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【落武者魂】 10 BRM605埼玉600km

落武者魂

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BRM605 私を会津へ連れてって2

 さらに南会津の奥へ分け入って行きます。この先のルートは数日前に落石により変更されていてほとんど情報がありません。これもまたブルベ。たぶんそう。主催者はかなりの努力を払ってイベントを実行してくれていますが、こういったアドリブにも対応できることがランドヌールとして大事なこと。たとえ主催者がイベント当日に存在しなくたって、ルート上に大きなトラブルがあったって、それをクリアしていくのがブルベの楽しみ。そういう対応ができるサイクリストであるという認定が「ブルベ」なのです。とかいう話は脇において・・・いずれにしろ一番の山奥は明るいうちに越えられる・・・かな?とだらだらとした登りを登って行きます。途中、大掛かりな橋があり、親柱に「三匹の竜」の頭の像がひとつずつ据えられています。って橋の親柱は四本だよねえ。でも三匹の竜だろ?ってことはどれかひとつは偽者なわけか・・・。

 そんな馬鹿なことを話しているうちに、今日の日の最大の峠を突破。1000メートルを越える峠でちょこっとびびってたものの、気づけばトンネルで旧道のやや下(ほんとうに少しだけ)をくぐる感じで終了。こっからは大胆な下りで下りビビリアーの僕は涙目。道が広くターンもそれほど厳しいのはなかったのは幸いだったものの、途中のY字路に一瞬惑わされたりしたり。やがて迂回路に出るあたりで空が茜色に染まり日暮れ。まもなく夜の帳が下りるでしょう・・・。



 そこからの下りがちょっとばかり難易度高くって、千葉の林道を思い出す感じ。すっかり陽も落ちてしまって時折みかける集落以外では街灯もなく真っ暗。急に現れるガードレールのない急カーブに気づかなければ田んぼへまっしぐらの道があったり、小さい集落の狭い道路をかきわけるような道があったり。交通量も人通りもほとんどないようなところなので、それだけは助かるけどクルマがこないわけじゃないし人がいないわけでもない。そんなわけで緊張感が強いられるわけですね。しかも、このセクションは単純に下り基調というわけではなく、いやらしい感じで小さく登ったりと足の耐久力を細かく削ってくる。うーん、いやらしいねえ(w 心と体に疲労が蓄積されていくよ・・・。



 夜9時ごろ、そんな山間を潜り抜けてPC4へ到着。猪苗代・郡山方面はまさに雨だという情報が入る。道路の警告表示板にもアメという表示があったというので、おそらくは降っているのだろう。でも、なんだか今回のブルベでは雨に会わない気がしていた。おそらくはそこへたどり着くころには雨は止んでいるのだろうな、という根拠のない自信。そして実際そのとおりになった。猪苗代湖の手前で長い上りが待っていたけどなんとかクリアし、湖畔にでると残念ながら月も無い晩なのでただの真っ暗闇。路面はけっこうぬれてたりしたけど、雨はずいぶん前に去ったようだ。あとはとにかくふたりに暗いつくことだけ考えて郡山へ・・・。結局脱落してしまって少し遅れてPC5に到着してエビチリ丼を食す。そして少しだけ離れた健康ランドへ向かう。現在時間は午前1時過ぎだったかな。5時過ぎに出ることにしましょうということで風呂にはいり仮眠することに。僕はバイクに搭載されたフグバッグをはずし、財布などのはいった袋をもって入館。ジャージ以外は靴下手袋にいたるまですべて着替えてさっぱりできるはず。すばらしい。ここまでこのバッグを持ってきた甲斐もあろうかというものだ。

 シャワーを浴びて風呂につかる。生きてるってすばらしい。フレッシュでご一緒した竜胆さんもほぼ同時に到着しくつろぐ。最後に水風呂に両太ももまでつかってリフレッシュ。仮眠室へとむかう・・・。が、仮眠室はけっこうきつかった。なんとも寝られない。リクライニングチェアが空いていたので、はじめはそこで丸まっていたのだけど、まわりの豪快な寝息と誰かの鳴り止まぬアラームの音でどうにもならない。2時間ほどでいったんあきらめ、コーヒー牛乳を飲んで仮眠室へ戻る。こうなったら「俺は寝たのだ」と信じ込む以外にないな、と決意をかためチェアに戻るのはあきらめて仮眠室のはじっこの置き捨てられた毛布にくるまる。そうして・・・なんとか・・・2度ほど「うとうと」した実感あり。これは寝れたのだ・・・と思おう。少なくとも4時間近く体を休められたというのは事実。回復したはず。

 足首近辺に医者からもらった消炎鎮痛剤を塗りこみ、テーピングをやり直して歯を磨く。そしてウェアを着込んで外へ出ると・・・霧がものすごい。近くの7/11で朝飯を食って、出発するも霧のせいでけっこう寒くってモチベーションがあがらない。残り距離270kmほど。近いような遠いような。よくわからないね、本当に。でもまあ、会津田島まで戻れば行きと同じコース。そして会津田島までに大きな峠は一個しかないのだ。



 朝のコンビニで水を補給し忘れていた僕は二人と別れて自販機で水を購入。そこからしばらくしたところが鳳風峠なる峠の入り口。国道のしっかりした道なのだけど、結構長い。そしていきなり12%の看板。



 そして・・・かんかん照り!



 そして何人かの参加者をこの坂でパス。2年前とはおそらく逆の立場なのだろう。かつての僕は休むこともできずにひたすら走り続け、ゆったり健康ランドなんかで休んでいた参加者に追い抜かれていたが・・・。まあ、去年もそうだったな。SD1000で朝になると僕よりゆっくり休んでいた速い人たちに追い抜かれていた。最後の朝は朝寝坊したので誰にも追い抜かれなかったけど。

 さすがに汗がぽたぽた垂れそうだけど、標高のおかげかそれほどのことにもならず九十九折をクリアしていくと峠は終了。8%の下りから始まる下り基調のステージが始まる。途中、きれいなダム湖を回り込んだりしながらだんだんと南会津方面へ。深い渓谷沿いで自転車を少し止めて撮影したりと、風光を楽しみつつ会津田島へ向かう。



 このあたりでさすがにおいて行かれてるだろうと思っていたら、KTコンビに加えてY氏も加わったYKTトリオとなって待っていてくださる・・・。なんとありがたい・・・。緑の映えるPBPジャージの三連星のかたがたと一緒に・・・と会津田島をスタートして少し走っただけで置いてけぼり。でもいいもん。会津田島からは「あとちょっと!」なんだから!



 今市のPCでも待っていてくださる皆さん。さくっと補給を済ませて次のPCまでは90km。途中の道の駅でアイス休憩をいれたりしつつ疾走。僕は完全に引っ張っていただいている状態・・・。



 もしこの手を離してしまえば、僕はきっと取り残されてしまうから・・・。





 ずっと続くかに思われた向かい風も、野田を過ぎるころには止んで列車はさらにスピードアップ。いや、さっきゆったり行こうとか、最後のアップダウンは速度上がらないよなあとか言ってたジャン・・・。なんでゴールスプリントなの・・・!?

 おわり
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BRM605 私を会津へ連れてって1

 久しぶりの600km! 去年の10月ごろに走った600kmはなんだか走りたくなくなってリタイアしてしまったので悔やんでいた。つまらない理由で撤退してしまうと、次もつまんない理由で撤退してしまいそう。理由は常にあるものなのだけど、それでもいったん自分に言い訳を許してしまうと負け癖がつきそうなんだよね。さらに思えば日本で走る600kmブルベは今回で2回目。はじめての600kmもコースは違うものの主催はオダックス埼玉だった。37時間半を眠ることもなく走り続けた二日間のことは深く心に刻まれている。そんなこんなで去年だけで4回の600kmオーバーを走ってきているのになんだか不安。完走できるかどうか、という不安ではないのだけど。ナーバスな感じ。

 少しでも不安を取り除くためには装備の充実。というのは犯しやすい誤りだ。僕が街乗りハードテールMTBでうろうろし始めたころからわかっているのだ。自転車は軽いのが一番。無駄な装備をできるだけ排して軽量化をすることがもっとも間違いのない解だということを。だがしかし600kmともなれば風呂に入り眠るチャンスだってあるかもしれないのだ。だったら、汗臭いウェアではなくってきれいな服をまといたいというのは当然の欲求ではないだろうか。そして雨対策も万全にしたいとか思うものではないだろうか。だから僕はキャラダイスの大容量18リットルバッグを搭載する。フロントにもモンベルのバッグを。そうして出来上がったバイクの重量は約17kg。糸魚川FRで用いたカーボンバイクの重量は7kg前後。2倍以上・・・。だが・・・なんとかなるのではないだろうか。要は走りきれればいいのだ。

 埼玉の川口発のブルベはたいていフラット-山-フラットという構成。今回も日光手前までは圧倒的にフラットで帰りも日光からはフラット。フラットであれば重量はそう影響してこないはず。実際、走り続けていられればそうなのだけども、跨線橋や、それでなくとも信号ストップ後の加速でじわじわと重量が効いてくる。効いてくるとしても、ある程度はがんばって集団にくっついていられればこの区間の苦行度は大幅に減るのでがんばらないと・・・。少なくともこの河川敷サイクリングロードまでは・・・。



 CP1でKTコンビに追いつく。彼らは先に出立していくが、僕もパスタを一気飲みして追いかけて・・・やがておいついた!ありがたい。







 そして今日は雨の予報だったんだけどね・・・。もしかしたら「さっきまでは降っていたんじゃないか」という路面が登場することもあったのだけど、基本的には快晴。KTコンビから脱落したり、他の集団に乗ってなんとか追いついたりを繰り返しながら関東平野を北上。田んぼをまっすぐ抜ける二車線幹線道路の道の悪さに泣きつつ走る。しかしなんだってこんなに舗装がボロボロなんだろうか。そして華奢そうに見えてロードレーサーってのは頑丈なんだねえ。



 今回のコースは日光というより「今市」を抜けて北上するルート。CP2は今市に設定されている。CP1-CP2の間が90kmほどあるので、一回水の補給をいれてから小さい峠越えを。小さくても峠は峠。でも木陰が心地よい。ちょっと肌寒いくらいだ、というと「暑いだろ常識的に考えて」とつっこまれる。おかしいなあ、風が吹くと肌寒いような気がするんだけどなあ。埼玉から比べれば標高も高く、緯度も上ってるからだいぶ気温的にも影響あるんじゃないかなあ・・・。



 CP2を出た先の蕎麦屋で昼飯。この蕎麦屋が今市らしくなんとも「イマイチ」で全員のモチベーションダウン。しかし、一方ではこのおかげでへぼい僕がなんとかついていくことができたという現実も。CP2を出たところでは北のほうでは雨が降っているといううわさで、なおかつ天気も微妙だったのだけどどんどん天候は回復に向かい、やがて晴天に。



 だんだんと人里はなれた山間へと分け入っていくような雰囲気に。こういうところにもぽつんぽつんと集落があるのだけど、その暮らしって想像しにくい。こないだのあずみのくらいなら、ジャスコも近くにあるしアマゾンも届くだろうと思えるのだけど。このあたりで一番近いショッピングセンターってどこなんだ?アマゾンは配送してくれるのか?東京から自転車でこれる距離なのに、なんだか海外よりも遠い気さえする。そんな思いを抱えつつ日光街道を北へ北へ走り続けて会津田島へたどり着いたのはお昼過ぎ。会津田島といえばイザベラハートの日本奥地紀行をいつも思い出す。さっきの思いはあの本のせいなのかもしれない。と、PC3に指定されているセブンイレブンの店頭に・・・!



 驚いた!歓迎されている!この汗臭い小汚い集団であるブルベ参加者が歓迎されている!なんということでしょう。こんなことはいまだかつてなかった。うれしすぎ(w



 そうですそうです。あともう少しです。残り400kmしかないんです。がんばって無事に完走するぞー。

 ねむくなったのでつづく。
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