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【落武者魂】 2011年05月20日
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落武者魂

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2011年05月20日

哲学の源流をたどる妙正寺川の旅。

 ようやく謎の奇病から脱したようです。そう思って本屋へ行くために自転車に乗ると・・・足のつけ根?が痛い!ビギギギギッ!って痛い!痛すぎてどうしようもないので、近くの信号にも到達せずに家に帰って泣きました。それから数日がたち・・・やっぱりロードでどっか走ってくる、ようなことはできなそう。もともとの身体的スペックがへぼいからね、すぐ壊れちゃうんだよね。それはわかっていてもできてたことができなくなるってのは悔しいわけです。辛いわけです。僕はもっと出来る子のハズだもの・・・。でも出来ない現実。挫折です。AAで表記するとorz。

 こういうときは自分を見つめ直すよいチャンス。閉めきった薄暗い部屋の中でひとり想に耽っていると、うーん天気よさそうだなあ。気温はほどよく風もなく雨もふらず。サイクリングには最高の気候だけど・・・。とか薄暗い部屋で思うとやっぱり陰鬱な気分になってしまいます。しかたない。せめて家から出ようよ、と小径車を持ち出しふらふらと外へ。やっぱりいい天気だなあ。いい天気の下で自分を見つめ直すような場所はないかなあ・・・あった!あったじゃないか!


哲学堂



 その名も哲学堂。20世紀初頭に大哲学者井上円了先生が造園された哲学の場。哲学のテーマパーク。村上春樹著の「アフターダーク」にもその名(だけ)が登場する超有名スポットです。現在でも世界中から哲学徒が集まり議論を積み重ねている(はず)のあの哲学堂。ぎこぎこと痛くないように自転車をこいで行ってみます。哲学堂は新青梅街道と中野通りのぶつかるあたりにあるのですが、それらに面する場所はテニスコートや野球場(アニメ版「時をかける少女」の野球場です)なんかになっているので、一見公営運動公園。しかしその奥にわけいっていくと”真理界””哲学関”とほられた二本の石柱が。この先は真理を追求する哲学の場だという結界をずしんと感じます。

 

 正門は「哲理門」。向かって右には天狗、左には幽霊の木像が納められていて別名を「妖怪門」と。天狗を物質の、幽霊を精神の、それぞれの不可解の象徴としているのだそうです。なんというか、いきなりハイクオリティですががんばってついてきてください。

 

 入って左手にこんな看板が。神道、儒道、仏道の碩学をたたえた展望台があるとのこと。


三学亭


 そこからの景色。あんがいコンパクトなテーマパークです。左手から降りて時計回りに回ってみましょう。


 いきなりキマシタ。宇宙友の会、じゃなかった、宇宙館。宇宙のものが展示してある、わけではありません。哲学とは宇宙の真理を学ぶものであり、その講義講演を行う場として設けられたものだそうです。正方形の建物の角が入り口というのはおもしろい形。とんがった角2面に扉が付いています。中は見えないのですが、皇国殿なる本殿がもうけられているとのこと。ちなみにここにある建物はどれも100年ほど経っている貴重な名建築物なのですが、補修というか保存がちょっといい加減のような・・・。外壁はモルタルパネル(社名入り)をはっつけてあるだけのように見えるんだけど・・・。まあ、見た目ではなくもっと奥深いところをみつめろということでしょうか。

 その裏には「理外門」なる場が設けられています。それは哲学を学び尽くした後にその理の外にも別の理があることに気づくであろうということだそうです。そこには小さな橋がかかりその名は「理想橋」。こんな橋です。



 理想橋(りそうきょう)を名乗るにはあまりにつつましい・・・しかし理想郷とはそんなところにあるのかもしれません。この先はツツジ園になっていますが、まだ哲学を究めていないので戻ります。理外門の脇には白い建物があり、その名を「絶對城」。万巻の書を読み尽くせば絶對の妙境にたどり着くはずであるということで、つまりは図書館です。なあんだ、図書館かよ、と思ってしまいますが人類の歴史において図書館とは非常に重い意味を持つものでありました。シヴィライゼーションではアレクサンドロスの図書館を建造すると自動的に新技術を二つ入手できてしまうというほどの威力でそれを再現していたことを思い出される方も多いかと思います。それを思えば「絶對城」という名も理解できようというもの。かつてはてっぺんに展望台があったらしいのですが、写真をみるかぎり手すりがあるだけのようでした。

 
絶對城




 中央に座するのは四聖堂。孔子、釈迦、ソクラテス、カントを祀ってあります。これが哲学堂最古の建造物なんだそうです。ありがたいありがたい。


 井上円了先生。全国津々浦々に講演に赴き、謝礼や寄付など全私財をなげうってここを作られたそうです。先生はこの公園のある丘を「時空岡(じくうこう)」と名付けられ哲学の時空間を見出されたとのこと。

 

 この赤い建物は「六賢臺」。東洋の大賢人6人を祀っています。中は三階建てになっているとのこと。なんというか普通です(?)。普通ですが、この建物が一番目立つ建物でもあります。朱色が若葉に映えて綺麗。

 その向かいにも白い建物が。なんか全ての出入口や窓をふさがれて単なる倉庫のようにも見えますが・・・。



 まあ、倉庫なんですが。その名を「無盡蔵」。もちろん「むじんぞう」と読みます。すばらしいこのセンス。脳の奥がぴりぴりしびれちゃいます。名付け親はやっぱりミスターでしょうか?

 その脇にあるのは「常識門」。正門である「哲理門」に対し、裏口というか勝手口として機能していたようです。また、普段は一般の観覧希望者はこの門から入っていたとのこと。



 で、この門の脇にある垣根は「一元牆(いちげんしょう)」といって世間の多元的見解と哲学の一元的見解の境界をしめしているとのこと。ただの垣根にしか見えませんか?哲学が足りないからです。



 常識門から入ったすぐ脇、無尽蔵の反対側には髑髏庵と鬼神窟という建物が並んでいます。そのふたつの建物は復活廊という廊下でつながっていますので、ひとつの建物のようにも見えます。かつて髑髏庵には骸骨がぶら下げられていたそうです。それは俗世間の塵に怪我された精神がここに入ることで死んだのだということを示し、復活廊を通じて哲学的再生を得るというストーリーです。有名テーマパークで言えばイッツ・ア・スモールワールドみたいなものでしょうか。

 なんだか眠くなってきました。哲学の本を読むと眠くなるというのは古今東西の人々が知る人類普遍の真理の一つなのですが、哲学について記していても眠くなるようです。これは新たな発見ではないでしょうか?しかしこれについていかに記したいと思っても眠くなってしまうので、完成することはありません・・・。これは肉体上の限界です。しかし、実のところ哲学堂の話はまだまだ続くのです。ここまではまだ哲学堂の「普通のアトラクション」を紹介したにすぎないのですよ。此処から先、どんどんミスター的、針小棒大的な哲学堂ワールドが広がっていきます。形而上に広がり形而下に狭まるという感じでしょうか。そしてその源流に迫るレポの続き、お待ちください。
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