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【落武者魂】 2011年05月
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落武者魂

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2011年05月

熱の中で

 結局まるまる一週間寝込みました。本当に高熱が出たのは最初の数日だったのですが、金曜の夜も茶漬けしか食えないような感じで、結局600kmブルベを走ることもできず・・・・・・。無念。こんなに体調を崩すのは久しぶり。一週間あれば快調まで戻せると思ったんだけども。ようやく今日、本当にまるまる一週間目で家から出ても大丈夫に戻りました。あとは咳だけ。その間、けっこうな時間をベッドの上でもやもやと過ごし・・・・・・10年ほど前のことを思い出したりしていました。ちょうどサラリーマンを辞めたころのこととか。

 10年ほど前、20台後半だった僕は20台前半だった友人たちと独立して会社を起こしました。場所は新宿の曙橋。「渡る世間は鬼ばかり」の鬼中華料理店幸楽のある(設定)で有名な曙橋です。フジテレビという巨大な企業が抜けてしまったこの町では、やや古めの雑居ビルの小さな部屋がたくさん空いていて、比較的安く借りることができたんです。といっても、すでに失われた10年でしたんで、どこでもそんなに高望みしなければ借りれたと思いますが。まあ客先を回る際の利便性や、秋葉原と新宿でいつでも機材などを調達できることなんかの便利さなどはあったと思います。町の雰囲気もこじんまりとしていて好きでした。

 僕らが初めに事務所を構えたのはその曙橋の雑居ビルの最上階(高層ビルなんかじゃないですよ、もちろん)。わずか6畳の居室に風呂トイレ別と廊下兼用のキッチン(のようなもの)が用意された小さな一室。そこに4人分の机と開発機材、サーバなんかを置いてのスタートです。なにしろわずか6畳にその装備。僕以外は体格のしっかりした仲間たちだったので、全員が同じ部屋に集うと移動が大変。トイレに行くのも一苦労と言った始末。空調はどうしてたんだろうと思いますが、たぶん壁掛けのクーラーを入れたんだと思うな。あと扇風機。

 この部屋の一番の思い出はゴキブリの多さ・・・。古いビルだし、飲食店も付近にあるから仕方ないとはいえ、どこからくるんだ?ってほどゴキブリがあがってきました。最終的に風呂の配管を伝ってきていると判断し、風呂部屋を閉鎖することで抑制しましたが、深夜2時3時に作業しているときにささっと視界を横切る黒い影におびえ続けることは終わりませんでした。ときには袖にゴキちゃんがぶら下がっていて「ギャー」と叫んだことも。

 部屋からの眺めはさすがに悪くなく、いや、下界を見下ろすというほどではないのだけど、けっこう緑の多い住宅地が窓から見渡せてちょっとした気分転換はできました。また、最上階だけあって屋上へもすぐに出ることができ、にっちもさっちもいかないときに日向ぼっこしたり、深刻な電話をするときなんかに使っていました。

 このビルにはこういう小さな会社の事務所も入っていましたが、普通に住んでいる人たちもいました。なのでそういう人たちを狙うセールスマンも来るわけです。僕らの事務所のスチールドアには会社の名前とロゴの入ったステッカーをマグネットで貼り付けていたんですが、どういうわけかセールスマンがやってくる。たいていは「ここは会社なんで・・・」で終わるんですが、来るなり早々「おとうさんかおかあさんはいらっしゃいますか?」と言われたことがありました。わたしとて小さいといえど会社を預かる身。はっきりとテキパキ答えましたよ「母はちょっと今いないんですが」。まあ、もちろん父も母もここにはいないんですけどね。

 来客といえば銀行の営業の方が来たことがありました。近所の地方銀行の支店の方でした。今思えば、というか当時思っても大人気ないんですが、さっさと帰ってもらいました。というのも、その支店は会社を起こすときの資本金の預かりをお願いしたときに門前払いしてきたとこだったんですね。門前払いには門前払い。大人気ないかもしれないけど、その銀行とつきあってもまったくメリットないし困ることもありえなかったんでお互いの時間資源のためにはむしろ良かったかと。

 この資本金預かりってのは当時、後ろ盾も実績もなく独立しようという若い人たちに対するひとつのネックになっていました。現在は商法の改正によりこの制度は大幅に変更されていて、今僕らが同じことをする場合には存在しないに等しいハードルになっています。当時のいわゆる旧商法では最低資本金というものがあり、株式会社では1000万円、有限会社では300万円を最低限の資本金として準備し、その証明を金融機関から株式払込金保管証明という形で得なくてはなりませんでした。これは資本金が単なる見せ金ではないこと、法人を設立する資金が暦としたものであることを保証するためのものだったのでしょうけど、なぜか金融機関が株式払込金保管証明を出すためにお金を預かるのを嫌がる時期があったのです(現在では資本金は1円からOKになり、有限会社という区分けが消滅するなど全然状況が変わってますので、このあたりの知識はまったく価値ありません)。

 資本金を預かったなら、そのまま会社が動き出したときにもその銀行と取引する可能性が大だと思うのですが、なぜか引き受けしてくれない、という情報が当時の若き起業家(w の間に流れていました。都市銀行はまったく引き受けてくれないから、地方銀行などの中小のほうが良い、という話だったので事務所の近所の地方銀行の支店へ行ったわけです。ガラスのように繊細な心の僕なので、断られるのは怖かったからですね。ところが、実際に行ってみると、ガラスの心を粉々に砕くような断られ方だったという記憶があります。いや、そんなにひどくなかったのかもしれないけど、とにかく門前払い・問答無用って感じだったようです。よく覚えてないけど。で、そのまんまの足で都市銀行へ行ったらすんなりOK。なあんだって感じでした。

 この株式払込金保管証明の問題は、ちょうどこのころから問題になっていて、引き受けされないというのと一定期間預けて無いとならないということでは、事業の遂行に支障をきたすということから前述の通り新商法では改正されています。どのように改正されたのかは知りません。いずれにしろサラリーマンから独立するぞーレベルの人にはもはや存在しないに等しい問題になっているはずです。僕らが会社を起こす際に大きな障害となったのはこの問題だけだったという気がするので、特に記憶に残っているんでしょうね。もちろん会社を起こしたあともいろいろあったわけですが、おもしろおかしい話になるのはやはり初めの2年間くらいかな。

 とにかくあれから10年・・・は経っていないようですが、応援してくれた多くの方々、支援してくれた人たちの存在、同時期に独立した同世代の人たちの姿、などなどに励みをや助けを得て今日の日があるのだなあと、そんなことを思いつつ寝込んでいたのでした・・・。

BRM507 アタック日本海 600km

 なんか走り終えたら高熱を発して寝こんでしまってるので、気づく前に書いたところまで。

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 朝起きると寒い。なんとか布団をでてエアコンと床暖房をつけるゴールデンウィークの終盤。まだ夜は明けていない。寒い寒いと凍えながら出発の準備をする。この週末はBRM507 アタック日本海600kmに出走することになっていたのだ。入間から北上しまくって三国峠を越えて日本海へ達し、折り返してくるコース。完全な折り返しではなくって三国峠周辺以外は輪になっている感じだ。ちなみに350km地点付近で長岡駅前至近を通過するのでそこでホテルに泊まる予定。たぶん、このホテル泊可能という情報がなければ出走しなかったと思う。すでに今年600kmは完走していてPBP参加のための最低条件はクリアしているし、5月14日にも600kmブルベがあるから。5月14日といえば2週連続。2週連続600kmは許容できる範囲だけどやっぱりアホですよ。つうか普通に考えて600kmもありえない。周りにそのくらい屁でもないサイクリストが多すぎて鈍感になっているかもしれないけど、ブルベ人口って日本で1500人くらいじゃないですか?1億2000万人いて1500人くらいですよ、きっと。しかもスーパーランドナーまで取得する人はどれだけいるんですか。この駄文を読んでいる人の7割くらいはSRサイクリストな気もしますが・・・。みんな、まだ引き返せるぞ!

 それにここんとこ数年ブルベ走行距離が年間5~6000kmくらいです。でも、もともと運動音痴君なわけでだいたいシーズン終盤に足腰を痛めてペースダウンって感じ。オーバユースっていうんですか?もともとむいてないんだと思うんだよねえ。いくら走っても速くなんないし。走った距離は嘘をつかないはずなのに・・・。

 走った距離が嘘をつかないのは「人はなんにでも慣れる」ということ。600kmというのも慣れるし、600kmの途中でホテルで休む軟弱さにも慣れる。人はなんにでも慣れる。ゆでガエルの例のように慣れてしまうのだ。だからほんとは出ないつもりだったけど「なんだビジネスホテルが予約できるじゃねーか。しかも高くないし」と思って「おっとつうことはフグバッグを使わなくたって荷物は現地に発送しちゃえばいいよな」と思ったらホテルへ予約してしまった木曜の夜。前日の金曜に荷物も発送。自転車は先週乗ったから・・・まあチェーンへオイルをひいておくか。

 クルマに乗って豊水橋へ。豊水橋スタートは・・・自分の車で行くのははじめてだなあ。GWだから混んでるかなと思ったけど午前4時すぎではまだ渋滞とかはなかった。そのままスムーズに豊水橋の駐車場につき受付を。しかし寒いな。ここまでもクルマのヒーターをガンガンに効かせてきたけど。めずらしくスタートまで時間があるので車内で横になりFFヒーターをつけて休む。やがて・・・楽しい仲間たちがあたりに集まってきたようだ。僕は車内で上体を起こしボンヤリとしている。どうやら楽しい仲間のひとりが「ヘルメットを忘れた」とのこと。たまたま妻のヘルメットが車内につってあるので試してもらうがまったく入らない。僕のヘルメットも。これではDNSかも・・・という話だけど、うらやましい。僕もDNSしたい・・・。あ、もう受付しちゃったからDNFになるのか。

 スタート時間が迫る。寒さは少し和らいでいる。でも・・・雨が降ってきた・・・。まいったね。予定ではまだ降らないはずだったのに・・・。ちなみに今回の天気予報では新潟の夜間に本降りの雨、および日曜はときどき雨という話。新潟の雨は時間的に長岡のホテルにいる間に雨がざっと降るはず。日曜は基本的に晴天だし気温も高い。一時的な雨は問題にならないだろう・・・という予想。だけど600kmを走るということは、この日本では雨は常に覚悟しなくてはならないものだ。なので雨具装備を用意。具体的にはレインジャケットとレインパンツ、それとシャワーキャップ。防水靴下とグローブまではいらんだろ。防寒用には長袖ジャージとつま先カバーを用意。それらを背中に背負うのが今回のスタイル。ロングライドでは背中に背負うのはできるだけ避けるようにとよく書かれているけど、実のところそれほど嫌がる必要は無いように思う。とりあえず背負ってみて重い、と感じ無いくらいであれば背負い続けても問題ない。ただ湿度の強い酷暑の中では大量に発生する汗がお尻に垂れてきてヤバい場合があるので注意。

 他にフロントバッグを装備。オイルやウェス、ワイヤーロックなんかを入れておいた。このフロントバッグは昔からちょくちょく使っているのだけど・・・フレームサイズのせいか・・・フロントタイヤにこすれがち・・・。今年に入ってステムを変えたせいか以前は締め上げれば大丈夫だったんだけど、今回は最後まで悩まされた(先に書いておくと、摩擦で外皮と内装のプラスチックが破れて穴が開くに至った)。あると便利なんだけど・・・難しいね。

 といったところでスタート時間とあいなるのでした。