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【落武者魂】 2011年07月
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落武者魂

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会津西街道250km。 柳津から鬼怒川まで。

 あれれ。公開されてなかった。

 脇道へそれると立派な茅葺屋根を持つ大きな神社が。国指定重文だそう。こちらの道は古い道なのかな。さて、阿賀川沿いのサイクリングロードを探してみようか・・・。田んぼの中を走る。遠くには会津磐梯山も見えるよ。とにかく暑い・・・。田んぼに張られた水が空気を冷やしているはずだけど、それ以上に水面での照り返しパワーもデカイだろう。気温が何度だかわからないけど、わからないほうがいいに決まってるくらいにはなっているはず。そしてサイクリングロードにでたものの・・・というかわかってはいたのだけど・・・日陰はない。まったく。どこにも。なにしろ田んぼ沿いの川の堤防上にある道だ。イカロスの翼くらいならここでは焼け落ちてしまうに違いない。



 もちろん商店や自販機だってない。なんにもない。サイクリングロードのようにみえて車も通る(車止めがあるところもある)。もうそろそろやばい・・・というところで事前に調べておいたファミマに到着。サイクリングロードと車道が交差するところにあるコンビニなのでちょうどよいのだ。とても固形物が食べたい状況ではないのでガリガリ君を食い、アイスカルピスを食い、ロックアイスを砕いて左側のアキレス腱を冷やすように靴下につっこむ。しばらくコンビニの軒先で休んでいるが、駐車場にクーラーつけっぱなしエンジンかけっぱなしで停めているクルマからの放射熱でさらに熱い。と思ったが、気温が高すぎてクルマの発する熱さえ感じねー(w やばい、やばいよ。でもいかなくっちゃ。



 午後2時過ぎ。一番暑い盛りに一番暑いところにいる。サイクリングロードは日を遮るものもなく・・・あ!ロードバイクのひとたちだ!この日初めてスポーツ自転車をみかけた。ロードに乗った集団。会津西街道で見かけないのは意外だったけど、ここは都市圏だけあって愛好者がいるんだな。この暑いのにグループライド大変そう。がんばれよ!

 それにしても速度が出ない。平地なのに。すでに午後の風になって向かい風っぽくはあるんだけど、そんな問題ではない。足に真面目に力が入らない。これはまずいと思う。たぶん、体がオーバーヒートしてる。なんとか灼熱のサイクリングロードを国道118号線まで進んで芦の牧温泉へ向かう登りへ。サイクリングロードはこの国道の歩道側へ入るが、そのまま従うことにする。歩道といっても細切れの縁石でしきられた部分で、路面の掃除がなされていない以外は問題ない。ふと頭上を見上げると「38度」の表示。おかしい・・・高度とともに温度が上がっているのか?それともさっきまではもっと暑かったとでも・・・!?



 やばいので、通りがかりのセブンイレブンに緊急避難。また冷却材を大量投入する(腹が冷えない程度に)。やや長めに休憩してから会津田島へGO!しかしこの道は交通量がある上に(帰宅の時間というのもあるのだろう)トンネルが多くてやっかいだ。あとで地図を眺めるとトンネルを迂回するように並走する道もあったみたい。おそらく旧道なんだろう。そちらのほうが走りやすかったかも知れない。単にサイクリングするならそちらを行くべきだろう。



 高度があがり木陰が増え、陽が傾きだしてようやく速度があがってくる。さっきの平地サイクリングロードより、この緩やかな登り斜面の方が明らかに軽快に走っていられる。大内宿への分岐を越え、塔のへつりの入り口を越え・・・やがて「ぽつり」と雨粒が。忽ちにして大粒の雨がどばっ!と落ちてくる。これはまずいと軒先の大きそうな路端の家をさがし、あまやどり。夕立だから止むとは思うのだけど、少々時間的に心もとない。なんとか8時までには帰りたいのだけど・・・。まだ行きのルートとの合流地点である会津田島にさえもどっていないよ。



 けっきょく20分以上たって雨が小ぶりになったのを見計らって走りだすことにした。雲の流れが速い。路面はもうこの時間ではすぐに乾くということもないだろう・・・。気温が一気に下がったのはうれしいかもしれない。やがて阿賀川の平野がひろがり、会津田島の町だ。ここは意外と小さくない町。コメリ、セブンイレブン、しまむらが揃っているという完璧な陣容。その街中大通りを抜けて行きと同じコンビニにはいったのは午後5時くらいだったかな。残り距離60kmちょっと。うーん8時過ぎちゃうんじゃないかなあ。



 会津西街道を戻るということは山王峠まで延々登るということだ。荒海宿をだらだらと登る。尾瀬方面への分岐を鬼怒川方向へ折れてさらに登る。長いなあ長いなあ、と思っていたが、実は案外斜度がなくって素直な感じの登りで恐れていたほど距離も無かった。なあんだ、という感じ。てっぺんのトンネルも上り基調なのは最後の試練だが、その先は下り。こちらは思ったよりずっと長い下り・・・。あれよあれよと言う間に中三依(なかみより、です。覚えてますか?)を通過して五十里湖へ。多少の登り返しは勢いでねじふせられるレベル。余裕ですよ、なんだか。五十里湖の手前で小腹がすいてきたのでジェルをたべて再スタート。夕暮れに沈み始めた湖面を一気にわたり日没前にはダムへ向かって登っていく。日没前とは言え、谷間だから陽はとっくにささなくなっているけど。わくわくダムダムを越えると河内まで下り。このあたりで日没。川治温泉の温泉街にダムダム観覧台入り口という小さな標識をみかけた。なんでダムダムなの?「わくわくダムダム」は許せたよ。でもダムダム観覧台までいくと見過ごせない。もしかして五十里ダムじゃなくって、五十里ダムダムなの?そうなのなの?



 川治温泉から坂を登って脱出すると鬼怒川への下り。すっかり夜になってしまった鬼怒川温泉の外周をゆるりと一周して宿泊している宿へ戻ってゴール。到着してみたらまだ午後7時半前でした。翌日も霧降高原まで走る予定だったんだけど、いつのまにか酷い股ずれができていたのでキャンセル。結果的にはそれが正解。翌日は断続的に酷い雷雨に。そんな天気をみながら美味しくゆばづくしをいただいたのでした。



 われながら素晴らしいコースだった。うん。
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アラフォーからのクロール その11

 さて、なんで水中姿勢で腰が落ちてしまうのかという話でしたっけ。わざわざページを分ける必要は無かった気がしますが、眠かったんで。まあたいした話ではございません。まず、こちらを見てください。

oyogi3.gif

 上半身が浮かび上がっている反面、腰が落ちて水にたいしての前面投影面積が増えてしまっています。これでは水の抵抗が増大してしまうのでとても効率のよい姿勢とは言えませんね。理由はいくつもありますが、そもそも人体の構造上の問題でもあります。

oyogi4.gif


 ほら。一目瞭然。上半身に「肺」という浮き袋が入っているのに対して、下半身はぎっちり身が詰まってます。さらに足は重い筋肉のかたまり。これを水に浮かべるとどうなるでしょう。

oyogi5.png

 当たり前ですが、上体が浮いて下半身が沈みます。もともと人体ってのは水中で抵抗の少ない姿勢をとりやすいようには作られていないのです。仕様に盛り込まれていないんです。さらに言わせてもらえばですね、作りがおかしいんですよ。考えてみてください。二足歩行で不安定だというのに、わざわざ地面から一番高いところに頭という無茶苦茶重い部品をのっけてるんですよ。これでは転倒しやすくなるし、そのときにはおもいっきり人体で最重要器官である脳を地面に叩きつけることになります。おかしいじゃないですか。人体は水中で生きるようにできていないから、重心の問題は仕方がないではないか、と言われればそうかもしれないと思いますよ。でも、歩行時だって危ないんです。これは許せない。

 でもまあ、この体しかないんでこれで戦わないとなりません。なんとか美しい水中姿勢をとって水の抵抗無く泳げるようにならないと。それはどうするんだって言われても・・・しるもんか・・・。

会津西街道250km。 会津田島から柳津まで。

 スプーン状というか鍵穴状のコース設定のくびれの部分までは到達した。会津田島からはまず昭和村の方角(北西へ)走る。しばらくはコース最高箇所への道だから走るというような雰囲気でもないだろうけど・・・。会津西街道ぞいに「からむし織りの里フェス」といのぼりがときどき(ほんとうにときどき)立ってる。そういうのが好きな細君がからむし織とは古代布のひとつで高級なものとされているんだ、みたいな説明をしてくれる。じゃあ、通りがかったら寄ってみようかと伝える。今回はシリアスライディングの予定ですべてコンビニ補給のつもりだったけど、少しは楽しみも混ぜないとな。ツーリングなんだから。



 船鼻峠への道は長い・・・。田島の集落から(この集落はダムの直下。見ていて不安)バイパスを登る。旧道の方が味わい深かったようだ。これに限らず会津近辺は古い道が線形改善で隧道化されているものがおおいけど、旧道も残っている事が多いので自転車的にはそちらのほうが楽しめそう。

 さてさて日差しが強くなってきた。同時に標高も1000メートル近くなってきたので気温の上昇は相殺されているようだ。このバイパス道は鞍部をトンネルで越えるが、尾根一つ隔ててうねりながら並走している旧国道(現在も国道指定)がトンネル上で交差しながら鞍部を越える。さらにこのトンネル前後でトンネルを迂回する旧道もあったりしてなかなか複雑な場所だ。GPSに入っている地図は古く、このトンネルはないので示されているルートと現在地点を示すアイコンはここしばらく離れっぱなし。トンネルを越えて下りにはいってしばらくするとようやく旧道が右側から合流してくる。



 ほどよい斜度できついコーナーもない下りではスピードがぐんぐん伸びていく。平均時速がどんどん回復していくのが心地良い。本当は全体平均速20km/hまで戻したいところだけど・・・。下ること10km近くにある両原という集落で予定したルートは現在走行中の国道400号線から離れて401号線に右折するのだけど、その地点まできてもからむし織りフェスはもうしばらく先とのこと。登り返してもどってこなくてはならないのは癪だけど、数キロだったら行ってみようじゃないかと。やがて右側に立派な施設とお祭りのようなのぼりが。ガードマンかと思ったら警察官の誘導があって「からむし織りの里」へ。大きな駐車場スペースがお祭り会場のようになってフェスティバル準備中といったところ。まだお昼までもやや時間があるので、観光客よりスタッフや出店者の方が多そうだ。駐車場をこうして使ってしまうと、車でくる観光客はどうなるのだろうと思っていたが、この少し下にある集落から巡回バスをだしているようだった。



 からむし織りの里では資料館をゆっくり見学したり、自宅へ持ち帰るちょっとしたおみやげなんかを購入。かつてここには苧麻栽培の達人がいて、日露戦争前夜の時期にロシアから農業指導のために招聘されていたとのこと。彼が持ち帰ったロシア製の食器なども陳列されていた。物産館のほうではからむし織で作られたものなどが販売されていたが、ワイシャツなどは7万円くらいしていた・・・。ざっくりとしたさわり心地ながら十分な柔らかさもあり、夏でもすっきりと着ることができそうだった。ひと通り見まわってからフェスティバルでかき氷とも思ったけど、時間が押してきたしまだフェスもリハーサル中っぽかったので出発。ルートをどうするかしばし悩んだけど、資料館でじっくり地図を見た結果戻ることもまっすぐ只見川まで降りることもなく、昭和村のダウンタウン・・・というにはささやかな中心地からの脇道で予定されていたルートへ合流できるということがわかった。柳沢峠という小さな尾根を越えるようだけど、戻ったりするよりはいいだろう。



 国道400を折れて小さな路地に入る。公民館の駐車場にフェスのスタッフらしきおじさんたちがいて、ちょっと離れたところだったけどこちらを見て「がんばれよ!」と叫んでくれた。進もうとしている道とその先があまりに不安な様相なので「この道は続いてますか!?」と叫ぶと「大丈夫!」とのこと。GPSにもこの道は続いていないという感じの表示なのだけど、資料館の絵地図やなんやらも貫通している様子だったから大丈夫の言葉を信じよう。非舗装だけど続いている、ということもあり得るのだけど。




 柳沢峠は意外と難敵であった。斜度は平均で8%弱と激坂ではないのだけど(きついけどね)、虫が多い・・・。常時3~4匹はあぶだかぶよだかが頭の周りを回っている。ちょっと前にぶよの話をしていたので、とてもうざい・・・。ふたりとも腕をぶんぶん振り回して虫を避けるけど効果はない。腕を振り回すのも結構疲れるのだ。そして意外と標高もあった。うなる虫の羽音にげんなりしながら到達したのは800メートルの峠。350メートルほど登ったことになる。予定外だった・・・。柳沢峠を超えた先は意外と道幅の広いまっすぐの道で楽しい。楽しい時間はすぐに終わって県道32号線を左折。予定ルートへ合流した。



 県道32号線は小さな山間の集落を縫うようにつなぐ林間の道。下り基調なのでペースがでて良いが、水の残りが心もとなくなってきた。あと20kmほどで次の休憩予定地・・・コンビニなのだけど、そこまでもつかどうか。気温も30度を超えて35度へむかって上昇中ということもあって熱射病も不安だ。途中で自販機でも見つけたら・・・と思っていたらバス停のような小屋に自販機がくっついているのがみえた。しかもその脇にはご自由にお使いくださいという湧水も。コップなどもぶら下がっているところをみると飲用できるのだろう。すばらしい。ありがたい。



 細君はアクエリアスを買って小屋の中でぐびぐび飲んでいた。小さな薄暗い(でも陽は十分に差しているので陰鬱な雰囲気はない)小屋の中に新聞がさしてあった。よくみてみると新聞をさすくぼみにはそれぞれ苗字が記されているので、新聞配達はここにとどいてこの集落各戸の人が取りに来るのだろう。ここらは鉄道からも幹線道路からも遥かに離れた・・・僻地の集落なのだけど、人影のない静まり返ったという感じではない。静かだが、人影をみかけたし村落の建物もよく手が入れられている。田舎の蔵は明治期に木材などで一山当てたときに建ててそのまま朽ちていっているようなものが多いけど、この道沿いでは立派でかつ未だにきれいな蔵をみかけることが少なくなかった(絶対数は少ないけど)。そういう蔵や建物にしっかり屋号がかかっていたりするとなんだかうれしくなってしまう。ここは楽しい道だ。

 小屋の熱くなった体をしばし休めてから湧水を頭から浴びてすっきり。顔をごしごし洗いたいけど日焼け止めが流れてしまってはまずい。でも靴の中までびしょ濡れ状態にして日差しに対抗する準備をして出発。只見川沿いの国道252号線を目指す。その手前で頭上の温度表示板に「37度」と・・・下っている上に湧水をあびているので気化熱があってあまり感じ無いが、まだ昼前というのに大変なことになってきているようだ。そしてこれから「山を下り盆地へ向かう」のだ。なんだかやばい雰囲気がしてきたが下りの楽しさですっかり忘れよう。

 国道252号はさすがに交通量がある。普通に。三連休の中日とあって大型車が少ないのが救い。すぐに左手にある道の駅会津柳津へ入り少し早めの、といっても12時前だけど昼食にしようということに。今回はシリアスライディングでコンビニだけ・・・とかいうのはもうどうでもいいね。入るとカツサンドを並べているところ。細君が食べたいと言い出す。でも、週の半ばに食あたりおこしてほとんど今日まで飯も食わず、特に油物などみたくもないと言っていたくせに「カツサンド」ですか?まあ、いいけどオレはロースは嫌だな。と思って並べている人に聞いてみると「ロースだけど脂身は少ないよ」とのこと。たしかに見た感じ脂身は少なそう。じゃあ、と買って食堂の席を取り、さらにそばを頼む。さてこのカツサンド。すごくうまかった!あまりのうまさに棚の写真を撮ろうと思ったら数分しかたっていないのにほぼ売り切れ!うまかったものなあ。しばらく待ってでてきたそばは普通。



 国道252号はクルマの量も多いなあ、と思いつつ一山越えると(トンネルで)GPSが設定ルートは脇道だと告げる。このまままっすぐショートカットして戻っても良い(シリアスライディングは・・・?)のだけど、脇道が古い集落を貫いているようで風情があったのでそちらへそれる。もともともルートだし。しかし・・・早めにこの盆地を抜けないと・・・やばいぞ。



 まだ続く。

会津西街道250km。 鬼怒川から会津田島まで。

 PBPに行くらしいのだけど、いろいろなことが起こって準備が進まない。現在確定しているのは飛行機のチケットとパリあたりのホテルだけ。ACPのサイトで振込みの確認とか何度もしてしまう。振込み番号ミスで振り込まれてないとかあったからなあ・・・。そうだ、ホテルの部屋取れてるんだよな?・・・ほんとに。フランス語わからんし、気候もわからんし、チップとかどうなの。膨大な荷物を空港からどうやって運ぼう。なんだか書いてたらどんどん不安になってきた。マクドナルドあるのかな・・・。さらに思えばすでに一月程まとまった距離を走ってないとか、もんもんとしてきたので三連休を利用してちょっと走っておくことにした。



 コースは大きな山がなく、でも平坦というよりはアップダウンの繰り返し。交通量が少なく、でも狭い道ではなくなおかつ九十九折はあまりないような感じで・・・ということでこんな感じ。去年の埼玉600を参考にしつつ、猪苗代湖まではいかずに戻ってくるルートどり。えーとこんな感じです。一番の不安は気温。山間部は標高もあって木陰も期待できるけど、一番気温の上がる時間帯は会津若松か喜多方のある盆地。フェーン現象のせいかとても暑いんですよね。喜多方で37度の予定です・・・。そこらはサイクリングロードを走るから、木陰もないというし照り返しはあるだろうから・・・まあ、とても暑くなるだろうね。できるだけ朝早く出発しましょうか。7時スタートと思っていたけど、朝5時スタートで。

 結局、朝になって自転車組立とかしていたので、朝5時半くらいになってしまいました・・・。4時半には日の出とのことなので(GPSに日没と日の出の時刻を表示させています。夜間走行あるときはいろいろと目安になるよ)、すっかり明るい。でも暑くはありません。さすがに。そもそも鬼怒川温泉の時点で東京との標高差が400メートルほどあるので、熱帯早朝でもなし。よか。



 鬼怒川温泉から川治温泉まではけっこう登ります。アサイチでこれはきついなあ、と思っているうちに谷間に川治温泉がみえてきます。まだほとんど進んでいないのに細君が(一緒なのです)トイレ行きたいというのでいきなり休憩。今日はシリアスライディングの予定だというのに・・・。しかしまだ朝6時前なのにすでになんかイベントの用意が進んでいたり、観光客が来てたりしてますよ。みんな熱心だなあ。この公園も綺麗だし、いいね。川治温泉からはしばらく登り。かなり登りな気分。五十里ダムが見えるところまで登ると一段落。五十里は「いかり」と読みます。五十里ダムの背後には五十里湖というダム湖があるのですが、江戸自体にも地震によるせき止めの結果、五十里湖が生まれたことがあったそうです。その湖は70年間ほど存在したとのことなのですが、この新旧ふたつの湖によって、この地にあった五十里宿の住民はそのたびに立退きを強いられたとのこと。そのような歴史を語る資料館「わくわくダムダム館」を横目に眺めながらいくつかのトンネルを越えていきます。



 会津西街道は現在の目から見たら秘境・・・と言ってもよいかと思います。日光・鬼怒川と会津地方を結ぶ幹線ではあるのですが、いまでは交通量も多くはなく静かな小集落を結ぶのどかな街道です。しかしこの街道筋はイギリスの女性旅行家イザベラ・バードが紹介したことで国外にも知られた存在なのです。彼女が表した本は「日本奥地紀行」として日本でも容易に入手ができるので興味があれば是非。まあ、いずれにしろこの地は奥地・・・少なくとも奥地の入り口ですね。

 五十里湖の脇には湯西川温泉へ続く道が別れていきます。別れたところからもかなり走らねばならないので行きませんが、そこは平家落人の里として有名なところ。源氏の手のものに見つからぬよう、鯉のぼりはあげない、犬・鶏は飼わないなどの風習が伝わっているとのこと。いやあ、行ってみたいなあ。さらに奥地感を感じたいなら、ここを走っていると時折並走する単線のローカル鉄道「野岩線」。これが開通したのはなんと1986年。電化は90年代。計画から80年だか90年だかかかって完成した路線らしい。どうりで長大トンネルや橋梁が多いわけだ。ようやく鉄路が引かれたところなのね・・・。この時代に。

 五十里湖湖畔を長大橋梁で行ったり来たりしながら北上。湖畔でははるか先で渡る橋が見えたりして楽しい気分になります。北上はゆるやかに登っているものの、うんざりするほどではなく、むしろ風が気になるかも。この日の風向きの予報は北風のち南風。むう、真っ向勝負を挑んでくるのか。



 中三依温泉をつうか。「なかみよりおんせん」と読みます。かつての中三依宿。温泉という駅名ながら温泉宿みたいなのはまったく目につかない・・・。唯一立ち寄り湯があるらしい。河内以北の会津北街道の栃木県側では大きめな集落のように感じました。まあ間違ってないと思います。そのまま道は県境である山王峠へ向けて高度をあげはじめます。会津西街道の栃木側はじつに走りやすい。ほとんどの場所で2車線が確保されているし、景色もよい。ところどころに静かながら生きた小さな集落が点在している。なんといっても空気がうまい。なんといってもこの暑い季節に排ガスを吸い込むのは嫌なものだ。

 男鹿高原駅を過ぎるといよいよ山王峠。斜度はそれほどきつくないが、速度は如実に落ちる。ここは現在トンネルによってバイパスされているけど、トンネルの上の稜線には旧国道・旧道・江戸道が埋れているらしい。旧国道は崩落により自動車の通行は不可能だそうだ。



 トンネルを超えるとうつくしま福島。福島県に入りました。会津ですよ。福島川は旧荒海宿というところ。明示の大合併で成立した地区だそうなんだけど、命名の由来は不明(近くに荒海山がある)。ようやく訪れたボーナスステージを会津田島まで長く長く下る。ここを帰りは登り直すんだよな、と思うとちょっとうんざりだけど今はこの喜びを味わおう。そうして60km弱の地点にある会津田島のセブンイレブンに到着したのは朝8時前。気温は25度あたり。一番よい気候だ。まだ残り200kmくらいあるが、もうこんなに長くなってしまったのでまた次回にしよう。歴史の古く、よく残されている道筋は実に味わい深いものだなあ・・・。

 
 

アラフォーからのクロール-10

 大震災のあと、一時休止していた水泳も続いております。夏にはいって「輪番休館」なる謎の制度が入ってしまいました・・・。まあ、いいんだけどね。なんか意味あるんだろか。

 さて、クロールだ。クロール・・・。相変わらず一進一退中。水泳教室のコーチによってはずいぶん泳ぎ方が変わった、かなり進歩したというコメントもいただくのですが、同時に体に力はいりすぎ、力で進んでいるという言葉もいただきます。それで力で強引に進むと、すぐに息が上がってしまうのです。水泳・・・に限りませんが、スポーツは力任せよりスキルが重要です。そして運痴の僕にとってもっとも厳しいのがこれ。かつて二十年ほど前に・・・いやもう三十年とかになっちゃうのか?・・・クロールを諦めたのもこれ。運動神経がないから大変なのです。

 水泳のスキルというのは、たぶん、水中姿勢の取り方と推進力の入れ方という順番でしょう。水中姿勢によって水の抵抗をできるだけへらして推進力をたかめてぐんぐん進む。はあ。いいなあ、ぐんぐん進むというイメージ。で、頭の中にある正しい水中姿勢というのは水面と並行になっております。もっとも前面投影面積を減らした形ですね。えーと、こんな感じ。

1)
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 お、なんだかクロールっぽくないですか?この絵。左腕をぐんと前に伸ばして勢いをのせて右ひじをたかくあげて水面へ向かっている感じです。いかにも進みそう。でも、これはあくまでも頭の中のイメージ。実際はどうなっているのかというと・・・。



2)
oyogi2.gif

 腰が落ちてしまって胴体前面が水面に対して縦になってしまっています。沈みそうという意識から頭も上がってしまっているのでさらに腰が沈みそう。このイラストでは左へと進んでいる=左からの水の抵抗があるわけですが、一番目のイラストに比べ水の抵抗を受ける面積が増えているのがわかるでしょうか?

 このせいで同じ速度で進むにもより力が必要になるわけ。力が必要になるってことは空気も必要でたくさん空気を吸いたくなって首をあげるとさらに体が沈み・・・って感じで泥沼です。イラスト的にもあっぷあっぷという感じがしてきますよね。なんだかこの人つらそうです。こんな単純な図からもそんなことが伝わってくるなんて、実は僕はイラストの才能があるんじゃないだろうか。

 ただ、実のところ僕の泳法はこの二番目のイラストのレベルですらない気がします。



3)
oyogi3.gif

 ああ、こんな感じだよ。そうそう。溺れてるっぽい感じもよくでてるよいイラストだ。とてもかっこいいクロールには見えないな。これはどう前の図と違うのかというとですね、水に入っている方の手もぐいと伸び続けることが出来ず、すぐに水をかきだしています。子供のぐるぐるパンチみたい。こうなるとですね、ほんとに体が浮かないのです。とうてい力を抜いてストロークにのびをとった感じのクロールからは程遠い。現在のところはこの一番目の図を目指しつつ、指導のおかげでときにはうまくいって上機嫌、次の機会にひとりで泳ぐと三番目になっていたりでへこんだりを行ったり来たり。ところで、どうしてこうやって体が斜めってしまうのでしょうか?それは次回にでも・・・。