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【落武者魂】 =☆= Big Sur 600km全部盛り -2-
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落武者魂

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=☆= Big Sur 600km全部盛り -2-



 深夜のSalinasの街を30名ほどのライダーたちが走りだす。アキレス腱を痛めていたのが不安だったし、そもそも600kmの長丁場だ・・・ということでウォーミングアップを心がける。心がけると言ってもタンデムは平地では速度を乗せやすい。出力に比して空気抵抗が小さいからだ。だから脚力のない人でも臆すること無くこういったライドに参加できるわけだ。・・・だが・・・先頭集団の速いこと速いこと。あっという間に消えていく赤い灯火たち。こんなにもあっさり離されるなんてちょっと驚き。でもさすがに参加人数が多いので(30人って数字はこちらでは多いのだ)、単独になることはない。それに今回は旅の仲間としてマシュー君が付き合ってくれた。彼は去年と今年のフレッシュを一緒に走った仲間。ようやく三十代になったばかりと、米国のランドナーとしては極めて若い(ちなみにアメリカブルベ団体"RUSA"の平均年齢は50歳を超える)。

 さて、真っ暗闇の中で空を仰げば満点の星空。大地は大きくうねる丘陵地帯。右手のこんもりした木々に覆われた丘のような場所は、かの有名なモーターレース・サーキットのラグナセカだ。ラグナセカの敷地を行き過ぎるとモントレー空港の方へ向かい、やがてきつめの低い峠をふたつほど越えて17マイルズドライブへ出る。ここはミスコースしやすい場所。とはいえ17マイルズドライブはほんのわずかだけで、ペブルビーチの波濤ともさようなら。太平洋湾岸道路へ出る。ここまでは結構快調。去年はさっきの峠のあたりですでに一人旅、しかもぜえぜえはあはあイッパイイッパイで走っていたけど、今年はあっさりと行けた。多少コースが変わっているからなのかどうか。標高的には新しいコースのほうが登っているはずだから、素直に「進歩」と思いたい。あるいはタンデム効果か。

 カーメルの街をかすめて南下する。カーメルはアーティストの街として知られ(西海岸にはそんな街が多いけど)、住所は通りの名前までしか無い。地番が無いというのかな?だから郵便は建物までたどり着けないので、住民は皆郵便局まで取りに行くシステム。なんでこんなアホなと思うけど、アーティスト的な反骨精神から当局に住所を明かさないという決まりになったのだという。自らの主張のためには多少の不便は当然のものとするというその心は清々しい。





 だんだんと夜が明けて来る。去年は雲がかかっていたので、それが朝日を受けて紫に輝き、まさに如来が降りてきたかのように神々しい有様であったが、今年はまったく雲がないのであっさりしたものだ。それでもなお、明るくなってくるとこの断崖の最中をはしるこの景色は実に凄まじく見える。人間の定住を許さぬような険しい地形。そこをナイフで一閃したように白くPacific Coast Highwayがつづいている。右手にも左手にも断崖。道はそこにはりつく桟道のようにめぐり、登ったり下ったりを繰り返す様子はローラーコースターのよう。とある長い下りのさなか、チェーンが暴れるような音がしているなあと思っていたら後席からパンクしているのではないかと指摘が。入江になっている道の登り返しの前でマシューに呼びかけて自転車を止め、確かめると果たしてパンクであった。チューブ交換をして空気をいれるが、なんかの景品でもらったフレームポンプはしっかり空気が入りきらないような感じ。二人乗って荷物付きで100kgを超える車重をこれで耐えられるのか不安だなあ。でもひとりで僕ら二人分と同じくらいの体重の人もいるのだから大丈夫だろう。というかそれよりも、さっきまでその荷重で60m/hくらいで下ってたけど、あとから思えば怖くなる。





 長い上りのほぼてっぺんがPC2(スタートがPC1)。80kmくらい進んで貯金は1時間だ。やばいというほどではないけど十分にたまってもいないというところ。ここで小型フロアポンプみたいな形のポンプを借りて9barまでタイヤの気圧を上げる。なんとかなりそうだ。まだようやくBig Surに入ったばかり、これから100km近くアップダウンの繰り返しを続けていかないとならない・・・。





 見るもの全てが美しい。そんな景色を「楽しめる」のはほんのわずか。ほとんどの時間はそんな景色の中を「苦しんでいる」。うねりゆくダウンヒルで海からつきでた100mほどの小さな島の上に建てられた灯台を見る。あるいは海面から遥かな高みに登って松島のような島々を見下ろす。ときには1930年代に架橋された巨大な橋を渡り、ちいさな入江にそそぐ滝を望む。・・・でもほとんどの時間は暑さに耐えながら斜度のある坂を登るばかり・・・。時速5kmという表示もすっかり慣れてしまった。



 PC3は道路の反対側にあるドライブイン施設。スタッフが水とスナックを用意してくれているが、ちょっと休みたいのでレストランに入ってぶあついハンバーガーを食う。その間に結構な人数に追いぬかれていく。まだ追い抜かれるだけのポジションで走っているという意味で考えよう。店をでたのはクローズ時間まで30分弱のころ。このコースだからここまで貯金がかせげないのはわかるけど、このままでは眠る時間がないぞ・・・。

 PC3からしばらくすると、大きな登り。これさえ終われば一段落するはず・・・。日が高く登っている上に西海岸は日差しの強さでは定評のある土地なので、かなり体感気温はあがっている。簡単に言えば、超暑い。なんとか登り切って下ると、すぐに左うちももに衝撃と痛みが。いや、マジで痛いんですが。・・・ってすごい痛いよ!頭上に*耐え難い痛みだ!*って表示されるくらい痛い。ちょうど右手にリゾート施設が見えたので「そこへはいらせてくれ!」とマシュー君へ叫ぶ。果たしてそこのトイレで確認するとなんか2mmほどの穴?と周囲に盛り上がりが(三日後には直径30ck高さ数センチに腫れ上がりました。場所が場所だけに写真をお見せできません・・・)。蜂・・・かな。ちょっと休憩。そこにコース担当のVickieのリカンベントが。そういや去年はPCがさっきのところに設定されていなかったから、ここで水補給をしたんだっけなあ。Vickieや他のライダーもいたぞ。みなリタイヤしたが・・・。いまはそのときより1時間程度遅れているようだ。まあ、食事したからな・・・。





 250mほどから海面高度まで一気に下ります。そこから有名観光地、市民ケーンのモデルでおなじみ新聞王ハーストの居城、ハーストキャッスルをこえてサーファーのメッカのひとつMorro Bayまではかなりフラット。ロードバイク、タンデム、リカンベントの3両列車で進行。なかなか不思議な光景だ。追い風を受けて快調にも思えるが、後ろの席の細君がおしりの痛みをしきりに訴え始めているのが気がかり。まだ200kmにもなってないころから痛いとなると・・・。おしりの痛みだけは蓄積されるものだからなあ・・・と胸に重いものが。さらにハーストキャッスルを越えてMorro Bayに近づいていくと眠気も訴え始める。というか、うつらうつらしながら漕いでいるようだ。水もとぼしくなってきていたのでVickieにどこかで水が手に入らないかと相談。Cayucosという街でPCHを一旦おりて補給してくれることに。

 Cayucosは小さな浜辺の街。大通り一本の左右にかわいい感じの商店がならんでいる。中心の交差点のGSにはいって休憩。細君をベンチで寝かせ、そのあいだに時間をかせぎながら補給。マシュー君がチョコレートドリンクを買ったりアイスクリームを食ってたりでゆったり休めた。つうかマシュー、おまえチョコレートドリンクをボトルに入れてるよなあ。ってもう10本以上のんでんのか!あほか!

 ものすごいアホがもうひとり。起き上がると「こんなダウンタウンにいつのまについたの?」「赤い花がたくさんある道を走ってた」などとおかしなことを言い出す人が。なんだよ赤い花のたくさんある道って。頭の中彼岸花だらけってことか。畜生、ね・・・寝てただろう・・・と言うと「寝ていたわけではない。ただ、めをつむると違う景色が見える」とのこと。ちょ・・・ま・・・。まだお天道様も登っている時間なのになんなんだこのテンションの低さは。そして後席は眠ってても問題ないというのがタンデムの利点だな、たぶん。



 しばし休憩し、寝台列車さくら号出発進行。Morro Bayを過ぎると道は内陸へ入っていく。Big SurのPCHは2車線だったけど、このあたりでは4車線の非常に広い道路。地域交通がガンガンすっとばしていく。Morro BayにはMorro Rockという溶岩ドームがつきでていることに由来する。そして内陸へ向かうPCH沿いに大小様々な10以上の溶岩ドームが並んでいる。これもプレートテクトニクスの結果の地形。道は緩やかに上下するが、登りの速度がでなくなってきている・・・。まだ200kmちょっと程度なのに全体平均速度が芳しくない・・・。





 なんとか休憩で後ろの人の目が覚めたっぽく、PC4であるVickie宅へ到着したのは午後7時半くらい。DNFだった前回よりすでに1時間は遅れてしまっている。これはまったくよろしくない・・・よろしくないよ・・・。家の近くで師匠と呼んでいるクリス・ハンソンとすれ違った。彼は非常に強いライダーなのだけど、今回は若い女性を伴って走っているのでゆっくりだ。その女性は友人、とのことだけど、僕の細君は「怪しい雰囲気」と疑っている(w 確かにいろいろ非常に親密っぽいが’(w

 つづく

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コメント

*

景色が美しすぐる~。
そしてマシュー君! 懐かしい。会いたいなぁ。
それにしてもアップダウンだらけの600kmを走破なんて、相変わらずすごい。
2010/10/26 【PON】 URL #- 

* Re: タイトルなし

>>Ponchan
マシュー君は相変わらず「もっとハツラツとせえ!若モンなんだから!」とカツ入れたい感じでしたが元気でした(w
とりあえずこれでブルベはしばらくお休みです。しばらくはポタリングくらいで十分・・・。
寒いし。
2010/10/26 【さとう◎】 URL #- 

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