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【落武者魂】 2010年07月25日
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落武者魂

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2010年07月25日

年間距離。

Facebookのfriendに定期的に走行距離のレポートを上げる人がいるんだけど

Current mileage for 2010 = 10,338 bike, 386 run and 2.25 swim.

いったい何をして暮らしている人なんだろう・・・。たぶんリタイアした人だとは思うんだけど・・・。
そしてこの先には何があるのだろう?

知れば知るほど不思議なものがでてきてワクワクするなあ。
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北海道1200km 「男たちは南へ」-2



 デビッドさんとmarkと一緒にPC3を出て稚内の街へ入る。知ってはいたが稚内の道路標識にはキリル文字の表示がある。そう、ここは国境の街なのだ。その他にもマクドナルドや見慣れたチェーン店など、久しぶりに見る文明の光景。ここはかつて資本主義陣営がソビエトロシアに突きつけたナイフの切っ先だった・・・のかどうかはよくわからないが、ダワイダワイと心に鞭打って先へ進む。走行距離は、既に400km近くなっている。それほど辛くないのはほとんどが平坦だったからだろう。そして風向きも良かった。それでも疲労というのはしっかり蓄積しているもので---それが稚内を過ぎて吹き出てきた・・・。風向きが変わってきていた。それも当たり前で南西から吹き上げる風に押されて稚内にたどりついたのだけど、この先には「北」はない。やや斜めにずれる感じで宗谷岬があり、それが「日本最北端」。そこまで行ってしまえばもう僕らを押してくれた風はなくなってしまうわけだ。





 しばし向かい風の中を切り裂いてくれるデビッドさんの背中を頼りに走り、宗谷岬へ。そしてここからはもう味方はいない。



 猿払という小さな街でPC4を迎える。ここで僕はデビッドさんに別れを告げ、先に行ってもらうことに。デローザ・ネオプリマート”鉄血長征号”のフロントバッグの中から「ブルベパック」と名付けているブルベカードや財布などが入った防水ビニール袋を取り出し、自作の行程予定表を眺める。本来の予定より5時間近く前倒しでここまできている。かなり上出来。猿払から少し先に主催者が用意した仮眠所があるはず。そこがおそらく450km地点だろうか。この分だと午後3時半前後には到着してしまいそうだ。実は500km地点にある枝幸という町に宿が取ってあった。そこへ到着する予定時間は午後10時なのだけど、前倒しは前提にしていたことは確かだけど、ここまで早くつくと少々もったいない。出来る限り日が出ている間は走りたいものだけど。



 猿払の仮眠所まで、向かい風の中を単独で走り続けることになるのだけど、やっぱり3時半頃にはたどり着いた。そこで美味いスープカレーを頂きながらここまでの展開と今後の予定を調整・・・。





 北海道1200kmを準備するにあたって、当然過去の事例を参考にすることになる。僕の場合の参考とは2009年のサンディエゴ1000kmブルベとゴールドラッシュランドナーズ(GRR)1200。前者のサンディエゴ1000kmはいろいろな意味で僕の中で最もきつかったブルベ。GRRも厳しかった(特に内臓的に)けど、いろんな人達に助けられ励まされて走ったという思いの方が大きい。その両者を走ってわかったのは「着替があると捗るよ」ということ。毎日シャワーを浴びて着替えられればずいぶんと気持ちの持ちようが違ってくる。そしてできればしっかりと睡眠が取れる場所を確保したほうがいいということも学んだ。だからこの北海道1200kmもホテルをとって荷物を送り込んでおく作戦とした。

 北海道1200kmのコースを見ると、アップダウンはあまり心配しなくてよさそう。ただ北海道の気候は思っていたより雨が降るようなので心配としたらそこか。去年は暴風雨だったようだけど、2年連続は無いと思おう。ただまあ、レインウェアはどうするかだなあ・・・。



 ということで今回はキャラダイスのバッグ(通称・フグバッグ)を使うことにした。今年に入ってからのブルベで背中に背負う方法とフグバッグの両方を荷物の運搬方法として試していたのだけど、おそらくは背中に背負うほうが楽。でも、積載量やジャージへの負担などを考えるとフグバッグもいいかなと。去年の1000km超級で背負ったから、今回はバッグでいくのもいい経験になるだろうというのもあった。



 フグバッグに詰めていったのはこんな感じ・・・。

 レインジャケット
 レインパンツ
 ウィンドブレーカー
 ネックウォーマー
 スペアタイア
 チェーンロック
 薬各種
 シャモアクリーム
 ハサミ
 キネシオテープ
 チェーンオイル
 ウェス
 予備チェーンコマ
 予備電池各種
 などなど・・・。

 フロントバッグには予備食料などを。フグバッグに積んでいる分、いつもより軽い。それらをふくんで自転車の総重量は約16kg。思ったより悪くない。他に荷物といえば2箇所の宿に送る着替え等。これはジャージ一式と、すでにカットしてあるキネシオテープ、カロリーメイト(朝食用)、シャモアクリームなどがつめ込んである。これを宿で受け取り、チェックアウト時に汚れ物をいれて送り返すという寸法だ。

 他の準備としては行程表の作成。どこでどれだけの休憩・睡眠を取るべきかどうか考えるために自分の走力と地形、経過距離からだいたいのPC到着予定時間を弾きだす。GRRの時に作った表が残っていたので、初めはそれをベースに考えて、コースを見てから前倒しするように観直した。結果として計画としては全体として5時間程度の睡眠をふくんで日曜日の午後11時着。つまり77時間くらいでのゴールという見通し。ちなみにGGRのときは同程度の睡眠時間で83時間ちょっとかかっていた。この行程表に「You never know how strong you are until being strong is the only choice you have.」という檄文を入れて印刷。
 
 それが猿払の仮眠所で眺めていた予定行程表というわけ。







 猿払の仮眠所を出てやっぱり向かい風を一人旅。風力発電機がぶんぶん回ってる。オホーツク海に面した障害物も何もない平原の道で風がここまで快調だった僕のブルベを遮る。途中に小さな町を通り、そこだけは建物によって風が和らぐこともあったが誤差みたいなもの。水平線まで見通せるような直線道路での向かい風は精神的にはかなり重く辛い。

「水平線」と書いたのは地平線側には神威岬なるでっぱりがあってそこが衝立のように山をつないでいるから。それが遥か遠く、空気に霞んで見えるのがさらに心を重いものにしている。あのちっとも大きくならない山塊を越えないと少なくとも宿にはつかないのだ・・・。うんざりするな・・・。



 景色がちっとも変わらんとか単調とかめんどくさいとか思っていても、少しづつ地表のこのちっぽけなサイクリストは進んでいて、遥か遠くでうなっていた風力発電所をゆっくりと行き過ぎ、神威岬は少しづつ大きくなっていく。そして1時間以上前から眺め続けていた神威岬にトンネルをみつけ、それを登り抜けると・・・まだ枝幸は近くは無かった。

 枝幸のホテルニュー幸林にたどり着いたのは予定より4時間ほど前倒しになったころ。まだ明るいうちなのでもったいないという気持ちもあるが、夜になって風が凪ぐのを待つというのもひとつの作戦ではないだろうか。チェックインを済ませ、荷物を部屋に運びこんでからレストランでいくら丼を食う。うまい。まあ、いまくえば何でも美味いだろう。飯を食い終わり、フロントを抜けてエレベータへ向かおうとすると見慣れたジャージの人が・・・z氏だ。



「な・・・なにしてんの?」と聞くと
「もう無理だから部屋で寝ようかと」とのこと。
「予約したの?」
「してないからこれから聞いてみる。ところで何時に出ますか?」
「1時くらいの予定です」と答えると
「2時にしましょうよう」と言う。
 それじゃあ明日2時に一緒にでましょうということに。脚力的には圧倒的な差があるけど、もう1700km走ってきている人だ、ある程度一緒に走ってもらえれば夜間走行の辛さも紛れるかなあと。でも、その後部屋に戻ったところでこのホテルは満室であったという連絡があり、残念だけど離れ離れになるのであった・・・。しかたないのでシャワーを浴びてぐっすり眠ることにしよう・・・。

 まったりと続く