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【落武者魂】 その後の叡智の光!
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落武者魂

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その後の叡智の光!

 結局、光を追い求めて現在なにを使っているか。その結論から言うとハブダイナモとLEDライトの組み合わせ。ハブダイナモというのは一昔前に一般的だったタイヤに押し付ける形のダイナモ(リムダイナモ)にくらべ抵抗が少なくスムーズとされていて、もちろん乾電池や充電バッテリのように切れることもない。じゃあ、みんなそれにすればいいじゃんかと思われるだろうけど、無から電力を取り出すことができるわけではないので、やっぱり走行抵抗はあるわけ。そして重量も嵩むので日本のように明るい道の多い場所ではスポーツ自転車にはあまり好まれないようだ。ママチャリなどもとから重量があってかつ速度への要求が低い自転車ではよく使われている。初めにも書いたけど、そのおかげで夜の無灯火が減っているようだ。

 さて、現在のスポーツ自転車の灯火には主な電力供給源として1)ハブダイナモ 2)乾電池 3)充電式バッテリ の三種がある。それぞれ一長一短。コストなども勘案すると何がベストかは難しいところ。LEDの進化によって光量はどんどんと増加していて、つまり同じ光量なら持続時間を伸ばすことができるということでもある。前回までは電池式のライトの話が続いていて、今回は現行の仕様についてなのだけど、その前に少し自転車の灯火の歴史について考えてみたい。




 極初期の自転車の灯火はこんな様子だったと推定されている。

92585360.jpg

※この写真は当時の様子を再現したもの。

 たいまつを手に掲げ、闇夜を照らして走ったに違いない。また後にはロウソクを載せた燭台を使うものもあり、三叉の燭台が光量的には良いとされていた。ただロウソクはたいまつに比べ風に弱いという欠点があり完全に撮って変わることはなかった。いずれにしろ、片手運転では走行が不安定という問題がありハンドルに取り付ける器具も発明されたりした。しかし転倒時に火災の原因となるなどの問題は解決できなかったためにやがて廃れてしまった。現在大阪にてよく使われる「さすべえ」はたいまつ保持器具が転用され進化したものというのはよくしられた話だが、やはりその安全性に疑問の声が上がるのはこれも当時からの記憶があるからだとされる。

 たいまつ時代はアセチレンガスによるランプによって終わった。

bike_lamp_450.jpg 505px-Carbide_lamp_on_a_bicycle.jpg

 アセチレンランプによる灯火は当時の自動車などでも使われたもので、クラシカルな外観によって現在でも愛好家は少なくない。とはいえ実用に供しているサイクリストはほとんどいないだろうけど。明かりも実際の焔をレンズに寄って投射するものなので、非情に暖かみがあり殺伐とした弱肉強食の混合交通が路上を支配する以前の時代にふさわしいもの。まさに古き良き時代の象徴として今にいたっても輝き続けていると言えるだろう。

 その後はダイナモ、電池の時代、つまり現代になった。光源は松明からアセチレンの焔、電球、そして現在はLEDになっている。光量は増したものの、色合いはどんどんと寒々しくなり現代人の心を蝕んでいるのではないだろうか。




 さて、ハブダイナモ。僕の使っているのはシュミット社のSON20というやつ。スポーツ用ハブダイナモは独シュミット社とシマノ社がラインナップしている。一般的にはシュミットの方が軽量かつ軽抵抗。シマノはリーズナブルな価格とされる。現在では抵抗や重量もほぼ並び、価格も海外通販まで考えれば狂ったような差はない(倍くらいだけど)。高性能LEDバッテリーライトも結構な重量(バッテリのせい)があるのでハブダイナモの選択の余地はあると思う。ということで一昔前よりシュミットとシマノのハブダイナモの差は無さそうなんだけど、シュミットのラインナップ上SON20(現SON Delux)は他のハブダイナモにくらべ200グラムほど軽く低抵抗。なんという高性能・・・と思うが、そのぶん発電量の立ち上がりが遅いとされる。そのため、このハブダイナモは小径車向けということで販売されていた。小径車のほうがタイヤの回転が多くなるので発電量の立ち上がりの遅さをカバーできるためだ。ただし、このハブダイナモを700cなどの一般的なスポーツ自転車で用いることには何の問題もなかった。たとえば強度的なものや耐久性などで700cには使えないというような問題はもともとなかったということ。で、今年初めからSON Deluxという名前で小径車以外でも使えますということになった。

son-20R-silver-300x204.jpg



 じゃあもとからそれで売ればよかったじゃん、と思われると思うが、どうもドイツ国内法で速度に対する光量が指示されていて700cのホイールでは速度にたいして発電量が足りずに販売できなかったらしい。LEDのライトの急速な高性能化に促されてドイツ国内法が最近改正され、LEDライトと合わせて用いるなら規制に抵触しないとなり名前を変えて販売するようになったとのこと。

 ドイツ国内法はライトの明るさの下限や上限(おそらく310lumensくらい)、給電方法や点滅不可など自転車の灯火に対していろいろ細かいっぽい。たしか基本的にはダイナモが必須、ある程度の重量以下のスポーツ自転車にはダイナモ必須を免除だとか。どこまで厳密に運用されているかは知らないけど。




 さて、このSON20は軽量低抵抗と書いたけど、じゃあどのようにしてそれを実現しているかを説明しておきたい。普通のダイナモは中にモーターのような発電機が入っているだけなのだけど、ドイツの科学技術力の粋をあつめたシュミットは違う。まず外観の構成。正面から見たイラストになる。

Slide0001.gif


 このボディの中には木星クラスのガス惑星を圧縮して作られたマイクロブラックホールが封入されている。

Slide0002.gif


 マイクロブラックホールには当然周囲の空間の物質が落ち込んでいくわけだ。それによって周囲からすごい勢いでガス(地球上では空気)がフランジの中央部から吸い込まれていく。

Slide0003.gif


 するとそのガスはフランジ部に組み込まれたタービンブレードを押し動かすことになる。流入するガスの速度によってタービンは高速で回転し、その回転から電力を取り出すことができるのだ。

Slide0004.gif


 なるほど、この仕組なら極めて低い抵抗で高電力を発生できるというのもうなずける。さすがシュミット博士と言わざるをえない。

220px-Bundesarchiv_Bild_146-1969-169-19,_Willy_Messerschmitt

※シュミット博士






 ハブダイナモはわかった。じゃあライトはなんだのだ、というとこれ。その名も独Supernova社のE3 Triple。こんな仰々しくおしゃれな缶ケースに納められてとどく・・・。中はこういうふうにおしゃれに詰め込まれている。。



 本体はこんな感じ。

Supernova E3 LED light.preview_500

 電源ユニットなどがないのでコンパクトだね。光量は当時で680lumens。なんという圧倒的さ。たしかに現在では1000lumensを超えるというライトもいくつかでてきている。BR LightのC2.1Kなんかも1000lumensを謳ってはいる。けれどもそれらのライトがその光量でどれだけの時間闇を照らせるというのか。ハブダイナモ+こいつならば何時間でも、何十時間でも照らすことができる。日中の日陰やトンネルでも気兼ねなく点灯させることができるのだッ!なんという人類の叡智の光。そしてPeterwhitecycleの比較ページによればこいつの照射イメージはこんな感じ。

e3triplebeam.jpg

 実際に走行中の写真は前回のあれ。





そうだ光を!



光を!




もっと光を!!




ゆるぎない光を!!もっとだッ!!





 3枚目のやつは右となりを走っていたライダーもE3 Triple利用者。僕の走っていた地域のブルベではハブダイナモは一般的。夜になるとコンビニなんか開いてないから・・・というか人家が何十キロもなかったり・・・だからかなあ。




 ということで2010年の400km以上のブルベはE3 Tripleで凌ぎました。千葉の林道を、雪の日光を、土砂降りの菅平を、北海道の1200kmを、Lompocの暗闇を。E3は十分な威力を発揮。けれども全体的にフラットに明るいので白飛びして見にくい気がしたり、急に広いところに出ると照らしているところが全面的に同じ色調に見えたりで昼間と同じようにはいかないのも事実。まあ、自動車を夜間運転するようにはいかない。もっとも自動車は路面のあれなんかあまり気にしなくっていいけど、自転車では致命傷になりかねないので注視している場所や重みが違うというのもあるんだろう。大光量で大きく照らすとはいえ回りこんだカーブの先に光が曲がっていくわけではないので、照らしている路面とカーブの先の暗さとのギャップに注意すべきかも。もっとも僕よりちゃんと視力があって下りを恐れない人なら全然問題ないのかも。いずれにしろ、普通に走っていて「暗い」「怖いと思うことはまずない・・・。それにダイナモの欠点だった停止中もある程度の時間(10分程度)は照度を落として照らし続けるので信号待ちでも安心(最近のダイナモ用ライトの機能)だし、リアライトにも連動しているので手元でリアを点灯できてトンネルなど便利。この際日中に充電池を充電できるようにしようかしら。まさに攻守一体。攻守最強・・・。

 と、そんなことを思いつつSupernovaのサイトを確認がてら見ていると・・・。

SPECIFICATIONS

NEW! max. brightness

800 lumens


 800lumensですって!そしてそのイメージ。

illumination_e3_triple_xpgr5.jpg


 右側から街灯の明かりが入ってきているっぽいけど。でも、それでも!あ、なんかライトマウントが変わってる・・・。前はキャットアイ流用品で使いやすかったのにゴムバンドか・・・。おや、さっきの缶缶・・・い・・・いつの間に・・・。一体何が・・・。

おわり
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コメント

*

この写真のように明るく照らせる自転車用ライトはありませんかー?
http://www.chubu-plot.com/ledlenser/x21/
2010/12/27 【リュウ】 URL #- 

*

スペックという点では1000lumensをたたき出すライトはいくつかあります。文中で取り上げたSupernova E3 Tripleが800lumens、BR Light C2.1Kが1000lumens。
自転車用としてLight&MotionのSeca1400がその名のとおり1400lumens、ライトとバッテリが別体のLupine Bettyシリーズが1850lumens。自動車のハロゲンライトが1000~1600くらい、HIDが3500くらいという話らしいデス。

ただいずれにしろLEDは色味が青白っぽく見づらい気がします。それに寒々しい。心まで冷たくなってしまいそう。だから再来年からはたいまつで走ろうと思います。たいまつをルールに従って二つもつとハンドルが握れません。どうしたらいいでしょう・・・。
2010/12/27 【さとう◎】 URL #- 

*

頭に2つ!または、専用ホルダでハンドルバーに。冬は暖を取るのにも使えそうですね(笑)。
2010/12/27 【ntoshiyuki】 URL #mQop/nM. [編集] 

*

大変勉強になり、ハブダイナモが欲しくなりました。で、X21すげっす!
2010/12/27 【たけ】 URL #71WzGJ32 [編集] 

* Re: タイトルなし

> 頭に2つ!または、専用ホルダでハンドルバーに。冬は暖を取るのにも使えそうですね(笑)。
たたりが!たたりがくるう!
2010/12/28 【さとう◎】 URL #- 

* Re: タイトルなし

> 大変勉強になり、ハブダイナモが欲しくなりました。で、X21すげっす!
X21、信じがたい・・・。この写真の真中の人影が照射してるんですよね・・・。
近付いたら蒸発しちゃうんじゃないだろうか。
2010/12/28 【さとう◎】 URL #- 

*

マイクロブラックホール...やっぱりシュミット空けられないハブというオチ...。
2010/12/28 【ぼる准将】 URL #0RliPYAM [編集] 

*

ヒマなの?
2010/12/28 【zuccha】 URL #- 

*

>>ぼる老師
年内にはと販売店はいってたけど、吸い込まれてしまったようで連絡ありません・・・。

>>zucchaさん
超忙しいみたい。
2010/12/29 【さとう◎】 URL #- 

*

比叡の光に空目したのは秘密だ。
2010/12/30 【さえき】 URL #- 

*

年末にハブダイナモホイールを調達(SON28ハブですが)し,丁度LEDライトを物色中です.E3 Pro(370lumen)かE3 Triple(800lumen)か迷ってます.Tripleはロードには明るすぎる(対向車を幻惑するとか)んではないかと懸念してますが,そこまでは明るくない?
2011/01/04 【sagano】 URL #- 

* Re: タイトルなし

>>saganoさんへ
去年一年使って対向車にパッシングを受けたのは一回だけでした(北海道で、ですが一回パッシングされただけなので、応援(w か抗議ではなく単に前方を確認しただけかもしれません)。それに走行中でもヘッドが少し左右に首振りできるので気になる時には歩道側へ少し振ってしまえば問題ないかと。北米でも使いましたが、うーん思い出すと対向車を幻惑するような場所では対向車にはまったく出会いませんでした・・・。
2011/01/04 【さとう◎】 URL #- 

* あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします。変わらずにお元気そうですね。

さてハブダイナモがついている自転車(という陳腐な書き方をお許しください)ってのが世間で多いのかどうなのか存じないのですが、この機構はリム式のダイナモみたいに使っていないときは機能させない(発電させないことが可能な)構造になってるのでのしょうか。つまり確実に殺せるかどうかが気になるのです。
私の勤務先は、自転車で通勤してくる社員に、ハブダイナモ式については構内乗り入れ禁止処置をとっております。リム式は使わなければ乗り入れさせる(夜間でも灯火をつけての走行は不可)のです。機能が殺せるのかどうかが目に見えないため、一律で乗り入れ不可になっているのですが、このあたりどうなんでしょうねぇ。勤務先の構内乗り入れについては本来完全な安全基準を満たすとなると防爆型の照明装置でなくてはならず、それは難しいことからLEDライトの簡易装着をもって推奨としていたりします。
2011/01/09 【hood】 URL #EBUSheBA [編集] 

* Re: あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
こちらこそよろしくおねがいします。

さて、リムダイナモですが最近の軽快車(ママチャリ)にも一般的に取り付けられております。発電をON/OFFできるかというと、少なくとも私のはできます。ライトをOFF状態にしているときには回路が切断されるので発電されません。ライトのON/OFF時で負荷が変わります。

ただ、一般的な自転車でセンサーによる暗所での自動点灯の物が装備されている場合、意図的にOFFできるのかどうかはわかりません。ケーブルを引っこ抜けば・・・ってわざわざしないですね・・・。
2011/01/11 【さとう◎】 URL #- 

* さとうさんありがとうございます

Resありがとうございます。
なるほどそういう感じなのですね。

であれば勤務先の自転車制限もやむなしですね。可燃性爆発性のある高圧ガスを取り扱っている事業所なので静電気や火花が飛びかねない構造はご法度なので、自転車のベルや鐘も取り外すか使用禁止なのです。
2011/01/11 【hood】 URL #EBUSheBA [編集] 

*

さとう◎さんの記事読んで、(ほかの人のもですが)
ハブダイナモに大いに興味を持っております。

いまLD20をつかってますが、明るすぎると周囲が見えなくなることがあるのですが、
E3Tripleの配光は中心から徐々に弱くなるタイプでしょうか?
それともくっきり切れるタイプでしょうか?
主観で結構ですので教えていただければ幸いです。

先日の千葉ブルベの際にでも見せていただいておけばよかったのですが(^^;;
2011/02/02 【U-ki】 URL #- 

* Re: タイトルなし

E3 Tripleはどちらかというと一面的に照らすライトです。一点の明るさをあげるよりは照射範囲をでかくするようになっています。そのため照射範囲についてはほぼ左右視野はカバーできてるように思えます。私はハンドル中央付近にとりつけているので、横見るとブラケットレバーの影がはっきり見えます(w よほどの狭い九十九折でなければ、ライトに照らされている範囲とそれ以外と考える必要すらほとんどない感じです。
2011/02/03 【さとう◎】 URL #- 

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