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【落武者魂】 2011年04月

落武者魂

L  O  S  T     S  Q   U  A  D  R  O  N  .

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BRM416 埼玉400km

 スタートのチェックを受けて走り出した鉄血長征号はやたらサドルが高くって不安定な気がした。これがロードか!5週間ほどロードバイクに乗っていないとこれほどまでに感覚を失うものなのか。つうか、このバッグをつけるとこんなにふらふらしたっけ?とサドルにくっつけたキャラダイス・ネルソンバッグ(通称フグバッグ)を睨む。通過、オレ、どんどん弱くなってねーか・・・?

 埼玉400km九十九里は稀に見るフラットコース。フラットであることにすべてをかけ、すべてを捨てた、そんなルート設計。走りきって思う。関東にこんなにも平坦で信号の無いストレートコースを作れるものなのかと。奇跡。これは日本ブルベ界に花開いたフラットコースの奇跡なのだと。いまだに深夜の土手脇2車線道路を走り続けている悪夢にうなされて跳ね起きるほどだ。



 週の半ばまで天気予報は「雨」だったのだけど、最終的には雨は前にずれこんで「にわか雨の可能性」に落ち着いた。ただし気温は最高27度~最低5度(weathernews調べ)、風速10メートル程度と嫌な感じ。念のため耐寒装備として長袖ジャージとレインジャケット(ウィンドブレーカー兼用)、それとシューズカバー。つま先だけを覆う奴を持っていきたかったのだけど、どっかにしまいこんでしまったらしく見つからなかったので、真冬のようなシューズカバーをフグバッグへしまう。荷物量的にはもう少し小ぶりのバッグでよかったのだけど、うちにはこれしかないので仕方が無い。

 スタートしてからはしばらくいつものコース。とグループで走っていた一人のライダーが落車によって怪我を負いDNF・・・。むう、残念・・・。



 そこまでは比較的悪くない感じだった風向きは、ここらで変わって向かい風に・・・。そして向かい風のまま80km地点のPC1まで。あれ?この区間、何があったか全然覚えてない。えっと・・・たぶん・・・平らだった。

 PC1からPC2まではほとんどが利根川の土手に沿った道。ここは結構な追い風で40km/hオーバーですいすい走れる。でもなんだか楽しくない・・・なんでだ?前を向いても・・・



 後ろをむいても・・・



 同じ景色のせい?そうなのかな?よくわからない。なんだか追い風の割りに空気抵抗がでかい気がするんだよね・・・。体幅から余裕ではみ出しているフグバッグのせいじゃないのかといぶかしむ。たぶん、それは小さくないと思うんだよね・・・。特に速度が上がれば上がるほど。でも去年中盤あたりはこれで乗り切ってきたんだし、自分自身が駄目になっているのかもしれない。



 利根川の河口近くの橋を渡ってPC2なのだけど、この橋が(想像してたけど)狭いのにトラックが多くって怖い。乗っていたトレインを見送って、トラックを全部先に行かせてから渡る作戦にて通過。しかしもうすこし立派な橋でもいいんじゃないかねえ。河口堰と一体だからむつかしいのかな。



 PC2から折り返しまでも・・・ごらんの通り。こんな感じか、あるいは集落の中を抜ける感じ。僕と細君は途中で列車を降りてコンビニを探すも、それさえまったく見当たらない。そして向かい風が・・・どんどんきつい・・・。



 日が落ちる段になって、風が弱まってきた。弱まってきた?風向きが変わり始めてる?いまはそれより早くPC3へ・・・。そこは折り返し地点。



 折り返し地点でグループの先行者においつく。それほど遅れずに1時間遅れスタートのポンチャンまで登場。速いねー。僕はもうだめなのに・・・。いやマジで・・・。だって、また向かい風になってるよ・・・。あたりはすぐに真っ暗。日が落ちきると変わらないタイミングで僕らもグループから脱退。細君を引いて淡々と走るが、淡々のレベルがいい具合に落ちていく。だいたい17~18km/hで巡航。信号が無いのが救いだけど、この区間、70kmも続くんだよねえ・・・。現在速度から割り出すと・・・うーん、遠いなあ・・・。それでも普段のブルベより悪くないタイムにはなっているんだけど、どうにもそんな感じがしない。なんだろう?このもぞもぞ感。



 とある集団が僕らを抜いていく。細君が「ついてけ!」というが「無理無理」と返す。しかしすぐに、たまたま信号に捕まっていた彼らにうまく合流できてしまい、金魚のフンとして走ることになった。すると不思議なことにさっきまで17km/hでくるしーくるしーと思っていたのにいまや30km/h付近で走り続けるグループにくっついていけるようになっていた。駄目だと思うから力が出ないゆったり走行になってしまっていたのか、ゆったり走行で体力が回復していたのか。いずれにしろこれは天の采配、神の遣わした船。千切れるわけには行かない。

 30kmほどを彼らにくっついて走っていたが、そこでコンビニによるということになったので、僕らは去ることになった。もうこの魂殺し(ダエモンキラー)な九十九里の道路から逃げられると思うだけで感涙。PC2として通過したコンビニがPC3。ということは次は「あの」土手脇道路なんだな・・・。そして次のPCまで80kmもあるのか。これはこのコースの見せ場なんだな、きっと。

 ちぎれた。眠くなる予兆なのか・・・というかやる気が売り切れた。しばらく脚が回らない。やがて体内のエンジンが再起動をはじめ、速度が上がりだす。今度は足首が痛い。重に右足首のくるぶしの下あたり。どうしようもない。あと左足のペダリングがスムーズでなくって、ときどきかかとが下がって踏み込んでしまう。意識していても不意に。そうしていると段々と痛みがでてきちゃうようだ。まいったな。

 全体的にだるいムードもあって80kmを一気走りする気も起きず、永遠かと思われた土手道ロードを外れたところのコンビニでいったん休憩。しかしそこは決して安息の場ではなかった。というのも、、、寒い。きりきりと寒いのですが、何か?



 最後のPCまでたどり着いたのはいいものの、なんだか敗残の兵臭がプンプン。細君はガクガク震えて話すことやることに余裕が見えないので結構眠いのだと判断。持ってきていたすべてのウェアを着せて、暖かいものを飲ませる。たしかに・・・寒い!使い捨てカイロを買ってやったりとしているうちに結構このPCで時間をとってしまった。外で眠るわけには(ほとんどの通常スペックの人間には)いかない寒さ。眠くって寒い細君をどうするか悩む。とにかく危険にさらすわけにはいかない。いつものようにサドルのうえで「こくっ」としたらそのまま吹っ飛んでしまいかねないのだ。

 出発してすぐに車道から奥まったところにコインランドリーが見えたので、車列からちぎれてそちらへ向かう。それはちょっとだけ大きめの店舗で幸いなことに板の長ベンチがあったので、そこで寝かせる。ラジオがガンガン流れていてお世辞にも快適睡眠環境ではなかったけれど、20分ほどの仮眠を取らせる。僕は幸いなことに前回の600kmに引き続き、それほど眠気が進行しなかった。

 いっそ明るくなるまで寝かせて(&寝て)しまおうかと思ったものの、交通量が増えるのもなんだな、と細君を起こして再出発。短い睡眠だったけど、彼女の脳はそれでスッキリしたらしく寒さへの震えも大分軽減されているようだ。速度もちゃんと乗ってきているし、なによりも受け答えがテキパキしてきた。人は少し眠るだけでずいぶんと変わるものだなあ。



 足首が痛い。かなり痛くって困っているが、もうゴールはすぐそこ。すぐそこだからがんばんなくて良い理論が炸裂し、どんどん速度は落ちる。あまりにひどいので細君を先行させ坂の上で待たせる感じにさえなる。そしてゴール。走っている僕らはともかく、スタッフの方々は体を動かしていないのでこの寒さはずいぶん堪えるのだろう、みな厚着だった。ブルベカードを提出し、400kmブルベ終了。それから細君に告げる「とりあえずスーパーランドナー達成おめでとう」と。

 フラットコースを・・・なめてました・・・。
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サンディエゴ カスタムバイクショー

 急に誘われてサンディエゴカスタムバイクショーへ行ってきました。まともなカメラを忘れたので、ピントがろくにあわない(使い手の問題だけど)カメラしかなくって鬱。

 サンディエゴ・カスタムバイクショーは、いわゆるフレームビルダーの展示会。アメリカはトレックやキャノンデールなんかのイメージで、マスプロバイクメーカーの国といった印象がありますが、実際には小規模フレームビルダーが多数活躍している国で、あやしげなフレームとそれを支えるあやしげなサードメーカーのパーツが乱舞しています。そんなのがビジネスとして成立するところに国力を感じます。場所はサンディエゴのダウンタウン、ゴールデンホールと呼ばれる建物の1Fホール。超でかそうな名前ですが、ホールは体育館ほどもなく、大きめな結婚式場くらいの広さ。その半分ちょっとにブースが並べられています。残りは空き地+カンファレンス用スペース。なんつうか・・・同人誌即売会ってこんな感じだよな、って雰囲気。手作り感に溢れてますが、こんなもんでいいんだよ、趣味の催しモノなんて。



 なんか先日twitterで話題になっていたラウンドテイルバイク。イタリア出身でカナダ在住の発明家とオーストラリア(?)のフレームビルダーのコラボ。説明してくれたのは元シマノというおじさんでした。



 実物は写真で見るほどヘンな形でもなく、マッシヴなイメージさえありました。この形状はサスペンションの役割をして振動吸収に役立つのだとのこと。素材はクロモリです。

 なお、このビルダーはもちろん、普通の形状のバイクも制作しています。



 竹バイクを扱うメーカーは3社が出店。アフリカへの技術供与によるアフリカでの雇用創出と現地で安価に移動手段を創出するという意図もあり、そのようなボランティア団体として活動している側面もあるようです。安価に、とはいってもそれは「安かろう悪かろう」というものでは決して無く、ちゃんとしたスポーツバイクを制作できるレベルにまでなっています。ロングライド系のイベントで竹バイクを見かけることはもはや珍しいことではありません。先日のOC600kmでもその姿を見ました。



 ひとつの竹バイクメーカーのブースにはアフリカ人男性の大きなパネル写真が。同行者によればザンビア銀行の頭取とのこと。ザンビアにはまともな舗装路がなく、ブルベを開催できないのでアメリカまで来てブルベを走ってスーパーランドナーとなり、PBPを走ったのだと。世界規模のクレイジーサイクリストがザンビアにも・・・。



 木製フレームです。たくさんありました。詳細不明。



 BOXKARSというビーチクルーザー?のブース。フレーム内のパネル?の部分のデザインはいかようにもオーダーできるとのこと。

 

 最近はやりのパイプ。大圏構造みたいなチタンパイプに内側からカーボン素材を10気圧くらいで押し付けたもの。丈夫で振動吸収が良いとか。そういやレイノルズとかそういうパイプメーカーやPARKTOOLのブースなんかもありました。ラジオデパートのブースくらいの大きさで。

 

 APPLEMANというカーボンフレームのカスタムビルダー。若いビルダーが立ち上げたばかりといったところ。個人的には一番かっこよかった。ちなみにAPPLEMANというのは彼の苗字。となりのブースでは「スチールマン」というメーカーがクロモリバイクの出展をしていました。スチールマンはそのビルダーの苗字なんだとアップルマンが楽しそうに教えてくれました。



 ほら、スチールマン(左上)。



 僕はヘンテコバイクばっかり見て歩いていますが、スチールマンがクロモリであるように、実際の出展の半分くらいはオーソドックスな鉄ツアラーでした。クラシカルなフレームにクラシカルなパーツのビルダーや、クラシカルな感じでありつつ、使われているパーツは最新だったりといろいろ。



 写真が不鮮明すぎてすみません・・・。



 先日紹介したグラビティバイク。異次元のかっこよさ。都民の森から下ってきたい。



 タンデムもいろんなビルダーが出展。ニューメキシコ州から来た彼らのタンデムはトップチューブが互い違いなのが特徴。なんの意味があるのかは忘れました。ごめんなさい。たぶん、ストーカーのサドル高さによるものだったかと。

 もっとも「メーカーらしい」ブースだったのはコモーションとサンタナという(よりによって)タンデムメーカー。我らがコモーションの写真は・・・あれ?撮り忘れてるじゃん。まあいいや。担当者に部品供給に心配があるんだけど、もしものときは送ってもらえるよね、といったら「OK、何か必要があったら言ってくれ」とのこと。でも、考えて見ればパーツはだいたい通販サイトで手に入るんだよね・・・。いい時代だ。

 サンタナの誇るパッキングシステム↓。


 4~5層の緩衝材レイヤーにきちんとパーツを並べていけば綺麗に傷の心配もなく素早いパッキングが可能とのこと。ペダルなんかの場所までちゃんと考慮されている。ケースもハードケースなのでよほどのことがなければ破損の心配はなさそう。ただ、1ケースに1台まるごと収まるのが難。1ケースのほうが便利じゃん、と思われるかも知れないけど、航空便は大きさ重さの制限があるのでおそらく重量オーバーのチャージがかかる。アメリカ国内線だとかなり高いとのこと(知人談)。つうか一般的にチャージは高い。サンタナもそれは認識しつつ、手軽であることのメリットをとったという。でも、タンデムを輸送するのは殆どの場合二人いるはずだから2ケースでも良いと思うんだよねえ。そしたら問題なくなるはずなんだけど。



 サンタナの説明を熱心に受けるぼくら。サンタナが主催しているタンデム旅行のイベントがおもしろそう。夜はフェリーで宿泊、日中をサイクリング・・・優雅だ。PBPよりそっちに行きたい。



 さらにサンタナ。タンデムMTB。ローロフの内装変速機にカーボンベルトドライブ。注油の必要はもはや過去のもの・・・。でも超重いよね、このバイク。ほら、サンタナもあのパイプを多用しています。



 カーボンバイクビルダーのカルフィーが展示していたタンデム。重量わずかに10kg。僕のタンデムの半分以下。タイミングチェーン(ベルト)と駆動系が同じ側にある配置は現代のスポーツタンデムでは珍しいと思いますが、そんなの気にするのは日本に何人いるのか・・・。



 片手の指で挟んで持ち上げられちゃうお・・・。



 2008年のLA200kmで逆風にへこたれる僕を励まして引いてくれた故トム氏のセラアナトミカも出展。去年夏に訃報があってから、会社の継続はどうなるんだろうと皆が心配していたのですがトム氏のお姉さんが会社を継いだとのこと。名刺に「ファミリービジネス」と書いてあるくらいの小さなメーカー。このお姉さん(可愛いおばあちゃんですが)は元看護師で自転車のことはまったくわからないとのこと。でも一生懸命に営業の説明をしていました。なお、会社の今後に関しては「あなたがおじいさんになるまでちゃんと供給を続けるから安心なさい」とのこと。工業製品としてはアタリハズレがちょっとあるように思いますが、それでも無くなったら非常に困るのでがんばって続けてください・・・。

 何気にセラアナトミカの人に会えたのが一番の収穫でした。

 

PCHR OC600km そのさん

 コース最高地点、だいたい海抜670メートルのあたりで陽が沈むのを見る。切り通しとなった峠を越えて下っていくと、だんだんとあたりは暗くなっていく。全体的に路面がよくないのだけど、暗くなるとそれを避けることも出来ない。後席側からは路面の様子がまるで見えないので前席に座る僕が警告しなければならないのだけど、それも難しくなってくる。街灯は街中でなければ無いに等しい。街中の街灯はどれも暖色で異国情緒を感じるが明るくはない。それもすぐに慣れるが。

 新調したGPS、GARMIN GPSMap62sはフリーズが多い気がする。300kmブルベでは感じ無かったけど、今回は操作をしていてふと気づくと画面停止している。ルート再検索でハングアップするのならわかるのだけど、そういうわけでもないので意味が分からない。うーん、これは60Jに戻すしか無いのかな。あれ、メモリ容量が少ない上にSDカードスロットもないんだよな・・・。

 いくつめか数えるのもめんどくさくなったPCで食事。サブウェイのようなサンドイッチ屋さん。気温が少し下がってきているので長袖ジャージに袖を通す。ここからは基本的には下り基調のはずだ。もう少し先からサンタアナリバートレイルというサイクリングロードに入る。クルマも信号もなくって走りやすいと考えるか、真っ暗でめんどくさいと思うか。もっとも、クルマの量は時間的にかなり減ってくるころだ。

 サンタアナリバートレイルに入る頃からマシュー君のペースが落ち始める。これは・・・眠いんだな。僕は不思議と眠くはないが、なんだかくたびれた。あと100kmほどでモーテルなのだけど、ここでのペースダウンはきついなあ・・・。強力な前方灯火でそれなりの速度を保ちながら走るが・・・それなりの基準がどうしても下がる。この道、途中で砂丘ごえがあったなあ、と思っていると急にタイヤをとられたので降車して数百メートルを押し歩き。もううんざりだ・・・。遠くの空がオレンジ色に照り返されている。ロサンゼルスだろう。マシュー君のペースがでない。僕も小さなアップダウンの繰り返しでかなりキテイル。どうしようもないので、サンタアナリバートレイルが一旦途切れたところにあるPCでマクドナルドに入り休憩。マシュー君と細君に仮眠を取らせる。僕は残念んがら寝付けないのでボトルの水を準備しておいたりして待つ。結局、このマクドナルドに45分ほど。閉店時刻(12時まで。ファストフードとしては結構遅くまでやっている方だ)だから、と二人を起こし再び夜の道へ繰り出す。なんとか睡眠時間を確保したいけど・・・。

 パンク。まっ暗いトレイルの脇によせてタイヤのチェック。何度かタイヤの内側を撫でていると、ほんの小さな金属片が刺さっているのに気づく。おそらく、夕方のパンクの時に取り除いた異物の残りがあったのだろう・・・。なんとか直して走り直すと、無灯火のルックMTBに乗った少年たちとすれ違う。こんな時間にこんな場所をどこへ行くというのか・・・。

 アナハイムからコスタメサ、そしてタスティンへと進んでいく。このあたりは生活圏だったこともあり戻ってきた感がある(地名もすらすらとでてくる)。同時に「どのくらい遠いか」も分かりやすくて心が寒い。オーバーナイトPCまでずっと登りってこともわかっちゃうし。さて、街中を登り続けてサンティアゴキャニオンロードへ入る。真っ暗な山間の谷にある道。確実に一本道なのになぜだかインフォPCが設けられていてむかつく。しかもコースから300メートルほど離れたところにある標識(ここの質問は標識についてのものであった)をこの真っ暗闇の中探さねばならない。このインフォコントロールは時に非常に腹立たしく、以前は6人で真っ暗闇の中探し回ったけど見つからなかったこともあった(このときは柵にぶら下げてあるノートにサインしろというものだったはず)。その時はコヨーテに食われた、という結論に達して通過した。

 サンティアゴキャニオンを走っていると、数回、後席側がぐらりとゆれる。それで目がさめるようだけど落車しないかとハラハラする。ウトウトとしているようだが、ここは踏ん張ってもらわないと困る。少しでも休む時間を稼がないと・・・。とはいえ、1時間眠れるかどうかだろう。よくよくルートを見直し、オーバーナイトPC>モーテルの順番で走るつもりをモーテル>オーバーナイトPCとすることにする。このほうがすこし多く休める。ただ気を付けない(寝過ごすと)とタイムオーバーで終わりだ。


※385km地点。僕の影に見える人は既にゴールしている・・・。

 モーテルは前泊後泊もする場所なので、物資も充実。部屋に入るとマシュー君にベッドを割り当て(彼はすぐ寝た)、細君と僕は順番に風呂に。待っている間にパンやカロリーメイトを突っ込む。風呂からあがるとウェアを着、補給物資を積みこんですぐ寝た。寝たといっても・・・30分ほどだろうか。45分は眠りたかった。90分眠れればかなり良いのだけど。さて、リポビタンDを飲んでさらに2本をトランクにつみこんで5時半すぎにモーテルを発ち、数キロ先のオーバーナイトPCである主催者の家へ。床にいくつかの寝袋がしかれ寝ている人たちがいたようだ。リビングではスタッフの人達が食事やなんかを用意してくれている。僕らは2枚目のキューシートとブルベシートをもらい「誰かゴールした人いるの」と聞くと、テーブルに座っている若そうなサイクリストがフィニッシュしたのだという。24時間台か・・・。つうかこれからまだ200km以上あるのに僕らは・・・。


※典型的ブルベ自転車

 マシュー君を追い立てて外へ出ると、すでに空は白んでいた。ここからは標高差にして300メートルほどの下りだけど、つまりそれは最後にそれだけの登りがあるということだ。しかも街中だから行きはまだしも帰りは交通量と信号にも苦しめられるだろう。220kmほどを14時間以上残っているから普通に考えればゴールに心配はないけど、ちょっと普通じゃないしな。不安な気持ちでニューポートビーチへ下っていく。次のPCはそこだ。

 ニューポートビーチまでの下りで多少の時間を稼いだ。2時間は欲しいけど、1時間以上は稼げた。胸焼けしているのでカロリー高めのドリンクで済ます。それからハンティントンビーチ方面へ走ってこんどは河口側からサンタアナリバートレイルへ。今日はコース全長の3割ほど、70kmほどがサイクリングロードのはず。コンクリで川底まで完全護岸された川を眺めながら走ることほど退屈なことはそうはないだろう。そのせいか、だいぶ速度がでない。上流へ向かうとは言え無視できるほどの平坦のはずなのに、20km/hキープに苦労する感じ。いくらなんでも・・・この体たらくでは・・・ダメなんじゃないか・・・。


※「おれ30分しか寝てないだよねー。超ヤバイよねー。30分しか寝てないんだー」

 ヘロヘロになりながら昨晩サイクリングロードを外れたところまでさかのぼって、昨晩とは逆方向に向かう。すぐにみつけたスターバックスでトレイ休憩を宣言してしばらく休憩し、走りだすと、パンクに気づく。3回目か・・・。というか、どうやらこのせいっぽいな、速度が出なかったのは・・・。デカイだけに緩やかに空気が抜けてたりすると気づきにくい。目視もできないし。総身に知恵が回りかねという感じだ。タイヤに異常は見当たらないので、パッチを貼ったチューブのせいかと、マシュー君にチューブを分けてもらう。28cまで対応のチューブで助かった。後ろから追い上げてきたサイクリストに「こっから先は山、町、山、町、の繰り返しだ。けど、上昇量自体は昨日より緩くなってるから安心しろ」と言われる。確かに昨日に比べれば楽なはずだけど。

 ずっと郊外の新興住宅地が続く。山と言っても同様。郊外の丘陵地帯を開発した住宅地帯がひたすら続く。そこに無駄なくまっすぐぶち抜いた幹線道路を走っていくので・・・非常にキツイ。頭の中では意外とタイムに余裕がある計算なので、キツイ部分は手を抜いてゆったりと行く。実は少々会陰部が痛い。汗のせいでケツ毛がこすった部分が傷んでいるようだ。そのせいで立ちこぎすると座るときにヤバい痛みが走る。そんなこんなで丘陵住宅地帯半ばにあるPCへ。大きなショッピングモールなのだけど、あまり開いている店がない。住民も多そうだし交通も多いのに、休日にこの人手じゃまずいんじゃないか・・・と思いつつオーガニックスーパーで飯を買って食う。


この日一番景色のいい場所。ただの裏山みたいなとこ。

 それからも同じような丘超えを繰り返す。頭の中ではこの時点で2時間くらいの余裕があるはず。”頭の中では”そうだったのに次のPCで「タイムアウトまで残り10分切っていた」ということに気づく。というか5分くらいしかないじゃん!このままじゃ最後の登りで確実にタイムアウトする・・・。ブルベオワタの声が頭の中に響きだす。でも、最後の30km以外は基本的にはフラット。ここまできて、タイムアウトはできねーだろ、シートクランプを用意して閉店後まで待ってくれていたバイクショップの店長にも面目たたねえ。

 ペダルをぐいと踏んで、必死に加速し次のPCは・・・2km先?なんだそれ・・・。マジカヨ。インフォコントロールでした。まあいいや、気をとりなおして、嫌なことは気づいていても見ないふりをして堤防にあがると・・・。びゅうびゅうという風が。見ないふりしてたのに・・・。そう、ここからは海にむかって走るので確実にずっと向かい風。かの有名なサンタアナウィンド。そして遮るもののないサイクリングロード・・・50km。さて、できるかな?

 出来るかどうかは問題ではなく、やらねばならぬ。後席にケイデンスが95-85に来るように読み上げることを伝えて下ハンを握って走りだす。どこまでもつまらないサンタガルシアリバートレイル。コンクリ護岸が初期のポリゴンカーレースのような感じさえさせる。それでもノンストップで行けるのは幸い・・・と思いきや妙な分岐(馬の糞が落ちてた。たっぷり)や、水没した地下通路(いくつもあった)の迂回などのせいで意外と手間取る。水没ってなんだよ、まったく。マシュー君が「そんなに気張ってると足つるよ、故障するよ」「落ち着いて!無理しないで」と言ってくれるけど、風がひゅるひゅるいってるのをいいことに聞こえないふりでガン無視。かなり感じが悪いのはわかってるけど、どうしようもない。マシュー、君が思っているより僕らは登りの速度が出ないんだよ・・・。だからここで稼がないと。

 河口に近づけば近づくほどに風が強まる。細君がもう少しでパシフィックコーストハイウェイだと言うが、そんなことはいちいち考えず黙って回せと返す。道に鴨が並んで座っていたり、川を漂う流木に鴨が乗っていたりと微笑ましいシーンもあるがシカト。しかし・・・どうでもいいんだけど、乗馬している人がやたら多いんですが・・・。余裕があればおもしろいなーって思えるけど、こういう時にはちょっと困る。なにしろウマに対しては自転車も歩行者も譲らねばならないのです。

 そして河口。河口のカフェの営業時間がここのCPでのクイズ。もう自転車を降りもせずに通過。マシュー君が「おいおいCPだぜ!」と言うので「クイズの答えはめもった!」と叫んでそのまま行く。続いてパシフィックコーストハイウェイ(PCH)を20kmほど。向かい風では無くなったけど、ハンティントンビーチとニューポートビーチでの交通量が厄介。途中一回トイレへ寄って、走りきり・・・最後のPC到着が午後6時前。20km以内でPCってのもどうなのよ。まあいいや。ゴールまで30km、残り時間3時間。間に合う・・・よね?



 このPCには数人が屯っていたのだけど、だいたい同じくらいにスタート。みんなで走る・・・が、登りになると置いてかれる。そして街中に入りやがて一台に。残り15kmほど。最後の最後で長いのぼり坂がある。細君も、ようやくそれを思い出したようでタイムリミットへの緊張感が高まる・・・。またかよ、って感じだ。これでタンデムでPBPなんて行けるのかね・・・。その長い登りにさしかかるところで、マシュー君がわざわざもどってきてくれた。どうも僕らが脱落したことに気づかなかったらしい。あんまりにも遅いんでパンクしたのかと戻ってきたそうだ。


※「ピース」

 最後の最後でさらに斜度が急になるところをひいころえいこら登ってゴールへ。ゴール時間は39時間15分。BigSur 600kmとさほど変わらない・・・。むしろあのときよりケツも相当痛いし筋肉痛もひどい。これで1200kmなんか時間内に完走できるのかね・・・。さとう どうなちゃうんだろう。ほんとにしんぱいになてきた。

重力バイク

 サンディエゴ・カスタムバイクショーで見かけたこの一台。



 現地でなんだろうという話になったのですが、これのビルダーらしき人たちは話し込んでいるので声をかけられず同行者と「下り専用車かなー」とかいう話をしていました。というのも、ドライブトレーンがないんですね、これ。クランクらしきものが見えますが、固定されています。登場姿勢はトロン(レガシー)のライトサイクルみたいな感じになるようです。



 これなんだろう?と思ってビルダーのwebを見てみるとgravity bikeというそうです。「重力バイク」。どうやら本当にダウンヒルマシンのよう・・・。日本のビルダーが時々冗談で作っているような架空の競技を題材としたものなのかなあ・・・と思っていたら・・・。



 どうやらGravity bikeなる競技があるみたい。BMXから発展?してきたような感じ。アメリカ、オーストラリア、コロンビアなんかでやってるみたいです。



 ショーにでてたやつ。60mph/hだそうで。えーと96km/hくらいですかね。100km/hくらいは出るみたいです。で、レースをする、と・・・。



 このあたりは健全な競技化してますね。いや、健全かどうかよくわからん。エクストリームスポーツに常識は通じないからな。こんなものをちゃんと競技として纏め上げていこうというところがあっちの人たちはすげえと思いますよ、ほんとに。日本のドリフトもあっちだとうまく競技化が進んでいるし。日本のモータースポーツがオワコンというのもあるけど。って話がそれた。

 


 すごい勢いで不健全なにおいがします。駄目すぎる・・・。どこだこれ、って思ったらコロンビア。命の値段が僕らの世界と違いすぎます。命の値段と命の価値は違うのだとなんとなく感じました。

 いずれにしろファッションピストはもうオワコン。これからは街乗りグラビティバイク。
 

PCHR OC600km そのに



 出走時間は午前5時。モーテルから自走でスタート地点のショッピングモールへ。自走っていっても2kmくらいだけどね。出走のサインをするとブルベカードとキューシートをもらえた。キューシートを配ってるのは珍しいような。そうでもなかったかな。ブルベカードはPC10までしか無い。PC17まであるのに?と思っているとどうやらPC10で2枚目が配布されるとのこと。ブルベカード二枚組か。初めて見た・・・。

 先の見えない600kmだけあって、ブリーフィングで語られることも謎。

 ・15%~20%の坂が連続して楽しい。がんばれ。
 ・非舗装路がコースに含まれてる。いちおう迂回路もキューシートに書いといた。
 ・今日、コース上でトライアスロン大会もやってる。道路封鎖されてるかもしれないけど、なんとか解決しろ。

 聞き取れたのはそのくらい。だけど、えーと、みっつめなんですが、それってOceansideのトライアスロン大会ですよね・・・。それ、封鎖されてたらどうにもならない場所ですよね・・・。おれ、知ってるよ・・・そこ。

 さらに、昨晩気づいたのだけどPC1までって25kmしかなくって、いきなり登坂だよね・・・。大丈夫なのか・・・。とか逡巡している余裕もなく流れスタート。いきなり登り。まだ脚に余裕があるのでなんとかかんとかクリア。PC1近くには主催者のクルマが止まっていてサインでチェックになっていた。そこからは下りなんだけど、微妙な場所(街中の公園の街路とか)を通るので速度はあがらず。PC2はインフォコントロール。ガソリンスタンドのレギュラーガソリンの値段を記せ、と。トップチューブに貼りつけておいたメモ紙に答えを記してすぐに発車。ここからは海岸線を南下・・・アップダウンをしばらく繰り返してヨットハーバーで有名ダナポイント、サーファーの聖地サンクレメンテと通過・・・。とここまでは想定内。サンクレメンテを走っていると反対車線を折り返してくるライダーたちが「通行止めだ!」と叫ぶ。やっぱ通れないのか!フリーウェイを挟んで反対側へ周り、そこからトライしてみるけど、やっぱり向こうから「だめだめ!」って折り返してくるライダーたち。なんだよそれ・・・どうすりゃいいんだよ・・・。



 いつの間にかオーシャンサイドへ到着。コンビニで飯を食う。ここまででだいたい100kmかな。途中で「全然スピードがでてねえ・・・。平均速がやべえ」と思っていたらノット表示になっていた。設定変更したら、まあ大丈夫っぽい。この時点で平均20km/h切ってたらどうにもならないところだった・・・。

 さて、気をとりなおして内陸へ。10kmほどサイクリングロードを走って車道へ。後席の細君が「上り坂を楽しんでってキューシートに書いてある」と伝えてくる。そしてSleeping Indeanという道へ入るといよいよ上り坂だ。長くても数キロくらいだけど・・・15%以上の坂道が延々と繰り返される・・・。最大24%だとか・・・。押し歩く人達もいるがなんとか(ジグザグ機動を駆使して)すべて登り切った。むしろ押し歩いたほうが脚の負担は残らないだろうとは思うのだけど、ひたすら意地で。



 途中に一回市街地を経て繰り返されるアップダウンをようやく終えて、向かい風の中を北上していると、だんだんと風向きがかわってきて・・・追い風キターッ!時速40kmオーバーキープモード!ようやく楽しくなってきた(最終的に全体で唯一楽しかったような)!ひたすら直線のフラットロードをぶっ飛ばしモード。いつのまにかマシュー君もブッチギリ。でも止まらないやめられない・・・あれ?道が・・・ここからが非舗装路か数キロ続くみたいだな。で、迂回路があったはず・・・。えーと、20kmほど遠回りですか・・・無理だろ・・・。



 しかたないのでキャタピラでえぐられたガタガタの非舗装路へ突っ込む。対向車がものすごい砂煙を巻き上げながらすれ違う。ひどい・・・。ひどいよ・・・。ゲホゲホ・・・。一旦非舗装路を終えて少し舗装路が過ぎた先に・・・ナニアレ。



ナニアレ・・・ナニアレ!



 しばし呆然。けっこう水深ありそうなんだけど・・・。しかもすっごく汚い泥水だよ・・・。でも、行くしか無いのね・・・と踏み出そうとしたら遥か後ろからマシュー君が「やめろ!行くな!」と叫ぶ。もどって行くとどうやら直前の降雨があった影響でコースが変更されたらしい。普段は涸れ川なのね。ちょっと丘を越えて遠回りになるけど、なんとかクリア。超あせった。

 ふたたび追い風の中を調子よく走っていると、後輪パンク。はしに寄せてパンク修理。飛行機輪行したのでCO2ボンベを持っていなかったのだけど、今回から投入の大型フレームポンプが活躍。でっかいクリップがぶっ刺さってた・・・。問題はチューブが一本しかないということ。慢心、という言葉が頭をよぎる。パッチは持っていたのでマシュー君がパンクしたチューブに貼ってくれた。



 やがてインランド・エンパイア郡の平地とリバーサイド郡との境へ。平地の中につきだした山を登って行くと、その先には巨大な人造湖を中心にした緑の平原が広がっていた。たとえこれがダムによって作られた人為的な景色だとしても、素晴らしい光景だ。草原の中をよく整備された遊歩道をたどってのんびり走る。あと陽が落ちるまで1時間半くらいか。もうひと山越えるまで太陽の光は僕らを照らしているだろうか。

つづく
 

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