えーと、これはサンディエゴのバイクレーン改善作業の様子です。モンテズマ通りというので、ちょっと内陸入ったところの住宅地を抜けていく道だと思います。緑に塗られているところが自転車レーンなわけですが、おそらく注意喚起しているところだけが緑に塗られているんだと思います。数年前の記憶で恐縮ですが、こういう塗装したレーンは見かけたことがありません。
さて、面白いのは画面中程からレーンがゆるやかにクランクし車道中央に移っていることです。これは何ででしょう? 車道を自転車が横切って真ん中に移るなんて危ないじゃないかって思いますよね。

えーと、これは右折巻き込みを防ぐためのレーン設計なんです。
超自動車社会アメリカでも、ずいぶんと前から自転車レーンの設置が進んでいます。
基本的には車道のいちばん端の車線(か、駐車車両を考慮して、駐車車両の内側道路よりを自転車レーンとする)に設置するのですが、やはり巻き込み事故は発生します。そして巻き込み事故への対策をしないのは行政のやる気の無さの現れだとか、記事になったりします。
このサンディエゴの例は、時々見られる巻き込み事故防止のためのレーン遷移の方法です。
自転車が横切るから危ない、という考えはここにはありません。
だって、ドライバーから見えているから。見えていることには対処できるのが当たり前で、そして見えるようにしているのがこの仕組みです。何事も、お互いが視認できることが大事だということですね。
次は疋田氏が紹介している日本の自動車都市名古屋の誇る最新型自転車レーンです。

狭い中を対面通行です。
スレ違いの際に、すこしでもハンドル操作を誤ると致命的です。
そしてなぜかサンディエゴの例とは逆に外側へクランクするレーン設置。つまり直進する自転車は、レーンにそうと一回左折するようになってから交差点へ向けて右折するんですね。並走する自動車は「この自転車は左折するんだな」と思わされつつ、左折に入ると目の前で華麗なターンを決められてしまうというわけです。はねられた自転車の人は「直進者を無視して悪質なドライバーだ」と訴えるでしょうし、ドライバーは「ひらひらうごいて危ない自転車だ」と罵るでしょう。でも、一番おかしいのはレーン設計者でしょう。
しかも自転車レーンだけをみても、歩道側を向こうから直進してくる自転車は、交差点内へわざわざ屈曲にあわせて進行するとは思えません。逆に手前側から進行する自転車は、柵に阻まれてかならずターンを強いられます。正面衝突を強いられるレーン造りです。レーン設計者、おかしい。
さらに指摘を受けました。
ポールと柵の色が、路面の色と同色で都市迷彩状態であると(w
柵によって、ドライバーから自転車は見えにくくなっているので、二重にヤバイです。
もはや市民を殺そうと思っているとしか思えない造り……。
ドライバー視点で、道路上に四輪自動車以外がいるのはうざったいという考えからこういうレーンや施策が生まれるんでしょう。見えなくしてしまえば、苛つかないよねーっていう考え方。まあ、僕も片付いてない自分の部屋やPCのデスクトップは「見てない」ってことにしてます。だから対処しなくていいよねーって。
まあ、相手の存在を無価値とみなしてしまえばなんとでもできますよね。いじめ?いやいやいじめられてる子なんていませんよーって。
問題は、この自転車レーンの設計者らが無価値で見えないことにしてしまえっていうことにしているのが、僕らだってことですが(w ハハハ。