でブルベをやっていた時の知己だ。とはいえ、そんなによく話していたわけではないしあまり顔を合わせたこともなかったのでよくこの闇の中で僕らを見分けてくれたものだ。彼女は「なにかトラブルはないか?眠いの?カフェインタブレットあるわよ?」と話しかけてくる。細君が「目覚ましはまだ残っているんだけど、胃がつらくって・・・・」と言うと「なら、眠気覚ましにお話ししましょう」と。なんという親切。この殺伐とした闇夜に白馬の騎兵隊が現れた!という気分。

 共通の知人のことやらRAAMのこと、現況なんかをたどたどしくだけど会話する。下りっぽいところでは速度もでて路肩にたけさん?や数人の見知った顔が立っているのもみかけたがそのままいき過ぎてしまう。リンダは他の知り合いの様子をみに下がっていったりまた戻ってきたり。本当にありがたい。けど、どうやら細君の限界が近づいていた。とあるところで今までにないほどの「ガクッ!」がきた。これはもう無理と思わざるを得ない。気温が低いし、どうにも寝転べるような所がないけど・・・しかたない。リンダに「もう限界っぽい、ここまでありがとう。ちょっと寝かせてから行くよ」と告げる。そのまま脱落して自転車を町外れの民家?の壁沿いに。そして門柱の脇が風避けになっているからそこでエマージェンシーブランケットに包まって眠るように指示する。

 僕自身はそこまで眠くないのでタンデム自転車と共に風よけになるように門柱のそばに立つ。けっこう風あるなあ・・・。かなり寒いな・・・俺の体温が奪われちまうなあ・・・と・・・お!これって追い風じゃんか!と気づく。しかもゆるーいけど下り。今飛び出していかずにいついくんだっ!とうずうずうず。15分弱、なんとか耐えて「追い風なんだ!」と細君を追い立てて街の外れへ飛び出す。あとはガムシャラに漕いでいってDREUXのPCへ。
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