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【落武者魂】 2009年02月

落武者魂

L  O  S  T     S  Q   U  A  D  R  O  N  .

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[完走の報告]Camino Real Double Century & Poker Run

※携帯している予備チューブのバルブの長さはきちんと確かめておきましょう。
(ロングバルブしか買わないことにしているのに、よりによってアイドルの予備チューブが二本ともショートバルブ・・・。泣けた)

総走行距離320km
総上昇 2600m
完走タイム 14時間10分

自信が少し取り戻せた。
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[修正1]SD400(HEMET400)予習



今週末のELCAMINO DOUBLE CENTURYが無事終えられたら、その翌週はSD400。そしてその翌週はLA400。320、400、400、というチャレンジは僕にとっては過酷。世の中には600、600、600という人もいるらしいけど。とにかく故障は避けたい。

で、ダブルセンチュリーは受付でキューシートを渡すという恐ろしい話なので予習ができない。しかたないのでHEMET400の予習をする。

このブルベは今のところは不安は少ない。なにしろスタート地点が家から近い(1時間くらい)! 獲得標高も3000mちょっとと400kmにしては少ない。ただ、ずっと高地を走るので細かいアップダウンと気温には注意が必要そう。

後半にあるLAKE HENSHEWから先は下り基調という記憶なので、そう考えて全体を見ると「楽じゃん」って気もするが、この季節の深夜の下り基調ってどんだけ寒いんだろう。ついでに新サドル投入予定。不安要因はそのあたり。ああ、PC3からPC5までの200kmくらいにわたって、ろくな人間居住地が無いのは最大の不安。ガソリンスタンドもモーテルも何も無い地域だぞ、このあたりは。

ちなみにツアーオブカルフォルニアのコースを囲むようなルートです。ランス降臨望む。
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LA300km:4 [Das Ende]

スクを避ける努力はする。無理だと思ったら諦める。でも100%のリスクを想定し対策することはできない。無理、の線を本当の意味で知ることはできない。今回はたまたまチューブ3本でよかった。でもCP3までにもう一回パンクしたらどうしただろう?他の参加者からもらえたかもしれないし、もらえなかったかもしれない。リスク回避のために100本チューブを持つのはあり得ない。結局どこかで線をひくしかない。後者、「無理」の線はたいていの場合「低め」に引かれてしまっているものだ。「リスク」も「無理」もやってみなくてはわからない。けど、別にやんなくてもいいよな、こんなことは。どう考えたって、家でクリームブリュレをつつきながら紅茶を飲んでテレビ見ている方が幸せだ。うん。さっき見たブリュレが本当においしそうでねえ。でもストロベリータルトを頼んでしまった。嗚呼、次はブリュレ食おう。あの表面のパリパリ、おいしいよね。


「300だ!さんびゃく!! 」
寒い!ウィンタージェケットを着込むが寒さが浸透してくるようだ。ある程度体を動かし続けていないとならない。気温はとっくに5度をきっている。雨はときどきさらさらと降っているが感じられるほどでもない。海岸の湿地沿いから内陸へ。広大な農地の中を走り抜けている・・・はず。ここからムーアパークまで、だらだらと登り続けているので嫌いなんだよな、と思う。まあいい。まだしばらくは平地だ。

ふと、ボトルにお湯を入れれば良かったと思い出す。そういえばアタック福島600kmのとき、夜間走行時にはコンビニで買ったホットドリンクを入れて走った。夜はどうしても冷えるし、体内のエネルギー不足も体を冷やすから強制的に暖めるのは意外と効果があったのだ。思えば、さっきのウェンディーズで紅茶を買ったとき、ティーパックを使わずそのお湯をボトルに入れればよかったじゃないか。なんでそうしなかったんだ!俺の馬鹿!バカバカバカ!ああ、こっからしばらく店なんかないぞ!ファストフードどころか人家がない。ああ、お湯お湯お湯!

と走り続けて20km。フリーウェイとの交差するところのショッピングモールにマクドナルドを発見。突入する。マクドナルドでは紅茶とアップルパイを購入。すぐさま店を出る。お湯はボトルに注ぎ、アップルパイはトランクへ。どうせ熱くて食えないからな。すっかりご満悦でコースに復帰すると、パッチを当てたチューブをくれたフォスターのクルマと行き違う。スタッフも大変だよな・・・。

ここから嫌らしい登りが始まる。始めはゆるく、段々ときつく。そして何しろ長い。だんだんと傾斜が増していく尾根幹みたいな道だ。あまりに一直線なせいか、途中でカップル参加者が道ばたでキューシートをみつめている。こちらを見たので、まだ直進だよ、と指差す。ここを走るのも3度目。地図はいらない。かなりペースを抑えて走っているおかげか、息があがらない。ざっと考えると、ここを登り終えて少し下がるとムーアパークのCP。そこからクライマックスである標高差300m弱の峠越えになる。それを超えれば基本的には下り基調だ。いける。勝利への道筋が見えた!

ムーアパーク直前に丘の上にある新興住宅地をふたつ横切る。ここがけっこう急な坂だが短いのを知っているので気楽だ。ムーアパークのCPはシェブロンのガソリンスタンド。レシートチェックということだ。ここでマクドナルドで買ったアップルパイを食い、お湯をボトルに汲む。何を買ったかは覚えていない。なんかパンみたいなものだっただろう。前夜に早く寝付いたせいだろうか、なんだか眠くなって来ていた。さっきからも単調なまっすぐな道なら目をつぶっても大丈夫じゃないかな、とか思ってしまって実際目をつむると心地よいのだから困る。幸いにも眠りに落ちることは無かったが、この寒さだと道ばたに倒れたら確実に死ねそうだ。それだけは避けたい。なにしろただでさえ暗くて、もし行き倒れたらスタッフが探しに来てもみつからない公算が高い。

カップルライダーのひとり何か話しかけてくるが、頭が回らず答えられない。少し後に「なんであなた私たちの後からくるの?なんども抜いているのに」ということだったのだろう。ミスコースやマクドナルドへよったりで彼らを何度も抜いては、CPでは後着していた。と思っていたらフライドポテトの参加者もやってくる。あんたこそ僕より前に走ってただろう?僕を含めた二組のカップルとシングルライダーは集団を組むでもなく、しかし付かず離れず前後しながら走り続けることになる。皆ミスコースしまくりながら。カップルの髭を蓄えた男性の方に「あと40kmくらいだよね」というと「いやもっとあるぜ」と言われる。キューシートを確認すると、確かに50kmはありそうだ。10km増えたってことは30分修正だな。「この先の5milesが山場だね」「グリムスキャニオンだよな」と。そうか、そんな地名だったのか。

ムーアパークからしばらく話しかけて来たカップルについていくが、彼らのペースでは凍えてしまうので前へ出る。とはいえ無理はしない。今これを書きながら思えば、別にもうすこし追い込んでよかったんじゃないかと思うのだけど、当時はまったくそんなことは考えなかった。思考の埒外。思考能力がかなり停止してたんだと思う。ほとんど疲れを感じることも無く、峠の頂上へ。振り返るとまだカップルのライトが見えたので、ここで終わりだよと大きくジェスチャーをする。そこからは一気に下り。寒い寒い。凍えながら下り続ける。照明も何も無い夜道なのだけど、幸いにも満月に近いおかげで明るい。もちろん、新兵器のライトも十分に効果を発揮しているが月明かりがこんなに明るいとは!さすがに交通量は無いものの、ときおり登ってくるクルマのライトに幻惑される。路肩の先は崖なので勘弁して欲しい。もともと下りは不得意なこともあって夜間でもダウンヒルの速度が変わらない気がする。残念。

しかし、ここのところ足の付け根が痛い。こすれて痛い。痛い痛いをずっと書いているのもなんなので終わりまで書かないけど、最後にはじゅくじゅくするくらいまで痛くなった。やっぱりアソスのパッドは200kmくらいまでしかもたないようだ。それにゴール後に気づいたのだけど、股擦れよけに貼っておいたテープがはがれていて、それがペダリングの間中皮膚をこすり続けていたように思える。パールイズミのneoパッドだかが僕的にはベストチョイスなのだけど、日本とアメリカとで品揃えが違うので困っている・・・。

さて、6kmほどペダルをこぐこともなく進み、Bardssideを東へターン。高い垣根に囲まれた一本道をすばらしい勢いで走る。とはいえ、この時点での”素晴らしい”はせいぜい25km/hを超えればいい方なんだけど。途中でフライドポテト自転車乗りが農地の真ん中の交差点で道を確認している。ここは12月に走ったところでもあるので、こっちという感じで指差して曲がる。どこも高い生け垣なので道がわからないのだろう。標識も看板もない。近くでふくろうが鳴き、その声の大きさに少し驚く。あと1時間?2時間?次のCPまでは1時間もかからないはず。夜道を大声で歌いながら走る。1曲はだいたい平均5分、6回歌えば1時間。ipodとスピーカーを持ってくればよかった。自分で歌うにはレパートリーが少なすぎる。

フライドポテトライダーがエアロバーを握りしめてすごい勢いで追い抜いていった。彼のあの姿をみるのは何度目だろう?しかしSanta Paulaの街につくころには僕の後ろから現れる。それも何度目だろう?わけがわからない。僕も一人行き過ぎてしまって、Santa PaulaのCPに入ったらカップルも僕の前に到着していた。彼らもわけがわからないだろう。ここもシェブロンのガソリンスタンド。寒くってしょうがないのでココアを買う。人間が運動に使うエネルギーの中で脂肪がもっとも豊富に蓄えられているのだけど、それは燃えにくいのだそうだ。燃やすには糖分が必要だと言う。だとすれば糖分だけ補給していれば脂肪がガンガン使われるんじゃないだろうか。そうに違いない!だからホットココアをかった。熱すぎるのでボトルケージにさす。出発して1分ほどでさめてゴクゴク飲めるようになった・・・。

なぜだかずっと先行していたはずの若手カップルがいたのでSanta Paulaの街を彼らについて走る。話さないにせよ、誰かを視界にとらえていた方がずっと楽。話せればもっといいのだけど。僕のブルベは、畢竟、どこまで孤独の中を走るかという遊びになってしまっている。それはそれで悪くないのだけど疲れがのしかかってくるようだ。Santa Paulaの街を外れたところで若手カップルが道を間違う。僕は彼らにそっちは違うよ!と言おうとしたがすでに声が届かないところへ。いちおうキューシートを確認していたが、やっぱり彼らの行く方ではない。しかたないがまた一人旅だ。

長い緩い登り。ゆるゆると。ホットココアはそれなりに効いているようだ。思い返せば、ペースは出ていないけど200km近辺を走っていたころより調子良く走れている。普段も糖分をもっと有効活用すべきなんだろうか?本当か?うーん、わからない。20kmほど(つまり1時間くらいか)完全な直線を走り続け、ベンチュラの街へ入る。6時間以上前に見た景色。誰が待つ訳でもないのに一気に速度あげる。そのまま夜の街をつっきる。もう終わるかと思うと最高に気持ちがいい。冷たい空気を切り裂いてモーテルまで走りきり、道を横切ってゴール。モーテルのロビーで待つスタッフにカードを渡した。主催のグレッグが「一番後ろ?」というようなことを聞いて来たので「いや、僕の知る限りシングルライダーがひとりと二組のカップルがいるよ」と告げる。カードとレシートをチェックしていたグレッグの奥さんが、エントリーリストを手に「まだまだたくさんいるわよー」と言う。例のリカンベントグループがおめでとう!と言ってくれた。参加者の少なくない人数がモーテルに部屋をとっているようだ。僕も途中で泊まっていくか悩んだけど帰ることにした。現在午前1時。スープなどを飲んでいるとまとまって走っていた参加者がゴールしてくる。

おわったおわった。残り何人くらい走っているの?と聞くと8人だか7人だかだと言う。ええ!全部で30人とかだろう?と思う。まあ、モーテルでシャワーを浴びて着替えたりしながら走る人たちもいるから、タイムにはこだわってないのだろうけど、それにしても遅いだろう。グレッグも心配なようで後方のライダーを確認しに出て行った。チューブをくれたフォスターがやってくる。あなたの悪い予言の通り、あのあともパンクしましたよ。

日本でもそうだけど、こんなに過酷なイベントをボランティアで開催するスタッフの方々には頭が上がらない。参加者も仕事や家族との折り合いをつけるのが大変だけど、スタッフはさらに大変なはずだ。コースを策定し、試走し、開催する。参加者の様子をチェックし、見回り、事務処理まで!僕にはとてもできない。走る方も寝られないけど、スタッフだって寝られないのだ。僕はもう帰ればいいけど彼らは帰れない。本当に大変だ。ありがたくてありがたくて・・・。

結果完走18時間30分。次に控えているロングランは320km制限時間17時間。獲得標高も今日よりあるうえに事前のコース公開はまったく無し。今回のライドを15時間程度で走って自信をつけとこうと思ったのだけど、不安を煽る結果となってしまった・・・。どうしよう。

LA300km:3

のロングディスタンスな自転車乗りを見ていると軽々と走りきっているように見える。僕でさえそう思われることがある。もちろん軽々と走り続けられる人たちもいるのだろう。でも僕はそうではない。僕がにこやかに走っていられるのはせいぜい70kmくらいじゃないだろうか。120kmを超えるとかなり情けない顔になるし、そっから先はずっとずっと生ける屍のようになって自転車にまたがっているだけだ。それでもどこかへ行き着くことはできる。自転車を始めロングディスタンスに興味を持ちながらも、不安を感じている人たちに伝えたい。やっぱり長距離走は楽じゃないしトラブルだって起こるし、体の各所は痛いし、疲れ果てる。僕なんかは走りながらずっとリタイヤの理由を探している。でも、なんとかなる。いつかはどこかへ辿り着ける。誰と勝負するわけでもない。行くと自分で決めればいいだけだ。

「敵はたかだか300だぞ!押し返せ!」
「ディイイイス イイイイズ スパァアアアアアルタアアア!」

泣きながらミニポンプで空気を入れる。あと8milesかそこらで次のCP。有人ならフロアポンプを借りればいいよな。しかしそこまでにパンクしたらどうするんだ?さすがにタイヤが無いでは走れないぞ?リムでガーガーいいながら走るもいいか。まあ、さすがに走行不能になれば誰かが助けに来てくれるだろう。それだけは単独自転車旅行でないことの救いだ。痛い腰をおさえつつ自転車にまたがり、やがて海沿いの高台へ出る。CP4だ。

今回もっとも素晴らしいCPであったCP4。最後の有人CPでもあった。しかし既に心が折れていて、景色を見ることもなかった。

CPにあったカップヌードルを食う。少し体が温まる。日がずいぶんと傾いてしまっている。この分ではスタート地点へ中継のため戻る頃のは日没後であるのも覚悟しなくてはならないだろう。既に15時間では終えられないのは確かだ。この分でいくと17時間か18時間か・・・。パンクのことを主催者のグレッグと話すと、さらにチューブをくれた。他のスタッフにルート上にバイクショップがあるかどうかを聞く。たしか次の街にあったような気がするが、彼もそれに同意。キューシート上にバイクショップの場所を書き込んでくれる。ここで気づいた。キューシートの一部が赤文字で修正されているじゃないか。それも結構大きな範囲で。それがCP2以降のルートロストの原因だったらしい。おいおい。ということはこっから先はGPSに入れたルートはだいたい信用できるってことだな(とはいえCP3の位置が違ったりしたので不安は残る)。

二組のカップルと単独走が僕を含めて二人、それとリカンベント2台+ロード1台のグループ。それがここから集団にはならずとも視界に入るか入らないかの範囲で一緒に走り続けることになる。いずれにしろ、ここから先はもう何度か走った経験のある道。4回目かな。キューシートもGPSもいらない。隣町のカーペンテリアでバイクショップへ飛び込み「チューブくれ!」と叫ぶ。「ロードの!」というと「バルブはロング?レギュラー?」と言うので「ロング!」と。一個かいと聞かれたので「みっつ!」これでチューブは計4本。トランクに入りきらない一本は背面ポケッとへつっこむ。レジをしながらすこしおしゃべり(がんばりました)。「クラシカルなデローザ、いいねえ」と言われる。デローザはこっちでも日本と同じような扱いを受ける。よくもあしくも。どこまで行くのか?と言う話になったので「こっからベンチュラ、それからムーアパーク、そしてベンチュラ」「どこへ泊まるの?」「一気に走る」と言うと少し混乱。「どこにも泊まらないの?」「うん」「うはー」残り150kmくらいだ。もう明らかに夜間走行になるから、普通に考えればベンチュラで宿泊するだろう。気をつけてね!と送り出されてコースへ復帰。

PCH。この反対側の車線を走る。

PCHを快調に走る。だがいつもより速度がのらない。まあ、今回はゆったりペースを守ろうということだったしな、と思うもののさっき抜いたカップルに抜き返されるとどうにも辛い気分に。うん、わかった。腹が減っているのだ。パンクが多かった(自分で4回、人の付き合いが1回)のでペースを取り返すために食事を抜いていた。なんだか腹がもたれているので、補給食を食っていないのもある。トランクにはパワージェルやらが積み込んであるのだけど、どうも食う気がしない・・・。それにここからベンチュラまではだいたいどんなものかわかってるじゃないか。ベンチュラでゆっくり食おうよ・・・。

頭の中ではベンチュラでバクバク食い、さらのその次のCPでバクバク食う姿が妄想されている。ああ、もうそんなに食えないよ・・・。嗚呼、しかし残念。脳内とは違い足はどんどん重くなる一方。ただの平坦で20km/hキープは夢のまた夢。16km/hキープを「がんばる」ほどに・・・。101、旧道、そして海岸沿いのCR。ついにベンチュラの街へ戻る。まだ太陽は水平線上にある。右手に沈み行く夕日、そして左手には・・・虹。ぶっとい虹が大地から低い雲へ付き立つ柱のようにそびえる。これは勝利の剣。リタイヤ?あとたった100kmちょっとなのに!?現在午後6時。スタートから11時間半が経過した。残り100km強を、よし6時間で走ると考えよう。12時半にゴールすることになる。17時間半ということだ。タイムリミットまで2時間以上を残してゴールできる。2時間の差で俺の勝ちだ!やつらは俺においつくことはできん。

という気合いとは裏腹に足はすっかり動かない。でもスタート地点(兼本部)のモーテルへ戻る。が、スタッフはいない。リカンベントの人たちがいたので「あれ?コントロールは?」というと「ここには無いよ」とのこと。ここから11miles先のウェンディーズがCPだと教わる。まだ20km近くあるのか!腹減った!うごけねえよ!彼らはここに部屋を取っていて、シャワーを浴びてウェアを着替えたのだそうだ。たった300kmのブルベでそこまでするとは・・・これは戦勝国の余裕なのか。

彼らは「ついてくるかい?」と言ってくるが「腹が減って動けないのでカールスJr(ふぁすとふーど)とか探しながら行くよ」と答える。とはいえ、そんな店合ったかな・・・。走りながら目を皿のようにしてファストフードを探す。もう普通のレストランでもいいじゃないか、ファミレスとかあれば十分じゃないかと思うが、注文してから出て来るまでの時間などを考えるとそうもいかない。残り2時間の余裕は微妙だ。ファストフードなら計算できるし、がっつり十分に食える。マクドナルド、カールスJr、ジャックインザボックス・・・なんでもいい、来い!

キタ!IN-N-OUTバーガーだ!まったく躊躇することなく突入する。迷うことなくダブルチーズバーガーコンボを注文。全席埋まっていたが、子供連れの主婦が「ここに座りなさいよ」と相席を進めてくれた。汗と雨で臭いのにありがたいことだ。バリバリとバーガーを食いながら少し会話。どうやら彼女の旦那がサイクリスト(シリアスライダーだそうだ)とのことだった。それで興味を持った様子。どこまで行くのかといういつもながらの会話。こっからムーアパーク、それから戻って来るんだ。「うはー、ライトは?」「大丈夫です」「寒いからね、がんばって!」バーガーを食い終わる頃に彼女らはでていく。けっこうお腹いっぱい。胃の調子が悪いのか、油っぽいものをいきなりつっこんだせいか、おなかが重い。それでもポテトを食わないと・・・炭水化物が必要だ・・・。

なんとか喰い切り、店を出ようとすると入店しようとする単独ブルベライダーとすれ違う。お互い大変だね、という微妙な笑顔を交わして。

ここで命をつなぐ。かろうじて。

外に出ると既に真っ暗。新兵器のライトを点して走る。食べて飲んで休んだおかげか、それなりのペースに復旧。10miles先くらいの次のCPまではさくさくと走れる。ヨットハーバーを抜け、海軍基地を抜けるとCP5。ウェンディーズの前に二組のカップルライダーが休んでいる。レシートチェック?と聞くとレシートチェックだと回答をくれる。店に入るが食欲は無い。おかしいな妄想ではモグモグ喰えるはずなんだけど・・・なんかスィートがないかな、と思うが気に入ったのが無さそう。しかたないので紅茶を頼む。とびっきりに熱い紅茶をさめるまで待っていると、IN-N-OUTで入れ違いになったブルベライダーが入ってくる。「ウェンディーズがCPだとわかってれば、あそこで食わなかったよね」と言って来たので「うん」と答える。でも本当はもうここまで耐えられなかったんです。あそこで食わなければ僕は死んでました・・・。

彼はポテトだけを頼んでいた。しかもテイクアウトで。テイクアウト?どうやって食うんだよ?「どうやって食うの?」と聞くと、僕の反射ベストには胸ポケットがあるのさ、と見せてくれる。確かに大きなポケットがついていて、そこに補給食なんかを突っ込んでいる。それいいなあ。NATHANSというブランドのもののようだ。彼はそのまま先にでていくが、僕の紅茶はまださめない。仕方ないので少し口をつけただけで、捨てることにする。もったいないなあ・・・。

走り始めるとすぐに町外れ。ベンチュラを離れる。残り100km、くるりと回ればおわりだぜ?と言い聞かして。

LA300km:2

もそもにおいて運動というものが苦手であった。多分、あの学校の「体育の時間」というものがよくない。あれは単なる選別の場になってしまっていて、脱落すると延々と運動というものと無関係な生活になってしまう。それでも一応文科系の部活には所属しなかったのだけど、高校からは部活に出なくなってしまったし、それからはずっと運動・スポーツとは無縁な生活を送っていた。もともとやせ形だったので、ダイエットという意味でのスポーツへの欲求が出にくかったのも一因だろう。でも齢三十を越え、脂肪がつくという現実が始まってしまったのを契機に自転車を始めた。すると意外と走れる。社会人デビューサイクリストの多くが同じような理由ではないだろうか。「やってみたら結構いけるじゃないか」。そして思う。「もう少し先まで行けるんじゃないか?」、と。

「ひとつ!ふたつ!」
第二CPでは時間をとってチョコレートパンを二個と補給食を食う。補給食を食ってちょっと気持ち悪くなるが、味と食感のせいだろう。トイレもすませ・・・とやっていると結構時間がすぎてしまうが、まだこれから到着するライダーもいるのでまあ大丈夫だろう。スタートするとGPSの示すルートから外れていることに気づく。おやおやと思い引き返すと向こう側からブルベライダーたちが。あれ?こっちなの、とついていくことに。飯食っているときに他の参加者もこっちへ向かって行ってたから、多分間違いないんだろうけど、そうすると僕が入力していたルートそのものがまったく信じられないということだ。キューシートを見ながら、といっても雨だろ?まずい・・・。ふたりについてサンタバーバラの街へ入る。本来はにぎやかな観光地も雨の午前中とあってかどこか寂しげだ。他の参加者もみかけて少なくとも今現在のルートがミスコースでないことはわかった。しかし、そうなるとGPSのルートは・・・。

時々ダンシングを入れると腰を下ろしたときにずるりと滑るように感じる。おや?サドルが緩んでいるのかな?と思い確かめるが特に問題は無さそうだ。ケツにつけてるトランクのせいだろうか?深くは考えないようにしよう。街から出て登りへ入る。登りのせいか、まぜてもらっていたライダーたちに遅れをとるようになる。なんだかきついぞ?まあ、それも実力。GPSの表示をみると、このままいけば設定ルートにぶつかるようだ。そこからは元ルートの通りだと信じよう・・・。

ついていっていたライダーたちも、いちおう僕を気遣っていたようだけど信号で引き離されたのを機会に待つのを諦めたようだった。彼らが視界にあるうちにコースへ復帰したのでGPS設定ルートを信じて走ることにする。と、フロントタイヤがボトム、ダンシングの弾みにリムが当たる感じがする。パンクだ。雨はかなり弱まっているので、道の脇へよせて様子を見ることにする。女性ジョガーが「大丈夫?」と声をかけてくれたので「大丈夫」と答える。実のところ、大丈夫ではないようだ。リアもパンクしている。そうか、さっきからずりずり言ってたのはこれか。俺はパンクもわからぬ男だったのか。タイヤがはずれなくってよかったよ。

フロントはまだ空気が残っているようで、なおかつバルブが緩んでいるのに気づく。このせいだと信じて空気を継ぎ足してみる。急に抜ける感じは無い。とりあえずリアだけ泥だらけのタイヤを外しチューブ交換。ほんとはフロントもやるべきだとは思ったんだけど、いきなり二本パンクでチューブが残り一本になる不安を避けたかったんだろう。次のCPまでは25kmほどだろうか。そこまでいけばフロアポンプも借りれるはず。・・・有人CPだったら(ちゃんとキューシートを確認しておくべき)だけど。

ここで二回目のパンク修理。座っていると寒い。

10kmほど走り、Pacific Coast Highway脇の自転車レーンへ。いろいろ時間はくったけど100kmをアンダー5時間で走っているペース。アップダウンもあったしパンクもあったしCPもあったしミスコースも何回かした。悪くない。15時間では走りきれるはず。と思っているとガタガタガタ・・・。リアがまたパンク・・・。のこり10kmほど空気を継ぎ足したりして無理してこのまま走り、CPまで保たせるか・・・無理だな。また路肩に自転車を寄せてパンク修理。フロントはそれほど空気が抜けているように見えなかったが、しばらく見ているとタイヤの表面に小さな泡が生まれているのに気づいた。漏れてる・・・が次まで持たせよう。リアを再び修理。二度目ということもあるので一応タイヤ周りのチェックを慎重に行う。特に何も気づかない。直して走り出す。なんだかずんと体が重くなる。まだ100kmも走ってないのに。

最後に3kmほどミスコースをして第三CPへ到着。スタッフの方にフロアポンプを借りてフロントタイヤのチューブ交換をする。フォスターという日系(でも日本語はまったく理解しない)スタッフにもう3回もパンクしちゃったよ、これが最後のチューブさ、というと2個パッチをつけたチューブがあるけどいる?と言ってくる。ありがたくいただく。このCPのクローズまであと1時間。僕が最後かと思ったけど、それからも数人入ってきた。誰かが「今日はパンクがきついぜ」というので「3回もパンクしたよ」というと驚かれた。今日はパンク多いなあっていうのが皆の意見。雨が降るとわけわかんない小物が路肩に溢れる上によく洗われてエッジがたっちゃうんだろう。CPからでるときにフォスターが「またパンクするよ」と言ってくる。不吉なことを言わんでくれ。

前走者の3人組に混ぜてもらって走る。ロード×1、リカンベント×2の変則的な集団。しかし、どうにもGPSのルートが信じられない。雨は止んだようだ。雲は残っているが薄くなってもいる。けれどレインウェアは脱げない。寒くなるから。ネオプレーンの靴下は完全にその役割を果たした。もっとも酷いときでさえ「ぬれてきつい」という感じは無かった。乾燥していたわけではなかったけれど、それは汗のせいだろう。靴に浸水した水を踏んでいるような感覚はあったけど。グローブはそれほど良い点数はつけられない。しぼれば水がどどっと滴る。このぬれたグローブで夜半のダウンヒルは辛そうだなあ。サンタバーバラへ入る。誰かがここから景色がいいんだよね、という。その通り。有名な観光地であるサンタバーバラからベンチュラまで、素晴らしい景色が楽しめる。その三人についていっていたらある信号を越えたところでポンプを落としてしまい、脱落。彼らは気づかず行ってしまった。

しかし、次の交差点を曲がるとそこにさっきのグループのうち二人が。どうもパンク修理のようだ。一緒に行った方が楽なのでしばし待つ。リカンベントの男性がいろんな人に電話をかけまくってる。やたら冗談が多い。少し気持ちが明るくなる。さっきまでに比べると随分楽になった。次のCPまでで制限時間との差もかなり改善しそうだ・・・。

彼の修理が終わり走り始める。やや前をひいていたが、10分も走らないうちに嫌な感覚が。「よっつ!」とアムロが囁く。「わずか50kmで4回のパンクだとう・・・」。彼らには先に行ってもらうことにしてまた修理。よくタイヤをチェックした方がいいぞ、いずれにせよ次のCPまで12kmくらいだからがんばれ、と言われる。彼らを見送って修理開始。腰が痛い。タイヤの内外を入念に調べるがよくわからない。リムテープか何かかもしれないが、そこも特に問題無さそうだ。たしかにリムテープは購入してから一回も替えてないからなあ・・・。最後のチューブを使うが、CO2ボンベが無いのでミニポンプで必死に。泣きたい。「遠くへ行きたい本」に100km以内でパンクしてもがんばるだとか書いてあったけど、さすがに150kmで4回のパンクは心が折れる。さっきからリタイヤするべき理由がリスト化されて頭の中をぐるんぐるん回ってしまっている。もうやめたい、というのが本音。もっかいパンクしたらどうするの?ここには輪行なんていうものは無いんだぜ?ほんとに無いんだぜ?

ここに立つ40milesの標識によっかかってパンク修理をした。
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