脇道へそれると立派な茅葺屋根を持つ大きな神社が。国指定重文だそう。こちらの道は古い道なのかな。さて、阿賀川沿いのサイクリングロードを探してみようか・・・。田んぼの中を走る。遠くには会津磐梯山も見えるよ。とにかく暑い・・・。田んぼに張られた水が空気を冷やしているはずだけど、それ以上に水面での照り返しパワーもデカイだろう。気温が何度だかわからないけど、わからないほうがいいに決まってるくらいにはなっているはず。そしてサイクリングロードにでたものの・・・というかわかってはいたのだけど・・・日陰はない。まったく。どこにも。なにしろ田んぼ沿いの川の堤防上にある道だ。イカロスの翼くらいならここでは焼け落ちてしまうに違いない。
もちろん商店や自販機だってない。なんにもない。サイクリングロードのようにみえて車も通る(車止めがあるところもある)。もうそろそろやばい・・・というところで事前に調べておいたファミマに到着。サイクリングロードと車道が交差するところにあるコンビニなのでちょうどよいのだ。とても固形物が食べたい状況ではないのでガリガリ君を食い、アイスカルピスを食い、ロックアイスを砕いて左側のアキレス腱を冷やすように靴下につっこむ。しばらくコンビニの軒先で休んでいるが、駐車場にクーラーつけっぱなしエンジンかけっぱなしで停めているクルマからの放射熱でさらに熱い。と思ったが、気温が高すぎてクルマの発する熱さえ感じねー(w やばい、やばいよ。でもいかなくっちゃ。
午後2時過ぎ。一番暑い盛りに一番暑いところにいる。サイクリングロードは日を遮るものもなく・・・あ!ロードバイクのひとたちだ!この日初めてスポーツ自転車をみかけた。ロードに乗った集団。会津西街道で見かけないのは意外だったけど、ここは都市圏だけあって愛好者がいるんだな。この暑いのにグループライド大変そう。がんばれよ!
それにしても速度が出ない。平地なのに。すでに午後の風になって向かい風っぽくはあるんだけど、そんな問題ではない。足に真面目に力が入らない。これはまずいと思う。たぶん、体がオーバーヒートしてる。なんとか灼熱のサイクリングロードを国道118号線まで進んで芦の牧温泉へ向かう登りへ。サイクリングロードはこの国道の歩道側へ入るが、そのまま従うことにする。歩道といっても細切れの縁石でしきられた部分で、路面の掃除がなされていない以外は問題ない。ふと頭上を見上げると「38度」の表示。おかしい・・・高度とともに温度が上がっているのか?それともさっきまではもっと暑かったとでも・・・!?
やばいので、通りがかりのセブンイレブンに緊急避難。また冷却材を大量投入する(腹が冷えない程度に)。やや長めに休憩してから会津田島へGO!しかしこの道は交通量がある上に(帰宅の時間というのもあるのだろう)トンネルが多くてやっかいだ。あとで地図を眺めるとトンネルを迂回するように並走する道もあったみたい。おそらく旧道なんだろう。そちらのほうが走りやすかったかも知れない。単にサイクリングするならそちらを行くべきだろう。
高度があがり木陰が増え、陽が傾きだしてようやく速度があがってくる。さっきの平地サイクリングロードより、この緩やかな登り斜面の方が明らかに軽快に走っていられる。大内宿への分岐を越え、塔のへつりの入り口を越え・・・やがて「ぽつり」と雨粒が。忽ちにして大粒の雨がどばっ!と落ちてくる。これはまずいと軒先の大きそうな路端の家をさがし、あまやどり。夕立だから止むとは思うのだけど、少々時間的に心もとない。なんとか8時までには帰りたいのだけど・・・。まだ行きのルートとの合流地点である会津田島にさえもどっていないよ。
けっきょく20分以上たって雨が小ぶりになったのを見計らって走りだすことにした。雲の流れが速い。路面はもうこの時間ではすぐに乾くということもないだろう・・・。気温が一気に下がったのはうれしいかもしれない。やがて阿賀川の平野がひろがり、会津田島の町だ。ここは意外と小さくない町。コメリ、セブンイレブン、しまむらが揃っているという完璧な陣容。その街中大通りを抜けて行きと同じコンビニにはいったのは午後5時くらいだったかな。残り距離60kmちょっと。うーん8時過ぎちゃうんじゃないかなあ。
会津西街道を戻るということは山王峠まで延々登るということだ。荒海宿をだらだらと登る。尾瀬方面への分岐を鬼怒川方向へ折れてさらに登る。長いなあ長いなあ、と思っていたが、実は案外斜度がなくって素直な感じの登りで恐れていたほど距離も無かった。なあんだ、という感じ。てっぺんのトンネルも上り基調なのは最後の試練だが、その先は下り。こちらは思ったよりずっと長い下り・・・。あれよあれよと言う間に中三依(なかみより、です。覚えてますか?)を通過して五十里湖へ。多少の登り返しは勢いでねじふせられるレベル。余裕ですよ、なんだか。五十里湖の手前で小腹がすいてきたのでジェルをたべて再スタート。夕暮れに沈み始めた湖面を一気にわたり日没前にはダムへ向かって登っていく。日没前とは言え、谷間だから陽はとっくにささなくなっているけど。わくわくダムダムを越えると河内まで下り。このあたりで日没。川治温泉の温泉街にダムダム観覧台入り口という小さな標識をみかけた。なんでダムダムなの?「わくわくダムダム」は許せたよ。でもダムダム観覧台までいくと見過ごせない。もしかして五十里ダムじゃなくって、五十里ダムダムなの?そうなのなの?
川治温泉から坂を登って脱出すると鬼怒川への下り。すっかり夜になってしまった鬼怒川温泉の外周をゆるりと一周して宿泊している宿へ戻ってゴール。到着してみたらまだ午後7時半前でした。翌日も霧降高原まで走る予定だったんだけど、いつのまにか酷い股ずれができていたのでキャンセル。結果的にはそれが正解。翌日は断続的に酷い雷雨に。そんな天気をみながら美味しくゆばづくしをいただいたのでした。
われながら素晴らしいコースだった。うん。