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【落武者魂】 2010年05月
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落武者魂

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戦後処理と戦訓解析

 最近は風呂にゆったりつかるようにジップロック入りiPhone(ただし電話回線につながりません)などを使うなどの努力をしているのだけど、先の転倒によって腰がはれているのでここ数日はシャワーのみ。太ももにも青あざや内出血、切り傷、肘もまだ曲げ伸ばしがイタイ。思えば初めてのまともな落車なので何もかもが物珍しい。まあ、落車の理由が「白線かと思ったら、段差だった」という哀しいものなので、同情の余地が無いのは残念・・・。

 損傷したアイドルも戻ってきた。フロントホイールの振れとエンドの歪みを修正してもらい、他はとりあえず問題無さそう。ハンドルも外見上は大丈夫。カーボンのパイプ内部に問題があったとしても見えないからどうしようもない。どうしようもないものは気にしてもしかたがない。

 糸魚川の最後の下り、13Tでは40km/hいくかいかないかで脚が止まってしまう。13-26の26は欲しいんだけどなあ。でもこのコースなら11-25とかでもいいんじゃないかな。いいんじゃないかな・・・とwiggleを見ているとボラワンが「呪われた」金シャマを購入した価格よりはるかに安いでは無いか。うーむ・・・。細君に「欲しいものがあるんです」というと「ライトウェイト?」と聞かれたので「違います。金のホイールより安いのです」と答えると「つまりあの金のホイールは高いものなのね」とヤブヘビ・・・。ボラツーやライトウェイトは恐れ多いけど、ボラワンは友達なような気がするんだよね・・・。なんだか、親しみやすい・・・。
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糸魚川の真実

それは夜の糸魚川。焼肉のさかい。注文はまず「ここにあるもの全部持ってきて」届く届く肉肉肉。食う喰う喰う。肉肉肉。食う喰う喰う。野菜もご飯も無い。ただ肉と酒があるだけ。もぐもぐ。牛から牛から鳥からカルビからホルモンまで全部食べきるその刹那「もう一周」の声が!ここでッ!アウターに入れるのかッ!突き放す!後続を・・・。届く肉。それをすべて流れ作業のように網に並べ食い続ける。もはやそれは「処理」。処理速度が落ちると檄が飛ぶ。そしてまた食う。ラストオーダーの声がかかった。「デザート全部」なんと!ここで!トップへ!そしてモガキが、モガキが入る!食う喰う喰う・・・。

糸魚川の夜。

糸魚川。 2010年度版

 今回は「ファストラン」ということを念頭におき、まじめに走ったつもり。なのでレポートも真面目に書きます。なにしろ、今回はカメラも持っていっていません。そんなことをしている余裕はないのです。超マジメ。その真面目レベルから走りの真面目レベルも皆さんに伝わるんじゃないかな、とそう信じて。

 シャモアクリームをテーブルの端っこにおいてきてしまったことに気づいたのは金曜夜の中央線の中。ああ、端っこにおいておいたなあ、あれ無意識にバッグに入れてなかったかなあと思うものの、そんな都合のいいことあるもんか。電車の中でがさがさやってもなかったので、SOSをmixiに打ち込み、あるいはドラッグストア(まだ開いてるんじゃないかな)でなんか保湿クリームでも買っておけばいいかと結論づける。といったところで高尾駅へ到着。自慢じゃないが、高校時代は毎日通っていたのはこの駅。ちょっとは詳しいのだ。まあ、何も無い駅だけどね。

 高尾駅南口の階段を降りていると輪行袋をいままさに開いているサイクリストを発見。糸魚川ですか?と聞くと「糸魚川です」とのこと。「シャモアクリームはお持ちですか?」と尋ねると「あります」とのこと。「分けてください」「OKですよ」なんていい人だ・・・。聞くところによれば、この方はチャリレンジャーに所属のnさんとのこと。僕も素性を明かせばフグレンジャー。戦隊レンジャー同士、何か通じ合うものがあったに違いないのだ・・・。

 さて、そんなこんなで時間も遅くなってしまったが、高尾でのびきった腰のないパスタを食って健康ランドへ移動し仮眠。なんだかまったく寝た気がしなかったけど、1時間くらい時間の進みがおかしかった気がするのでそこを「寝た時間」とみなし、起床。ストレッチにテーピング、足首に消炎ジェルを塗り込みウェアを着て外へ出ると・・・肌寒い・・・。まあ、そうだよね・・・深夜だものね。でも今回は天気予報を信じすぎて長袖アンダーに半袖ジャージ、レーパンだけしか持ってきていない。ウィンドブレーカさえ無し!ぐだぐだ言っていても(相手もいないし)仕方が無いので出発。スタート地点の高尾山口へ。

 なぜか見送りにきているたけさんと話したりした後、3:15分の組でスタート。走り出せば暖かくなるだろうと思っていたら暖かくなった。あまり気合入れ無い程度に?と大垂水を乗り越え、まだ暗い山梨県を走る。このあたりの甲州街道は道が細い上にくねくねし、歩道も殆どないような場所なのに古くからの集落が道幅ギリギリまで軒先を連ねている。そして悪いことに、この道は日本でも有数の幹線道路のためにトラックの行き来が絶えることも無い。タイトなコーナーだと、対向車線へ大幅にはみ出してものすごい速度で走り去っていくトラックなんかがいてちょっとした恐怖。あっちは死なないのに、こっちは死ねると言うのはいつ見てもアンフェアだ。

 猿橋を過ぎ大月を過ぎ、すっかり明るくなった山梨さんおはようございます。第一チェックポイントの笹子でおにぎりとおいなりさんをGET。そのまま笹子トンネルへ。まだ時間も早いのでクルマの往来もないまま甲府へ。ここでは信号運の無さに苦しめられるものの、釜無川を経て第二チェックポイント。ここらへんのチェックポイント間は短いのであっという間。道中のノボリを見ると向かい風なんだけど、さほどの脅威を感じない。まさか・・・ウーゴロードが開かれた!?

 このペースなら目標である14時間切りも達成しそうだなあ、とコンビニのトイレを借り、意気揚々と駐車場辛でようとしてウーゴパワーがオーバーロード。自転車ごと宙に舞い、アスファルトに叩きつけられた。訳が分からないが、C3fitのアンダーの肘がぱっくり破れ、血が・・・血が・・・。レーパンにも穴が・・・。なんで俺こんなところで流血してるのよ?自転車を起こし、しばし呆然。タイヤの空気圧高めにしておいてよかったなあ、とかつまんないことを考える。とりあえずまたがり、漕ぎ始めると自分の動きがおかしければハンドルもおかしい。と・・・とりあえず次のCPまでと思うも、まだ前のCPから500mくらいしか進んでいないし・・・。落ち着け、ここは一旦リセットだろ、と自転車を脇道に入れてハンドルの角度直し。なんとか乗れそうだ。ハンドルその他をぐいぐいと押してみて、異常を確認。カーボンだからやばいときはバキッといっちゃうだろうけど、とりあえずはOK・・・だろう。信じるしか無い。

 心は落ち着いてきたけど、あちこちに打撲と擦り傷。でも自爆だものなあ・・・。見方を変えれば、これによってアドレナリンがドバドバ供給されて他の部分の痛みも薄れるし戦闘能力もあがるかもしれない。なんという新しい理論だ。まさしく合法ドーピング。肉を切らせて骨を断つのだ。

 富士見峠へむけてはダラダラ登り、くだりもダラダラ登る。二人組の参加者が見渡す限りの信号無視を繰り広げてくれて、その迷いの無さに「いつもやってんだろうな・・・」と心がささくれ立つ。けど諏訪大社にそういう気持ちは預けて諏訪湖岸。ここはちょっと追い風、諏訪市街は向かい風。一番厳しかったセクション。塩尻峠をようやく越えて第三チェックポイントの塩尻道の駅。これで170kmほど来たっぽい。残り120kmだ。完全に単独で走行しているのに、望外のタイム。このままいけば・・・12時間台は夢ではない。

 松持市街からは二人組になった。ここから白馬のチェックポイントは75kmとやや遠い上に、極めて単調な場面。彼と一緒にうまく走れればいいなと思ったが、ほぼ理想的な展開になった。後半になると体調が悪いようで(けっこう咳き込んでいた)だんだんと遅れがちになっているようだったけど、木崎湖の手前までは二人で。木崎湖・青木湖のあたりはこの糸魚川ファストランでもっとも美しい景色を楽しめるところ。道幅も広く、アップダウンもゆるやかに適度な感じで走っていて楽しい。青木湖を過ぎて下りに入ると冬の豪雪のせいか路面があれ、人家が多いところでは融雪機の穴でガンガンとハンドルを叩かれて嫌になってくる。そんな嫌になるピークのあたりで白馬、最終チェックポイント。

 だいたいここで午後1時過ぎ。おやおや、12時間を切るのも夢ではなさげ。スタッフに残り距離を聞くと60kmほどとのこと。あれれ?60kmも行くと海の上じゃね?うーん、GPSは45km弱を示している。でも、スタッフの言うことだしなあとダラダラしていたが、15分以上の休憩は避けてスタート。ここからは45km(たぶん)で700mほどを下りきるダウンヒルセクション。やたらめったらあるトンネルセクションとその合間の悪路セクションが気分を萎えさせる怖さだけど・・・うーんひたすら怖い。トラックもものすごい勢いでダウンヒルしてくるしなあ・・・。

 今年は工事が多いせいかトラックの脅威は余り感じること無くトンネルセクションを終え、向かい風の最終セクションへ突入。前も後ろも誰もいないので仕方ないからひとりでガシガシ回して行く。ゴールはいつもの糸魚川ホテル。リザルトは11時間32分。なぜか最後のダウンヒルセクションの平均速度は平地の平均速度をも下回り・・・。落車が無く、ダウンヒルを人並みにできるようになれば10時間台も見れるかなあ、と思いつつも、結局タラレバの話だし気候はこれ以上はなかなか望めないしでなかなかむつかしそう。来年はどうしようかねえ。

※Pedal Far!チームの皆さん、ありがとうございました。

BRM515 千葉 さむねむぶるべ2

 PC4直前の銚子の海を見下ろす喫茶店で何か食べようと自転車を立てかけているとまたmezatakuさん再登場。港の方へミスコースしていたとのこと。一緒に喫茶店でピザを食うことにする。海の幸を食いたかったのだけど、景色もいいしまあいいかな。時々通り過ぎるランドナーたちの姿を見下ろしながらくつろぎの一時・・・。mezatakuさんから「仮眠とかしますかね」と聞かれたので「400kmじゃしないでしょう。フツーは」と答えるものの、今思えばここで寝てればよかった。温かいし、ウォッシュレットだし。会計するときに「今日バレーボールのxxさんがお見えになったんですよー」とお店の人が言うが、僕にスポーツ選手の話や芸能人の話をしても無駄だ。とりあえず「へーすごいですねー。これがサインですかー」と。



 PC4もウォッシュレットだった。やっぱりトイレは大事ですよ。寒いサムイとやっているとスタッフの方も寒いサムイとかなり着込んでいる様子。僕も既に4枚重ね状態。PC4からはPC3まで銚子をショートカットして後はほぼ同じ道を通る。残念ながら風は予定通り凪いでしまっているけど、ピザパワーで復活した我ら二人に恐れるもの無し。二人で交代交代で時速32kmほどをキープ。一回コンビニにたちよったもののあっという間にPC5に到着。次のPC6は三石山や鹿野山を含む林道里山巡り75km。面倒くさいなあという気持ちでいっぱい。なかなか動く気がしない。だらだらしているとinainaさんたちに追いつかれ、ここで「ガストで食事して仮眠しないか?」というお誘いを受けたのだけど、ピザくった後のペースが結構よかったしさっさと山を終えてしまいたい気持ちがあったのでそのまま行くこと。この時点では22?23時間くらいでゴールできるだろうと言う計算があったのだけどね・・・。


・ピザボーナスはもうなくなっていたことに僕は気づいていませんした・・・。

 しばらくは往路と同じ。ここにはこの時点で「300メートル超級の山がある」という知識だけ。登るんならさっさとしてくれよという気分でスタート。このやさぐれ感・・・。すでに余裕無し・・・。しかも思ったよりはっきりした峠までが遠く、やさぐれ感がどんどん募る。早く登らせろよ・・・のぼってやっからよ・・・。

 210mほどの峠を越える。ずいぶんmezatakuさんをお待たせする。帰路もお待たせしまくり・・・。さあ、次の山があるんだろ・・・あんま高度さげるなよ・・・と思うも願いはむなしくぐぐっと高度を落として次の山もゼロ、、、でないにしろほとんど上りなおし。下りはやっぱり急なカーブと微妙な路面でよく見えない。うーん、ヘルメットランプもってくればよかったよ。いかに680ルーメン(メーカー公称)とはいえ、前方照射だと直角以上にまわりこむコーナーでは先が見えない。ぱっと見、道がどっちへ曲がってるのかさえわからない場面も。おそらくは眠気とサングラスの汚れもそれを助長しているに違いない・・・。

 三石山を登る。真っ暗な中を・・・登る・・・。道端に自転車をとめて座り込んでいる人がいる。仮眠だろう。400kmでこういうところで仮眠しているのってあんまり見ないけどな、と思うも少しうらやましい。僕も・・・眠い。暗いし・・・冷える。こんな夜は、あったかい布団で眠るに限るのだ・・・。だが現実は。

 真っ暗闇の中に明かり。三石山の峠に到着したようだ。その切り通しにはきれいなトイレと駐車場があり、トイレに併設された休憩所のベンチでひとり横になっていた。いいなあ、ベッドだよ。mezatakuさんにトイレに行くことを伝え小用を済ませてサングラスを洗う。これでかなり見やすくなった。トイレから出ると先客がおきて出て行くところだったので、猛烈にその場所で寝たかったけど、あと一個越えれば平坦になるんだと自分を納得させて走り出す。



 いくつかのアップダウンのある細い道。やがて有料道路へでて長い下りもあったり。つまりまた高度が下がっているってことだ。しかも下りは冷えるときた。有料道路の料金所で何人かが休んでいる。先行するmezatakuさんがいなかったので、ここでうつらうつらしたいという夢をあきらめ最後(たぶん)の山岳アタック。ここはくねくね登る感じじゃなかったなあ。登り始めてすぐにmezatakuさんのチェーントラブルで数分休憩。その間にハンドルにつっぷす。起き上がると少しの間パワーが回復。うーん、やっぱねむいんだよこれは。さて、この山の道は暗くって様子はよくわからないけど、ひたすらまっすぐ上り谷の奥でV字に折り返してまたまっすぐ登る。すると頂上って感じだった。たしか。正直あんまり覚えてない。どこもかしこも真っ暗でねえ。闇は心を蝕んでいきます。魂を飲み込んでいきます。埼玉400のときは周りに人が多かったからかそんなに厳しさを感じなかったけど、今回はひとりになってしまっていることが多かったので、ひしひしと僕を包む漆黒と向きあうことに。DNAに刻み込まれた闇への恐怖が背骨の中からじわじわとしみ出してきて、孤独が募ってきます。でも・・・それもどこか心地よい・・・。

 ようやく到着した頂上には大きなお寺があるようで、その前を抜けると下りになる。やがてマザー牧場を過ぎると本当の下り。体の芯まで寒さが突き抜けるけど・・・すぐに最後のPCだッ!がんばれ俺!がんばるんださとう!

 PCでカップヌードルをすする。暖かい・・・そしておいしい・・・。でも気温はまだ寒い。太陽はまだその力を存分に発揮していない。最後の区間は40km。走り出して・・・すぐ気づく。ごめんなさい、mezatakuさん。僕はもう無理だ。この平坦さえまともに進めない・・・。もう・・・いいよね?ゴールしていいよね?
「少し、仮眠していきます」

 ちょうど無人駅があったのでその駅舎の待合室に座って・・・寝る!なんどかタイマーに起こされてふときづくと30分が経過している。30分も1時間もかわんねーだろ・・・ともっと寝ようと思うと〔行け、さとうよ。すすめ。すすむのだ〕という声が・・・。ちょうど外をブルベライダーが駆け抜けていく。わかりました・・・ウーゴよ。私は走ります。走り続けます。

 足がちょっぴりこわばってきていたものの、走り出し血がまわりだすともりもりパワーがでてくる。もりもりと幹線道路へ出るころには25km/h以上で走り続けられるまでに回復。しかし通りがかりのコンビニや歩道で寝転がっている人たちをよく見かけた。ここまできたら・・・もう明るいから目も覚めるのに・・・と思うも、やっぱり眠いときは寝るしかないよね。木更津に入るころには30km/h弱まで回復。金谷橋を越えて高速の下をくぐると30km/hを越え、最後の直線は32km/hで走りきりそのまま駐車場へつっこんでゴール!ウーゴ、ありがとう!覚醒しました!でもおそすぎ!もっと早く覚醒していれば音速だって超えられたのに!

BRM515千葉 さむねむぶるべ1

 ほぼ1日で走り終える400kmくらいは日常の一行為と同じような気安さで参加し、走りきれるようになりたいと常々思う。朝起きて出勤するような気分で準備し、出走する。といっても今現在出勤という行為をしてないし出勤は気が重いものだから比べられるものでもないな。でも1000km級のブルベの時は「朝出勤して帰宅して少し眠り、また出勤する。そういう日常と同じじゃないか」と言い聞かせて走り続けてましたね・・・。夜寝て朝から走るのパターンに持ち込めればけっこうイケるもんです。僕みたいなひ弱タイプでも。

 さて、今年2回目の400kmブルベ。埼玉400kmやフレッシュ(390kmくらい)は淡々と走りきれたのでちょっと自信がついています・・・。もう気温も上がってきてるし、恐れるものは何も無い・・・かな?といったところで朝5時半すぎに袖ヶ浦海浜公園着。出走手続きを済ませても時間が余ってるので、組み立てた自転車を外にだしてからになった荷室でごろりとくつろぐことに。眠るともなしにうとうとしているとmezatakuさんがやってきたので「どうもおはようございます」と起床。車外にでると風が冷たい・・・ブルブル。フグジャケットまではいらなかったと思うけど、意外と気温があがらないんじゃないかな、特に体感気温は。

 CP1までは順当。幹線道路あり市街地あり。さすがに走り出せば寒いとは思わないけど、ウィンドブレーカーも来てるのに汗が吹き出すでもない。日陰は寒いとさえ感じるのでCP1のセブンイレブンでは日向で過ごす。まだ40kmも走ってないので、おにぎりをいくつか食ってリスタート。ここからは千葉の林道をめぐる山岳セクションに入ります。



 登りに入ると体が温まってくるんだけど、汗がぽたぽた落ちることも無いくらい。同行しているmezatakuさんはぐいぐい登っていくので羨ましく見ながら、でもこのあたりはまだ元気に走っていたと思う。千葉にはそれほど高い山もないからとナメていたけど、くねくねくねくね細い道を登り続けるのもけっこう疲れる。そして辛いのは下りもくねくねしていて速度が伸びないこと。路面も苔むしていたり、排水溝のすき間が散見されたりとかで「これ夜は怖いな」と思わざるをえない。大山千枚田に到着したのはまだ気分も良いころ。爽やかな水田を少しながめてから進む。僕らの到着した頃は人も少なかったのだけど、そのあとには観光バスも来て賑やかだったらしい。しかしこういう山間の棚田を見ていると、ベトナム戦争映画を思い出すのは心がけがれているからでしょうか・・・。





 PC2の鴨川手前の下りはやっぱり道も細くって綺麗ではないのだけど、ときどき見える海が素晴らしい。高台に立つ家はけっこうハイカラなものも多くって、1/144スケールのサンタバーバラ郊外といったところ。すれ違うスーパーカブにのったおばさんが、メット無してぬぐいかぶっただけの割烹着姿でここが千葉であることを強烈に思い出させる。そうだここは千葉なんだ。海岸線にでると予想通り風が強い。ここは2kmおきに交代しましょうとmezatakuさんと。PC2の安房小湊はだいたい100km地点にあるのだけど既に4時間半が経過しようとしている。あまりよいペーストは言えない。



 応援に来ていたピクサーさんに「これからが地獄ですよ」と言うと「大丈夫ですよ、登ってみたけどたいしたことありませんよ」とのこと。登り?登りがあるのか。でも違うんだ、僕の行っている地獄は・・・もっと先。

 PC2ではいつも通りミートソースパスタ。うまい。でも寒いので袖の無いウィンドブレーカーを着る(ウィンドブレーカーを二つ持ち!)。そして、なんだかあくびが出てしょうがないんですけど。もしかして、俺、眠い?寒くて体温が低くなって眠いの?眠いから寒いの?



 県民の森からPC3まではあんまりよく覚えていない。けどコース最高地点があったはず。mezatakuさんをおまたせしてしまって申し訳ないのだけど、出力があがらない。上がらないのか実力なのか。ええい、自転車の重さと足の故障のせいにしてしまえ?。

 PC3から次のPCまで75km。そのうち約50kmが直線の「海の見えない」ビーチライン。こういった単調のところも風もかつてほど苦ではなくなっているんだけど(特に単調には強くなったな)、なんだか今日はとても気が重い。もう走りたくない気分一杯。眠いし、寒いよ。リタイヤは選択肢に無いけど、走りきれるイメージがまったく湧かない。走りきれるイメージはあるのにリタイヤを選択してしまったことを考えればいいか。悪いのか。



 ずっと続く直線でmezatakuさんから脱落。一人旅の開始。どうでもいいんだけど猫の死体が多い。できたてホヤホヤから、ボロ雑巾と見間違うレベルまで各種取り揃えております、って感じ。あんまり道路清掃とかないのかな。このあたりの幹線道路兼観光道路だと思うんだけど。それと気づくのは魚屋さんの多さ。無茶苦茶多いと言うわけではないのだけど、肉屋八百屋がほとんど見当たらないのに魚屋だけはやたらにある。ある程度は観光客を見込んでいるのだろうけど、店構えは昭和テイスト溢れてこぼれちゃってるくらい。大正テイストくらい・・・。

 途中で「コンビニによっていた」というmezatakuさんに追いつかれるが、また脱落。ひいこらひいこら言いながら銚子へ下りて行くころに「何か」に気づく。いくらなんでも寒すぎる。頭が冷たくてイタイ。このまま路肩で足を抱えて眠りたい・・・けどありえないだろ。まだ200kmしか走ってないぜ・・・。





 うーん、風で体温奪われて凍えてるの?僕は5月の千葉で凍死するんじゃないだろか・・・。

つづく