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【落武者魂】 2014年09月
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落武者魂

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SR600NihonAlps 第伍話 おまけ

 駅で一段落して考えた。さてこれからどうしようかと。と、いうのは小淵沢にはビジネスホテルなど無いのだ。文明の力を駆使して検索するが、30kmくらい走らないとネットで確認できるビジネスホテルは無い。しかし臭いなあ(自分が)。道の駅の温泉は10時、つまり9時間くらい待たないとオープンしない。うわー中途半端だなー。とりあえず車へ戻ろうと思うけど、100mくらい登ることになる。ちょっと大げさかな。でもくたびれた体にはちょっとうんざり。
 結局、そのまま車で帰ってしまった。特に眠くなることもなく、家まで。うーむ。眠くなるか否かは運もあると思うけど、やはり6時間近い仮・・・睡眠時間が効いている。

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SR600出走前はひどく緊張していて、背中なんかバキバキにこわばっている状態だった。まあ、肉体的スペックは自分自身まったく信用してないし頼りにできないので仕方が無い。一方で、タイムスケジュールを組んだ時点で「あれ、できるんじゃね?」と思ったのも事実。午前0時にスタートして330km地点の高山に24時間以内に到着すれば、あとは30時間で270km。24時間で330km? 30時間で270km? あとはどれだけ寝ていいのかな、というだけ。
 ほんとにこんな計算でいいのだろうかと随分と疑い、よけい不安になったものだった。結果的には20時間で330kmに到達し、7時間ちょっと中断しても大丈夫だった。余裕が出てくると、アホな写真を撮ろうとしたり、ゆっくり飯を食えるところを探したりしてたので、もういくらかは余裕があったろう。

 というほどのペースで行けたのは天候のおかげ。皮肉にも不順な天候のおかげで気温があがらず、体力の消耗を抑えることができた。スタートから阿南まではボトルへの補充すらしてないくらい(ロングボトル一本装備)。もともと出力も高くないので、エネルギー消費が少ないのも効いているんだろう。貧脚ならではのメリットというやつだ。ただ、悪天候だと乗鞍の閉鎖確率は高まる。今年のチャレンジャーの被閉鎖確率は50%を超えるのではないだろうか……。こういうときにこそ、日頃の行いがモノを言う。まさにインガオホーである。

 装備はこれまでの延長。今年の8連続雨中ブルベによって遂に壊れたDi2ディレイラー(まあ、それまでも酷い環境で使ってたからね……)を交換し、さらに楽をするために採用の27Tスプロケット、それくらいかな。車両重量はボトルや補給食、電池、工具、カメラなど込み込みで11.5kg。それに背負いのバッグに雨具をフルセットと補給食で1.5kg。

 直前まで普通のカーボンロードに必要なブルベ装備をくっつけて走ろうかとも思ったのだけど、10kgくらいにはなっちゃうのでやめた。9kgを切ってくると、僕の脚力でも軽さをメリットにできるのだけど。
 まあ、結局はそれでよかった。
 自分自身の能力をバイクが補ってくれた。ときどき「これ重いだけだよな……」と思ってしまうディスクブレーキは、こんな雨の山岳では最強のサポート。自分の脚力を信じない30Tx27Tというギア比はどんな場合でも登坂を可能にしてくれた。こんなギア比じゃ進まない……と思われるかもしれないけど、それでも押し歩きよりは速いみたいだ。

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 コースについては、いくらか気をつける必要がある(下栗、大平、大河原、あたり)けど、やはり下りで距離を稼げるのはFujiと同じ。意外と前半より後半にキツいところがのこっているけど、交通閉鎖はまずないのと、霧ヶ峰、白樺湖のあたりではホテルなどへ逃げることもできるのは心強い。このあたりは自販機も点在しているし。補給の難所はやはり序盤の阿南まで。ただ、序盤なので、余裕もあるだろうから準備しておけば大丈夫。飯田は大きな町だけど、コース上でゆっくり食事ができるところは少なそうだ。飯田駅より少し先に行ったところにある「まいてい」はオススメ。バイキングなのと、向かいがコンビニなのがよい。

 うーん、思い直しても特に補給で困ることは無かったなあ。もう少し暑ければ水の消費が増えたろう。もともとそのためにハイドレーションバックをメイン給水と考えていた。まったく使わなかったけど。まあ、日本のコースなのでそのあたりはなんとかなる。

 まあ、とってもきついけど、超人にしか走れないようなコースでないことは、僕が証明したw やる気があって、天が道を開けば誰にでもゴールの可能性は準備されている。登りと下りしか無い山岳ルートは、飽きさせる暇もなく次から次へ新しい展開を見せてくれる。ぜひとも皆さんもチャレンジしてほしい。

7-下呂駅2


 さ、次は気楽な自転車旅行をするぞー。
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SR600NihonAlps 第四話 甲州街道

 諏訪神社下社の細い脇道からビーナスラインへの登坂が始まる。とはいっても、とりあえずはチェックポイントの蓼の海公園とやらまで頑張ることになる。しかしまあ、この道はとてもビーナスラインまで通じてるとは思えないほどの細い道で、農作業道路みたいな感じ。ちょうど下校時間だからか、生徒がちらほらと歩いている。そしてキツい。こういうことを書いてしまうと、これから走る人にはネタバレになってつまんないかもしれないと思うことがあるけど、ここは実にキツい。グレーチングの上でスタンディングすると後輪がすべるくらい(まあ、雨降ってるからね)。ここを登下校の道に使っている生徒たちは、さぞ足腰が鍛えられるだろう。ここの坂は、このコース屈指のキツさを誇っているらしい。けど、名前も頂上も無い、ただの坂というのが実に良い。いわゆるワナだ。

 そんな道の先によく整備された広大な公園があるのは不思議。雨が降っているから誰もいないのか、こんな僻地だから誰もいないのか。釣り人が数人、人造池に。あれ、公園が終わっちゃうぞ、というところで振り返るとチェックポイントの看板があった。夜、暗くなってしまうと見つけにくいかもしれない。ところで、僕はこの公園の裏口から入ってきたことに気づいた。道理でほっそい道な訳だ。普通にこの公園にアクセスするには、二車線の立派な県道を通ってくればよいらしい。そしてその二車線はビーナスラインへ向かって続いている。そこを僕は進む。雨に打たれながら。

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 唐突に霧ヶ峰に到着。そういえば初めて来たのかな。ビーナスラインには何度か来たことあるけど、いつも美ヶ原-白樺湖間を走っていて、こちらには来たことがない。うまいことに雨はやんで雲は・・・・・・空を覆うけど、霧などはでていないようだ。地元町内会(別荘でもあるのかね)?の掲示板は三菱電機が提供したもののようで、三菱電機、霧ヶ峰の文字が入っていた。霧ヶ峰のエアコンで温めてくんねえかな、と思うくらいには寒い。美ヶ原との合流付近から雨足が強くなる。レインウェアはジャケットしか羽織っていないけど、まあすぐやむだろう。なんて思ってたら、どんどん降ってきた。寒い寒い。黄昏時+雨天+街灯なんか無し、で路面のインフォメーションはほとんど入ってこない。ライトつけててもブルーグレーの世界にすべてが溶け込んでしまうだけ。車山を見ては寒いと思い、白樺湖を見下ろしては寒いと思う。そうだ、このまま白樺湖のホテルに突入しちゃうってのはどうかな。

 白樺湖のコンビニはまだ営業していたので、とりあえず入る。ここが久々の補給で、ここからしばらくの最後の補給だな、と思うものの、実のところ何かを買う必要も無い。今、手持ちの補給物資だけで100kmは走れるはずで、次の補給地点は100kmも先ではない。雨は降り続いているので、ここでホテルに入って二泊してゴールの案も少しだけ検討してみる。僕のタイムリミットは午前6時で、実はまだ10時間以上残っている。残り距離は100kmくらいだろうか。現在位置は、コースの最高地点に近く、ゴールは1000mも下にある。ということは3時間くらいの休憩はまだ安全圏ではないだろうか。・・・微妙だな。この臭いウェアをもう一度着るのも嫌だしなあ(基本、アウトドアに向いてません)。最後のセクションはよく知らないのだけど、どうも幹線国道らしい。となると深夜に通過しちゃったほうが交通量的には良いかも(あるいは木曽国道みたいに、夜間はトラック暴走道路の可能性もある)。
 悩みどころだけど、胃腸が弱くて回復力に欠ける自分には、ゲームを長引かせるよりここでケリをつけるほうがよさそうだ。5時間半という膨大な睡眠時間のおかげでまったく眠気なんか無いし。

 なんてしっかり考えているようなことを書いたが、ただの思考の遊びで実際に泊まるつもりは無い。雨量レーダーを見る限り、ここで雨は1時間くらい。小淵沢の周辺には雨雲が滞留する予報だけど、今、心配することではない。濡れて風に吹かれている体はガクガク震えているけど、レインウェアを全部着こめばなんとでもなろう。自転車はまだ壊れていないし、壊れるわけもない。ブルベではどんな自転車が向いてるのかって? 悲惨な状況下でも無事に戻って来られることを確信出来る自転車だ。俺には今、この自転車しか無い。だからこの自転車が一番向いてるんだ!

 「戦場まんがシリーズ」の名セリフに酔いながら、大河原峠へ出発。コンビニからしばらく登ったり降りたり。スキー場の向かいにあるホテルが最後の自販機。そこから先は、真っ暗闇。雨のおかげで野生動物の音がほとんどしない。謎の鳥の鳴き声が稀に聞こえるくらい。道はしばらく2車線のよく舗装された道路だが、しまいには1車線になった。もう標高は2000メートル近く、森林限界ってどうなってるんだ? とか思っているとがけ崩れのせいか、視界が開けていところにでた。下方にぼんやりと佐久の市街地が見える。雨にふられているのか、けぶっている明かりだ。左手の奥に見える鉄塔の立つ尾根は美ヶ原? わかんないけど、標高ではありえなくもない。しかし、こんな道を下るのヤだな・・・

 大河原峠の鞍部は大きな駐車場になっていて、車中泊の車が何台も止まっていた。ただ放置されているのかもしれないが、真っ暗なのでうかがい知ることはできない。峠の看板まで草むらを踏み分けて渡り、自転車をたてかけて撮影。さて、次のPCまでは下りだけだぞー。爽快ではなさそうだけど。

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 雨は止んでいたが(降ったりやんだりめんどくせーなー)、ずぶ濡れの林道みたいな道を下っていく。路面にはいろんなものが散らばり、要所要所にグレーチングが。隙間は開いていないよね、と思っていたが、ひとつふたつ、隙間があるものもあったなあ。なんだか宿泊施設っぽいものの看板の下にやけに大きな犬がいて、並走しはじめる。ま、飼い犬だろうし繋がれてるのかフェンスの向こうなのだろう、と思った瞬間気づいた。鹿だ。でかい鹿に並走されてる。くそう、同航戦か。ちょっとヤバイので、大声で怒鳴りつけるが、まったく聞く耳を持たない。というかわざわざ斜め右前から進路にはいってきて、カツカツ蹄の音を立てながら左側の藪に消えていった。すげえな、我関せずって感じだったよ。

 しかし下る下る下りまくるがが全然高度の数字が減らない。ブレーキパッドを交換しておいてよかったよ。ちょっとビビリー入りすぎててブレーキ引きっぱなしになってる。機械式ディスクブレーキってブレーキかけっぱなしでなんか悪いことあるのかな。ベイパーロックは起こらないよな。ワイヤーに熱が伝わってレバーが熱くなるとかあるんだろうか。ないよなあ。

 ところで手のひらが痛い。やたら痛い。なんでだろ、と思ったら、グローブのロングライド用の分厚いジェルパッドが手のひらに食い込んで痛い。参ったね、こりゃ。ブレーキ引きっぱで体重がかかっちゃってるから、どんどん痛いんだね。

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 佐久のPCはただの交通標柱。写真がとても撮りにくく、10枚ほど撮影してなんとか成功。最後の60kmへ突入する。ここは国道141号、幹線国道。まだ深夜というには早い時間ということもあって交通量がそれなりにある。少し走ると久々の「フツーの」コンビニあり、さらに走るとファミレスもあったり。
 しかしまあ、事前の勉強をしてなかったから知らなかったけど、意外と登る。斜度は無いものの前半はずっと登り、後半はずっと下り。いい加減飽きて来たので、さらにコンビニで休憩をとったりする。このまま行けば午前1時〜2時には到着するだろう。当初計画より若干早いくらいだけど、問題はそのあとどうするかなんだよね。小淵沢には夜チェックインできるような宿泊施設は無いし、道の駅の温泉施設は午前10時からしか開かないし。俺、とっても臭いし、その間なにしてるんだって話。そんなわけで速く走るモチベーションが無いわけ。

 小淵沢駅へ、よくこんな道を知ってるなあというルートをつないで走る。午前1時半ごろ、駅へ到着。おとといの夜中にはアナ雪が流れていたカラオケスナックも今は静かだ。写真を撮影し、すこしベンチに座って休む。さてさて、とりあえずもう走らなくていいんだね。

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 ***

次回予告:ちょっとしたおまけと完走後の感想。かんそうだけに。
 

SR600NihonAlps 第三話 野麦街道

 目が覚めると握られたiPhoneの画面には4:30の表示があった。一瞬のことだったが、5時間半ほどたっている。眠れないかもしれないとか言う不安は一体なんだったのか。まあ、前夜に一睡もしてなきゃこんなものか。
 しかしおかしいな。4時15分にもアラームをセットしていたはずだったのだけど。設定ミスか、無意識に消したか。さて、6時発にすれば二度寝もできるけど。まあいい。起きよう。朝飯を食べて着替え片付けをし、再スタートしたのは午前5時半。予定よりは30分ほど早い。天気予報は早朝のみ雨、とのことだったけど、今のところ曇天なれど明るい。これはいけるんじゃね? と早起きな人たちに挨拶する「おはようブルベ運動」を実施しつつ高山市街地を抜けて行く。

 道はずっと登り。じわじわと標高を上げていく。実は高山から乗鞍のゲートまでで1100mほどの上昇量があるのだ。距離はだいたい30km。残り10kmでさらに1000mほど上がる。ワオ。きついんじゃね? とか思っているうちに乗鞍と松本へのそれぞれの道の分岐。一般車両は入れない乗鞍へのアプローチへ進みだすと、パラパラと雨が落ちだす。
「ありゃりゃ」と思う間に、土砂降りへ変わったのでたまらず木陰へ入り自転車を放り出して雨の支度。このあたりはもう、まったく人工物なんか無いのであまやどりなんかできないのだ。
 雨支度をしながら「あー降りだしちゃったよー。これ本降りだよー。ゲート閉鎖だろうなー。まだまだイケるのに、ゲート閉鎖じゃ中止も仕方ないなー」と心で棒読みし、撤退路を検討しつつ更に登る。急に斜度がきつくなった。トレランの人たちとたくさんすれ違う。雨なのによくやるなー。どこから来たんだろう? この人達は。
 ゲートまで意外と遠い。雨はざんざ降り。風がないのは救い。なにしろ前後ディープリムなもんで、強風のダウンヒルはあまり楽しいことにはならない、というか空飛ぶ可能性があってコワイ(以前に煽られてふっとんだ人を見た)。とりあえずゲートまでは行こう。胃腸が弱いので、体力の回復はできてないけど、いつものことだしたった600kmだし、自転車は壊れているわけじゃないし。辞める理由がない。ゲート以外は。ゲート、しまっててくれ!

 ゲートが見える。管理小屋から反射ベストをまとった係の方がでてくる。おっと、これは「ごめんなさいねー。今日は悪天候で閉鎖だよ」か!? 天は俺にも微笑まないのか? さあどうだ。

「気をつけて行ってねー」

 あれ? おや? 通れちゃった? 景色は一面真っ白だよ・・・・・・。まあ、ヤバイほどではないし、雨の割の空も明るいけど・・・・・・。

「有料じゃないんですか?」と尋ねると「無料」とのこと。「天気、好転しますかね?」と聞くと「一日こんなんじゃないかな。降るのは夕方からって言ってたんだけどね」と。ふう。とりあえずゲートは開いてしまった。天は僕を選んでしまった。選ばれたからにゃあ、行かねばなるまい。閉鎖、の声がいつかかるともしれないし、登るか。

 ずっと、白い世界を登った。

 とても、長い時間、登った。

 静かな時間が過ぎた。

 九十九折が続く場面に入ってきた。コレがよく写真で見るところなのかな? とか思っていると、雲・・・足下に広がるのも雲・・・が斜面を駆け上がってきて流れていく。風が急に強くなってきた。雲が流れ、切れ、僕は稜線を越える。

 おお、ゴウランガ・・・。見るがいい・・・ゴウランガ・・・。

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 天が割れて太陽光が燦々と降り注ぐ2700mの峰。もはやすべての車両は我が足下にあり、頭上にひとつの車輪も無い。素晴らしい。我、来たり。そして最高地点まで進むと・・・・・・。

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 やれやれ。

 しかしまあ、寒い。気温はともかく日が隠れてしまって風がビュービュー吹いてて萎える。さっさとここから撤退して、温かい場所へ還ろう。幸いながら、長野側には雨は降っていないようだ。むしろ雲量50%くらいだけど、晴天ぽい。下る下る一気に下る。岐阜側では二人しかサイクリストを見なかったけど、長野側には無数のサイクリストたちが頑張っていた。事故はコワイので丁寧にすすんでいく。不安だった新島々のトンネル群はとりたてて怖いことも無くパス。まだお昼前なので帰路につく車は少ないのだろう。上昇した気温に耐えられないので、レインウェアを脱いで、背嚢へしまう。お昼ごはんはトンネル群が終わってから、どこかで座って食べたいな。

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 水も随分前に無くなっていたが、ゆるい下りのおかげで脚が回っているので気にしていなかったらどんどん気温はあがりご飯を食べる場所もなく、どうしようモードに入る。コンビニや自販機はあるから止まればいいのだけど、せっかくいい調子なのだし、すぐにファミレスなどがあるかもしれないし。いつもの良くないパターンその一だ。ようやく長い赤信号で止まって付近のファミレスが南松本のPCの手前にあることが判明。その交差点まで進み、まずマクドナルドへ。うーん、超満員。これはよくないね、とガストへ。やっぱり超満員。松屋、吉野家もよろしくない。こんなことをしているうちに無為に時間だけが流れ、しかたないのでPCの石碑へ向かう。まだ何かあるだろう?

 何もないのでコンビニでパスタ。気温34度。ピーカン。なんで俺は日向で熱いパスタを食ってるんだろう?

 南松本から次のPCまでは塩尻峠を通過。日中の甲州街道はやはり交通量が厳しい。路肩が大きく取られているところが多いのでそこで耐えて凌ぐ。最近は左側追い越しをかける車がやたら多くて怖い。自動車にも免許制度が導入されればマナーがよくなるのに・・・ってすでにあるのか。機能してないな。ブツブツ。

 諏訪湖のほとりで通過証明としてオブジェを撮影していると雨がぽつりぽつりやってきた。昼間はあんなに晴れてたのにな。雨はまあ、走り出してしまえばなんてことはないし、気がめいるのと臭いだけが問題なのだけど、これから2000メートルの高所まで登り返すのかと思うとうんざりもする。なんというか、このコースって後半の方がキツいよね。日が落ちる前にどこまで行けるかなあ。寒いのやだなあ。ああ、寒くて雨で高所といえば去年のFujiのとか一昨年のカスケイドのワシントンパスとか思い出すなあ。ワシントンパスは泣いた。

 さて、行きますか。まずは諏訪神社へ。

***

次回予告:ついに我々は最後の高地へと突入する。目指すは霧ヶ峰、そしてビーナスライン。最後の2000m級山岳を越え、雨の中の林道を下り続けなくてはならない。カルフィー・ドラゴンフライ・アドベンチャー、お前はこの日のために作られた。最終話「甲州街道」