向かい風でした。あと大体二時間かってことは午前4時前には次のPCへ到着できるかな。ビーチラインは名前はおしゃれなんだけど、漁村の裏を延々と走るだけの交通量も無い静かな幹線道路。真っ暗なので海が見えないけど、実のところ昼間だって海は見えない。午前3時40分ごろにPC7へ到着し、焼肉(っぽいなにか)弁当を食う。食わねば死ぬ。いやー塩味のお肉はさっぱりしていておいしいねえ。
その裏手が太陽の里とかいう健康ランド。玄関脇に自転車をとめて・・・よし、思い切って8時まで休憩しよう!ゆうゆう4時間以上の休みがとれちゃうぞ。風呂をさっさときりあげれば3時間半以上寝ていられる。ということでさっさと風呂をあがり、ロビーの端っこは照明も落とされ静かだったのでそこで寝ることにする。残念ながらベンチはすべて仮眠者に押さえられていたけど、マッサージコーナーのスペースが開いていて立ち入りできないようのロープが張られているが床に足をつっこむくらいはいいだろう・・・。
一瞬、眠りに落ちた。が・・・なんだかおばちゃんだかおばちゃんっぽいメイクだかわかんないが、山姥みたいなのが片付けてあるマッサージチェアに飛び込んできた。立ち入り禁止のロープをひっぺがして。そのままガタガタしている。ガタガタされると普通にうざいだけでなく、チェアがゆれてその足に僕の指だかが踏まれそうな気がして目が覚めてしまう。な・・・なんだこいつら・・・。それでぱっちりお目目が開いてしまい、顔にタオルをひっかぶせてあるけどなんだか寝れない。いや、俺は寝れる!と気合を入れているとまたガタガタしだして指がつぶされそう。そのうち照明がついてしまったり、なんだか僕の頭上方向のスペースを待ち合わせにしている家族だかもあらわれてイライライライラ。何時だよ畜生、とタオルをとって時計を見ようとしたら山姥と目が合った。僕のその憤怒の表情に恐れをなしたか、両脇のチェアを使っていた山姥たちは飛び出すように去っていった・・・。ふう、これでゆっくり寝れる・・・わけねーだろ畜生!
結局7時には健康ランドを出ることに。靴下から何からすっかり着替えて、痛み止めも塗り、さわやかな気分に・・・はやっぱりなれず、なんだか頭のなかが眠い眠い病のまま走行再開しなくては。残り距離は・・・200km。えーとこっから50kmは丘陵、それから50kmを向かい風に立ち向かいながらの南下、そっからまた50kmの山間を北上、それで50km走って終わりってとこ。これから多くなる房総の山は低いようでいてそれをつなぐようなコース設定で足を削ってくるので、思い切ってフグバッグを切り離す。これで・・・3くらいの軽量化になるはず。
まずは400kmブルベと同じコースをたどって三石山のほうへ。あのときは真っ暗だったからなんにもわからなかったけど、明るいとこんな景色なんだーって感じ。同じ首都圏でもずいぶん趣が違うものだなー。写真や車窓だけで見ると、どれもこれも緑だらけで同じように見えるんだけど、走っていると地形や景色の奥行きなんかがそれぞれずいぶん違っていることに気づかされる。千葉は半島で水に苦労しているのだろう、人造湖があちこちにあってそこには釣り人たちや観光客のボートや、観光船が浮かんでいるのが見える。フグバッグを捨てた成果はあっただろうか?よくわからないけど、たぶんあるんだろう。後輪側の荷重が減ったという実感があるような無いような。ハンドリングなんかにも影響あるような無いような。
へろへろな感じで三石山を登りきる。三石山には観音寺という巨岩を祀ったお寺(というより昔は神社だったんじゃないかしら。巨岩がご神体で)があってその前後の道からは創造できない大きな駐車場やきれいなトイレ休憩所なんかが整備されているのだけど・・・なんだか人気のない観光スポットになってしまっている。かつては門前町になっていたんだろうかという入り口付近も、休日だというのにシャッターがおりたまんま。たぶん、ずいぶんまえから・・・。
三石山を下ったところから前回のコースをはなれて鴨川へ下る。その前にPC指定されたミニストップがあってアイスを食う。食って、ダウンヒルや!ダウンヒルしきって鴨川におりたら・・・パンクや!や・・・やる気がそがれる・・・。
CO2ボンベの使用にまたしても失敗。フレームポンプでしこしこと空気を入れる。曇っているけど結構暑い。暑いというか蒸す。雨の予報ではあるけど、この明るさなら当面は大丈夫そうだ。夕方から夜に降り始めるというから、なんとか明るいうちに到着できれば逃げ切れるんじゃないかなあ。って思いつつ鴨川からは南へ。ここはビーチラインと違ってしっかり海が見える。ゆるやかなアップダウンと向かい風にやられながらどんどんペースは落ちていく。ねむい・・・。覚醒レベルはしっかりしているんだけど、やる気が出ない・・・なんだか体中がだるい。畜生、あの山姥どもめ・・・。
うだうだ走り続けていると今回のコースの南端である白浜に到着。コンビニでリポビタンDを飲んで回復。飯も食う。PCにいた人に話しかけるとはじめての600kmで30分ほど仮眠しただけだという。こっちは先週も600km走っていて、健康ランドで休んでいるのに、実はこの人に抜かされていてなおかつ追いつくことは無かった・・・。ふ・・・ふがいない・・・というか山姥のせい。
房総半島南端からまっすぐ北へ向かうグリーンラインはつい最近開通したルートで、どの地図サイトでも情報が無かった。念のため、ルート上にありそうな峠の標高をGPSにいれておいたのだけど、はじめの一個はトンネルでクリア。ずっと登り基調のトンネルだけれども。
あとは大きなのぼりと下りを繰り返して進むだけなのだけど、路面はいいし、景色は・・・なんというか原生林の中を突っ切っているが如しの雰囲気でこの上ない。
グリーンラインが終わったらずっとくだりじゃーんと思ったらさにあらず。しつこくしつこく上り下りが続く。もみじラインってこんなに登ったりしなくちゃならないのね・・・と思っていたらようやく大下りへ。毒ガス攻撃をくらいつつ最後のPCへ。
このPCでは面倒くさくなっているのでリポビタンDだけ。これの効果が切れるとばつんとペースが落ちてしまう・・・。効果期間はだいたい30分?1時間くらいだろうか。その間は脚もよく回るんだけど。
・・・マザー牧場を制覇・・・。550km走ってきて現れるこの劇坂っぷり・・・。だがしかし、誓って脚だけはつかなかった・・・。
マザー牧場から先はもう登りは無い。これなら一息でいけるはず・・・!と思ったら眠気が充満してきて残り距離15kmほどだというのに体がろくに動かなくなる。これはよくない、ファストフードかなにかあったら飯を食ってトイレに行き、すこし眠ろう・・・と思うのだけど、そういうときに限ってそういうお店が見つからない。ビッグマックが食いたい・・・ざくざくラー油バーガーが食いたい・・・眠い・・・眠い・・・。
大体わかっていはいたけど、けっきょくなにも食えず、でもメーターは残り10km以下をさしている。もう行くしかない。いくしかないんだーッ!
36時間30分弱。前回とほぼ同じ時間でした。
おしまい