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【落武者魂】 11 BRM611千葉600km
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落武者魂

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11 BRM611千葉600km

BRM611(604) 千葉600km -2-

 ホテルをでたのは5時過ぎ。5時半よりは前だったと思う。さすがにこの時期のこの時間はすっかり明るい。三ヶ月前のOC600kmのときは6時でもまだ暗かったのに。そして今日は雨が無いはず。なので雨具も全部家へ送り返してしまいました。もし・・・今日雨が降るならば・・・それは楽しくないことになりそうです。

 三里塚街道を走ってはにわロードへ。しばらくはにわをお楽しみください。







 平坦な九十九里ビーチライン(ビーチラインだけど、まったく海は見えないと言っていい)を終えて400km地点のPC。時間は・・・午前8時くらいだったかな。たしか10時くらいが制限時間だったと思うので到着時点で2時間のアドバンテージ。こっからは山道だからどうなるかな?



 養老渓谷へ入り、いくつかの小山を越えて三石山へ。雨の影響か路面がひどく汚れています。このあたりから細君の親指はいよいよ痛くなったようで、ついに三石山を登り途中で停止。靴を脱いで休ませると同時にクリートを二目盛り分後ろへ下げます。三石山のてっぺんは珍しく観光客の車?が数台。下りの路面もたいがい酷い堆積物の量でしたが、前にクルマが走っててペースメイクしてくれたので(どいてくれなかったともいう)、ダウンヒル嫌いの僕でも楽々クリア。自転車の汚れはクリアどころか・・・。次のPCはミニストップ。でも、ちっとも食欲がわかない。どうせ今食べたところで消化してエネルギーになるのはこのブルベの後なんだからどうでもいいや、とポジティブに考えることにしました。

 

 南房総を走ります。このブルベコース随一の景勝地。ただし向かい風。途中でついに細君が完全停止。痛みがどうにもならないとのこと。でもここまできてリタイヤは絶對にしたくないと強く訴えてきます。それはもう鬼気迫る感じで、ちょっと心うたれるものがありました。でも、じゃあどうするといっても「我慢する」「痛み止めで和らげる」だけがやれること。個人的には痛みを安易に痛み止めで和らげるのは好きではありません。原因が何か、できうる対抗策は何かを考えることも試すこともなく続けてしまえるので、結果としてよりひどくなるんじゃないかと思っているからです。原因なんかがわかっているなら痛み止めでカバーしつつ対策も行うこともできるでしょうが。でも、ことここに至っては仕方ありません。前夜から飲ませていたタイレノールではなくって、医師にむかーし処方された薬を飲ませます。そしていかにこの薬が協力で危険なほどなのかを説明しプラシボ効果も期待。いまは市販薬らしいけど。

 房総半島最南端に辿りつく頃に雨がぽつり?PCで携帯をチェックすると・・・おや降雨確率が50%なんですけど。これって降るって事?まじかよ?死ねっていうのか。鹿野山が雨って嫌だぜ。

 

 まるで原生林のような緑の中を抜けるグリーンラインを走り、ミスコースしながらも(13回目)最後のPCへ。細君はやっぱり痛みがあるようだけど、時々痛い痛いつぶやいているような事以外は、それなりにペースを保っていました。登りもちゃんとついてくるし(前半では僕をおいてく勢いでしたが)、平坦でペースを上げても大丈夫。中盤以降は僕は中だるみが激しいので、それも丁度よいのかの。さて、最後のPCは短時間で引き上げ、ここからはたったの40km。ただし激坂あり・・・。それはマザー牧場前の坂。3kmほどを10%で登っていきます。そして・・・残念なお知らせは「雨」「日没」。夜の雨の峠・・・。これはまさにブルベの華。

 

 蛇行・立ちこぎ・我慢のまっすぐ、などの技術を駆使して最後の峠を上がっていきます。これがボスだよ、と教えると「マザー牧場の後がボスじゃなかったの?」と。なんか勘違いしていたらしい。そしてむしろ「この次にあると思っていたら、これが最後だった」ということで気持ちがリフレッシュされたとのこと。ぐいぐいというわけでは無いけど、じりじりと登っていきます。最後のこの坂は押し歩きもやむないかなと思っていたけどなんとかイケそう。去年は僕もフグバッグそのものを自宅へ送って軽量化して登っていましたが、今年はフグバッグにリポビタンD(大きさの割に無駄に思い)などをつっこんだままのチャレンジ。鹿野山と足をとめての打ち合いの覚悟です。

 

 登り切ったよ。マザー牧場の入り口ですが、まったく何も見えません。幸いにも雨は本降りちょっと手前。ここで後は下りだけだ!と思うも実はもう少し登ります。ここの下りはくねくねしてるんだよねーいやだなーとか思っていたら、2車線しっかりあったので問題なし、道路線形も路面もほどよくって気持よく下れました。さあ、残り20km弱。しかも・・・どうやら強くはないけど追い風のよう。後ろから「追い風だよ!」と声が。なんという現金なやつ。残り距離が少なくしかも平坦追い風ってことでモチベーションがあがってきたよう。ようし、ガシガシいくよう、と。この後ホテル三日月で立ち寄り湯にはいって帰る予定なのですが、11時までで終了なのだそうです(前のPCで電話して確認しといたのです)。だから10時には入館しておいておきたい。だからせめて9時半くらいまでにはゴールしておきたい!

 ゴールの直前でミスコース。ゴールの受付会場への道を公園内で間違えて遭難しかける・・・14回目とのこと。午後9時23分にゴール。これならお風呂に間に合う!といそいそとホテル三日月へ向かうのでした(ちなみに午後6時以降はリーズナブルな価格なのです。純金風呂もあるし)。

おわり
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BRM611(604) 千葉600km

土砂降りなんて 気にしないわ
暴風だって だってだってしかたない
激坂コンビニ大好き 暗闇レシート大好き
わたしは わたしは わたしはランドナー

距離を数えていると ちょっぴりさみしい
そんな時こういうの サイコン見つめて

まわして まわして まわしてペダル
DNFなんてサヨナラね ランドナーランドナー





 おかしいな、天気予報ではあまり風は気にならないはずだったんだけど、袖ヶ浦の集合場所は強風強雨。地面に倒してある自転車がずりっとスライドしたくらい。でもまあ、お昼過ぎには止むという天気予報でもあるので走りましょう。600kmも走ればどこかは雨になるもの。この程度ですむならむしろラッキーというくらいの気持ちで。とはいえ、装備は完全雨装備。枝野官房長官のフルアーマーからマスクを抜いたくらいの防護状態です。そのせいで着替えはホテルに送ってあるのに雨装備をしまうためのフグバッグ装備。まあでも、自分でやろうと思うから走れるのであって、強制されてやれるもんじゃないなあ、とか思っていると・・・いました。半強制で参加させられている人が。うちの妻でした。ネタのためだけに走らされているような人が・・・。まあ、仕方ありません。それは彼女の運命だったのです。そう、「ブルベは運命」。

 

 走ってみればこんな感じで木が倒れているところがチラホラ。PC1までの途中はあまりの強風・・・おっとそよ風(まだ続けます)で落車した人もいたみたい。風が怖いのはなにしろ横風。横風で一気に倒されるパターンと、横風に耐えつつも流されて縁石などに突っ込むパターンがあるようです。ただ、この風のおかげか雲が薄くなって雨足も弱まり・・・お?これはもしかしてさっさとやんでしまうんじゃないか?と淡い期待。でも、その期待はPC1を出発したらすぐに裏切られました。



 PC1からPC2まで・・・もう忘れてしまいました。とにかくミスコースが多く、後ろで細君が「3回目」「4回目」と数えているのがつらい。このペースでいくと600kmで30回以上はミスコースしちゃうんですが・・・。まあ、1kmも行かずに気づいているからまだマシ(ミスコースかと思って停止しちゃうパターンもあり)。今日は基本的には列車に乗らないというテーマなので、誰かにくっついて走るということをしにくいのでミスコースが自然と増えますね。GPS走行なのに・・・。しまいにはUターンできないバイパス道路に乗っかってしまうというミスコースまで(しかも他人巻き添え)繰り出してようやくPC3。カニパンを食べます。今回は食欲がでませんでした。

 

「明けない夜はないし、醒めない夢も無い。けれども雨のやまないブルベはある」と詩人になりながら走り続けること6時間。ようやく雨があがってきました・・・。降ったりやんだりだけど、もうそろそろ完全にあがるでしょう。そういえば防水靴下を履いているんだけど、これもさすがにじょぼじょぼ。っていうか、なんだかバケツの中に脚を突っ込んでいるかんじなんだけど濡れてるからかなあ。そう思ってしばらく走り、ある程度行ったところで雨具を脱ぎました。すると、靴下の「中」から水がじょばー!っと。そう、さすが防水靴下。一旦はいった水は抜けないようです。これでは意味がないなあ、昔使ってたネオプレーンの靴下のほうがよかったかな?

 

 そんな時に登る筑波山は路上は沢だしそうでなければ堆積した泥だらけ。下りも同様で自転車がそこんじょそこらのMTBに負けないくらいに汚れます。どろどろ・・・。このセクションにはあと道祖神峠があるはず。あそこはちょっと斜度がきついのよね・・・。とこらえて登る。その先はゆるやかに登ったりして茂木のPC。予備の靴下に履き替えるなどして夜間走行の準備。うーん、ここまでで去年より2時間遅れくらいかなあ。茂木の山は陽が落ちきる前に越えたかったけど、そうもいかなそうだ。

 

 細君が足の親指が痛いと嘆いている。その痛みは知っている。ペンチで押しつぶされるような痛みじゃね?って聞くと「うまいことをいう」と。疲労骨折じゃないかとかいろいろ言い出すが、たぶん単純にそこに力がかかりすぎなんだろう。長いブルベで登りが多いと時々なるやつだけど、強度が低くなれば痛みは引くはず・・・。だけど、あまりに経験の少ない人なのでそのままぶんぶんペダルを踏んづけてるっぽい。どんどん痛いとのこと。ここらへんからは、だいたいPC間の後半のほうで夫婦の雰囲気が険悪になり、PCから出発してしばらくは朗らかな感じというのを繰り返す。まあ、とにかく一刻も早く成田へついてホテルに入りたい・・・。

 ちなみに去年は約400km地点にある太陽の里という健康ランドで仮眠をとった。今年は約360km地点にあるビジネスホテルをとっている。翌日に持ち越す距離が伸びてしまうけど、400km走って翌日200kmより350km走って翌日250kmの方がちょっと楽な気がする。ただ単に去年までは走ることに真摯で眠る時間が短かったせいかも知れないけど。

 玉造のPCで細君が眠いというので少し仮眠させる。あとは眠眠打破とガムでなんとかなってもらい、成井を目指す。そのPCでは晩飯朝飯を買い込み、フグバッグをエクステンド状態にして積込み。10kmほど先のビジネスホテルまで。到着をしたのは午前2時前後。午前4時半にアラームをセットしてシャワーを浴びて補給食をちょっとかじり、ベッドへ入る。いろいろと思うことあって気が昂っているのか眠りにつけないような予感がするぞ、困ったなあ、と思っているうちには眠りにおちてしまっていたようだった。

つづく。