画像などありません。
ラン初心者が頑張ってみた話です。
土曜日。
デュアスロンへエントリーしてたんだけど、前日の雪と当日の雨予報を見てサボることにする。
だって、待ち時間どうしたらいいのよ? 雨具とかどうするの? ブルベなら完全防寒防水装備で対策できるけど、デュアスロンだとレインジャケットなんか着てるわけにもいかない。走りだせばなんとかなるかもだけど、その前に死んじゃう……。荷物も濡れないように置いておくことができない。ホイールもカーボンディープだからなあ。
コースも狭くアップダウンとコーナーの多い公園内コースだから、ちょっとなあ……って。
日曜日。起き上がってみれば、天気予報が晴れに。
せめて準備しておけば……間に合ったかなあ……。
ああ、情けない。情けない俺。
この情けなさをどうにかしなければ。
どうにかしなければ……。
とか思っている間に爆笑問題の番組が終わった。
妻はいちいちぐだぐだするな。終わったことは終わったこと、と言って出ていった。
でも、内心では「ああ情けない。逃げたくせに、自分はほんとは逃げたくなかったんだとか後からグダグダ言いやがって情けないやつ」とか思っているに違いない。どうしたらいいのか……。
と悔やんでいるうちにアッコにおまかせ! が終わってしまった。
うーん、雨も止んだしちょっと走ってみようかなあ……。
とか考えているうちに噂の東京マガジンも終わりそうになったので、ようやく重い腰を上げて着替える。
ちょっと走って、帰りには本屋によってこー、って装備。
ただ、ちょっとと言っても、情けない自分への罰もいるな。せめて10km……できれば20km……。
そんな感じで山手通りを南へ向けて走りだしたのが午後2時ちょい前。甲州街道で折り返せばだいたい10kmになる。あるいはそこから代々木をぬけて、渋谷の方へ向かい、246を通って皇居を回ってくれば20km。
山手通りは多摩丘陵の端っこを通っていて、谷筋をいくつも越えるので意外とアップダウンが多い。
甲州街道までは20分ほどで到着。何度か走っていることもあって、いいペースだ。
いつもはここで折り返すから、甲州街道を越えるのは初めて。てくてくと走り続ける。
池尻大橋のあたりで一気に道は下る。そしたら大きな地形的なアップダウンは少なくなるはずだ。
中目黒でだいたい10km。50分ほどかかっている。
さすがに繁華街だけあってすこし走りにくい。車道もこのあたりはいっつも混んでるんだよね。
中目黒をすぎると、しばらくは殺風景だな。しかし、けっこう歩いている人っているもんだね。
五反田をすぎて大崎。陸橋という新たな敵に出会う。
人のいないゲートシティ大崎を横目に、山手線や東海道線をくぐって品川へ。
国道1号を少し南下したけど、ここの歩道は狭くって人がすれ違うのも面倒なくらい。車が近くって排ガスもなんか嫌なので、旧東海道へ移る。
品川水族館を1時間40分ほどで通過。20km弱のあたり。信号待ちなんかも考えると、悪くはないんじゃないでしょうか。
このままだと横浜なんて余裕で、上大岡あたりまで行けちゃうんじゃないの?
補給とか考えていなかったので、梅屋敷(蒲田の一個北側)の駅前コンビニでアクエリアスを買って飲み、ウィダーインゼリーを食う。
計算上は6時までには横浜駅には到着しそうだ。
この格好だとホームで電車を待つのが辛いから、中華街まで走って、地下鉄で帰ろうかな。
「そんなことを思っていた時期が、俺にもありました」
25kmで多摩川を越える。
蒲田あたりから距離が進むのが遅くなっている感じ。景色が単調だってのもあると思うけど。
だから多摩川を渡る橋を登ると、気分的には、ちょっとほっとした。東京都から神奈川県へ。ついに二本の足で県境を越えましたよ!
ここからはやたらと信号が多くなる。
信号待ちでほっとするのもあるけど、再スタートがやたら辛い。ストップ&ゴーの繰り返し。
道を行くロードの人とか羨ましい。歩道を行くクロスバイクとか、奪い取りたい。
鶴見。多摩川からここまでの4km弱に30分ほどかかってる。
明らかに遅くなってる……。こ、これは信号待ちのせいなんだからね! 疲れたわけじゃないんだからね!
コンビニ休憩。
日が暮れる。
すっかり暗くなった。そして立ち止まると寒い。
歩道は狭いが、歩いている人は少ない。
国道駅。10年くらい前までは、昭和に取り残された駅として有名だったここも、いまはほぼすべてのテナントが退去してしまっているようだ。残された一軒か二軒の飲み屋も、日曜の夜なんかに店を開けていない。開けていないのか、もう開けることはないのかわからないけど。
風の吹きこまない場所で、ちょっとストレッチ。
それから走り出す……。
生麦のあたりで、ちょっと歩いてしまう。
キリンビール近くのガードの下で止まってストレッチ。
立ち止まると寒い。走れば多少は。でも、なんだか足が動かない……。
こっから歩き続けたら、横浜までどのくらいだろう?
そう思うけど、歩いてたら、たぶん凍えて死ぬ。なんでウィンドブレーカーくらい持って来なかったんだ?
まあ、近くの本屋行くくらいの気持ちで出てきたからなあ。
なんでこんなこと始めちゃったんだろう?
こんなことやっても、誰も褒めてくれないと人は言うだろう。
だから自分で褒めなくては。
俺偉い。
もとはといえば、サボったからだけど。
子安では、走っているのと歩いているのが半々くらいに。
このあたりは、住民が多いのが歩行者やジョギングしている人も見かけます。すげえ勢いで抜かれて凹むけど。
さすがに歩行者には抜かれないよ……。
しかしなんだ。歩道は広すぎるか狭すぎるか、どっちかだな。
こんなに人がいないだろうってところにやたら歩道が広い。半分削って自転車走りやすくしろよ。
逆に人がすれ違うのも窮屈なところも。わけがわからないよ。そういうところは、すぐわきを車がびゅんびゅん走ってるし。
疲れたなあ。寒いなあ。
なんとか東神奈川を通過。
この神奈川区は神奈川県のネームシティなのに、なんかすごく寂れ感があるよね。
栃木県のネームシティ栃木だって、がんばって存在感を示しているのに。神奈川駅なんか、それがあるってことさえ知られてないんじゃないか? 可哀想に……。
でも、もっと可哀想なのは俺だ。もうときどき走るくらいで、あとは早歩き状態。
そういや、鶴見あたりから一旦止まって走りだすと、肘が痛い。結構思ってもみなかった所が痛くなり始める。
脚は、右膝の外側下のあたりが刺すように痛いことがある程度。あとは右足の甲が痛いかな。意外とたいしたことない。でも、なんでか動かない。なんでだろう? 補給が足りなかったのかなあ。エネルギー切れかなあ。
ようやっと首都高の高架が現れた。
歩道橋という敵を幾度か倒しつつ前進。みなとみらい方面から、赤レンガを抜けて中華街へという予定は放棄。横浜駅へ直行することに。だいたい40kmくらいにはなるはず。
スタートから4時間20分ほどで39km弱のところにある横浜駅へゴール。
なめてた。サブフォーくらいけると思ってた。フルマラソンなら、あと4kmほどあるんだもの。信号待ちを除いたって、4時間を切れる気はしない。いやほんと、もともとのスペックの低さを思い知らされるね。
さて、帰りは京急。品川の乗り換えで5分ほどホームに立たされただけで、ガタガタと震え始める。
超寒い。超死にそう。暖かい車内なのに、両腕で肩を抱え、奥歯をガチガチ言わせてる超コワイ人になってしまった。
電車から降りると、筋肉がこわばってて歩きにくいことこの上ない。
なんというこの罰ゲーム……。
そんなわけで、運動音痴がふらりと初めてどこまでやれるかレポでした。
だいたいですね、ほんのちょっと練習すれば……
自転車
遅い昼飯を宇都宮の餃子屋で食う。
足で走る
横浜へちょっと出かけてみる。
くらいのことはできるようです。人間ってすごいね。
電車はもっとすごいけど。
2012年01月
2012/01/24 横浜へ向けてひとりはしる