それは夜の糸魚川。焼肉のさかい。注文はまず「ここにあるもの全部持ってきて」届く届く肉肉肉。食う喰う喰う。肉肉肉。食う喰う喰う。野菜もご飯も無い。ただ肉と酒があるだけ。もぐもぐ。牛から牛から鳥からカルビからホルモンまで全部食べきるその刹那「もう一周」の声が!ここでッ!アウターに入れるのかッ!突き放す!後続を・・・。届く肉。それをすべて流れ作業のように網に並べ食い続ける。もはやそれは「処理」。処理速度が落ちると檄が飛ぶ。そしてまた食う。ラストオーダーの声がかかった。「デザート全部」なんと!ここで!トップへ!そしてモガキが、モガキが入る!食う喰う喰う・・・。
糸魚川の夜。
10 糸魚川ファストラン
糸魚川。 2010年度版
今回は「ファストラン」ということを念頭におき、まじめに走ったつもり。なのでレポートも真面目に書きます。なにしろ、今回はカメラも持っていっていません。そんなことをしている余裕はないのです。超マジメ。その真面目レベルから走りの真面目レベルも皆さんに伝わるんじゃないかな、とそう信じて。
シャモアクリームをテーブルの端っこにおいてきてしまったことに気づいたのは金曜夜の中央線の中。ああ、端っこにおいておいたなあ、あれ無意識にバッグに入れてなかったかなあと思うものの、そんな都合のいいことあるもんか。電車の中でがさがさやってもなかったので、SOSをmixiに打ち込み、あるいはドラッグストア(まだ開いてるんじゃないかな)でなんか保湿クリームでも買っておけばいいかと結論づける。といったところで高尾駅へ到着。自慢じゃないが、高校時代は毎日通っていたのはこの駅。ちょっとは詳しいのだ。まあ、何も無い駅だけどね。
高尾駅南口の階段を降りていると輪行袋をいままさに開いているサイクリストを発見。糸魚川ですか?と聞くと「糸魚川です」とのこと。「シャモアクリームはお持ちですか?」と尋ねると「あります」とのこと。「分けてください」「OKですよ」なんていい人だ・・・。聞くところによれば、この方はチャリレンジャーに所属のnさんとのこと。僕も素性を明かせばフグレンジャー。戦隊レンジャー同士、何か通じ合うものがあったに違いないのだ・・・。
さて、そんなこんなで時間も遅くなってしまったが、高尾でのびきった腰のないパスタを食って健康ランドへ移動し仮眠。なんだかまったく寝た気がしなかったけど、1時間くらい時間の進みがおかしかった気がするのでそこを「寝た時間」とみなし、起床。ストレッチにテーピング、足首に消炎ジェルを塗り込みウェアを着て外へ出ると・・・肌寒い・・・。まあ、そうだよね・・・深夜だものね。でも今回は天気予報を信じすぎて長袖アンダーに半袖ジャージ、レーパンだけしか持ってきていない。ウィンドブレーカさえ無し!ぐだぐだ言っていても(相手もいないし)仕方が無いので出発。スタート地点の高尾山口へ。
なぜか見送りにきているたけさんと話したりした後、3:15分の組でスタート。走り出せば暖かくなるだろうと思っていたら暖かくなった。あまり気合入れ無い程度に?と大垂水を乗り越え、まだ暗い山梨県を走る。このあたりの甲州街道は道が細い上にくねくねし、歩道も殆どないような場所なのに古くからの集落が道幅ギリギリまで軒先を連ねている。そして悪いことに、この道は日本でも有数の幹線道路のためにトラックの行き来が絶えることも無い。タイトなコーナーだと、対向車線へ大幅にはみ出してものすごい速度で走り去っていくトラックなんかがいてちょっとした恐怖。あっちは死なないのに、こっちは死ねると言うのはいつ見てもアンフェアだ。
猿橋を過ぎ大月を過ぎ、すっかり明るくなった山梨さんおはようございます。第一チェックポイントの笹子でおにぎりとおいなりさんをGET。そのまま笹子トンネルへ。まだ時間も早いのでクルマの往来もないまま甲府へ。ここでは信号運の無さに苦しめられるものの、釜無川を経て第二チェックポイント。ここらへんのチェックポイント間は短いのであっという間。道中のノボリを見ると向かい風なんだけど、さほどの脅威を感じない。まさか・・・ウーゴロードが開かれた!?
このペースなら目標である14時間切りも達成しそうだなあ、とコンビニのトイレを借り、意気揚々と駐車場辛でようとしてウーゴパワーがオーバーロード。自転車ごと宙に舞い、アスファルトに叩きつけられた。訳が分からないが、C3fitのアンダーの肘がぱっくり破れ、血が・・・血が・・・。レーパンにも穴が・・・。なんで俺こんなところで流血してるのよ?自転車を起こし、しばし呆然。タイヤの空気圧高めにしておいてよかったなあ、とかつまんないことを考える。とりあえずまたがり、漕ぎ始めると自分の動きがおかしければハンドルもおかしい。と・・・とりあえず次のCPまでと思うも、まだ前のCPから500mくらいしか進んでいないし・・・。落ち着け、ここは一旦リセットだろ、と自転車を脇道に入れてハンドルの角度直し。なんとか乗れそうだ。ハンドルその他をぐいぐいと押してみて、異常を確認。カーボンだからやばいときはバキッといっちゃうだろうけど、とりあえずはOK・・・だろう。信じるしか無い。
心は落ち着いてきたけど、あちこちに打撲と擦り傷。でも自爆だものなあ・・・。見方を変えれば、これによってアドレナリンがドバドバ供給されて他の部分の痛みも薄れるし戦闘能力もあがるかもしれない。なんという新しい理論だ。まさしく合法ドーピング。肉を切らせて骨を断つのだ。
富士見峠へむけてはダラダラ登り、くだりもダラダラ登る。二人組の参加者が見渡す限りの信号無視を繰り広げてくれて、その迷いの無さに「いつもやってんだろうな・・・」と心がささくれ立つ。けど諏訪大社にそういう気持ちは預けて諏訪湖岸。ここはちょっと追い風、諏訪市街は向かい風。一番厳しかったセクション。塩尻峠をようやく越えて第三チェックポイントの塩尻道の駅。これで170kmほど来たっぽい。残り120kmだ。完全に単独で走行しているのに、望外のタイム。このままいけば・・・12時間台は夢ではない。
松持市街からは二人組になった。ここから白馬のチェックポイントは75kmとやや遠い上に、極めて単調な場面。彼と一緒にうまく走れればいいなと思ったが、ほぼ理想的な展開になった。後半になると体調が悪いようで(けっこう咳き込んでいた)だんだんと遅れがちになっているようだったけど、木崎湖の手前までは二人で。木崎湖・青木湖のあたりはこの糸魚川ファストランでもっとも美しい景色を楽しめるところ。道幅も広く、アップダウンもゆるやかに適度な感じで走っていて楽しい。青木湖を過ぎて下りに入ると冬の豪雪のせいか路面があれ、人家が多いところでは融雪機の穴でガンガンとハンドルを叩かれて嫌になってくる。そんな嫌になるピークのあたりで白馬、最終チェックポイント。
だいたいここで午後1時過ぎ。おやおや、12時間を切るのも夢ではなさげ。スタッフに残り距離を聞くと60kmほどとのこと。あれれ?60kmも行くと海の上じゃね?うーん、GPSは45km弱を示している。でも、スタッフの言うことだしなあとダラダラしていたが、15分以上の休憩は避けてスタート。ここからは45km(たぶん)で700mほどを下りきるダウンヒルセクション。やたらめったらあるトンネルセクションとその合間の悪路セクションが気分を萎えさせる怖さだけど・・・うーんひたすら怖い。トラックもものすごい勢いでダウンヒルしてくるしなあ・・・。
今年は工事が多いせいかトラックの脅威は余り感じること無くトンネルセクションを終え、向かい風の最終セクションへ突入。前も後ろも誰もいないので仕方ないからひとりでガシガシ回して行く。ゴールはいつもの糸魚川ホテル。リザルトは11時間32分。なぜか最後のダウンヒルセクションの平均速度は平地の平均速度をも下回り・・・。落車が無く、ダウンヒルを人並みにできるようになれば10時間台も見れるかなあ、と思いつつも、結局タラレバの話だし気候はこれ以上はなかなか望めないしでなかなかむつかしそう。来年はどうしようかねえ。
※Pedal Far!チームの皆さん、ありがとうございました。
シャモアクリームをテーブルの端っこにおいてきてしまったことに気づいたのは金曜夜の中央線の中。ああ、端っこにおいておいたなあ、あれ無意識にバッグに入れてなかったかなあと思うものの、そんな都合のいいことあるもんか。電車の中でがさがさやってもなかったので、SOSをmixiに打ち込み、あるいはドラッグストア(まだ開いてるんじゃないかな)でなんか保湿クリームでも買っておけばいいかと結論づける。といったところで高尾駅へ到着。自慢じゃないが、高校時代は毎日通っていたのはこの駅。ちょっとは詳しいのだ。まあ、何も無い駅だけどね。
高尾駅南口の階段を降りていると輪行袋をいままさに開いているサイクリストを発見。糸魚川ですか?と聞くと「糸魚川です」とのこと。「シャモアクリームはお持ちですか?」と尋ねると「あります」とのこと。「分けてください」「OKですよ」なんていい人だ・・・。聞くところによれば、この方はチャリレンジャーに所属のnさんとのこと。僕も素性を明かせばフグレンジャー。戦隊レンジャー同士、何か通じ合うものがあったに違いないのだ・・・。
さて、そんなこんなで時間も遅くなってしまったが、高尾でのびきった腰のないパスタを食って健康ランドへ移動し仮眠。なんだかまったく寝た気がしなかったけど、1時間くらい時間の進みがおかしかった気がするのでそこを「寝た時間」とみなし、起床。ストレッチにテーピング、足首に消炎ジェルを塗り込みウェアを着て外へ出ると・・・肌寒い・・・。まあ、そうだよね・・・深夜だものね。でも今回は天気予報を信じすぎて長袖アンダーに半袖ジャージ、レーパンだけしか持ってきていない。ウィンドブレーカさえ無し!ぐだぐだ言っていても(相手もいないし)仕方が無いので出発。スタート地点の高尾山口へ。
なぜか見送りにきているたけさんと話したりした後、3:15分の組でスタート。走り出せば暖かくなるだろうと思っていたら暖かくなった。あまり気合入れ無い程度に?と大垂水を乗り越え、まだ暗い山梨県を走る。このあたりの甲州街道は道が細い上にくねくねし、歩道も殆どないような場所なのに古くからの集落が道幅ギリギリまで軒先を連ねている。そして悪いことに、この道は日本でも有数の幹線道路のためにトラックの行き来が絶えることも無い。タイトなコーナーだと、対向車線へ大幅にはみ出してものすごい速度で走り去っていくトラックなんかがいてちょっとした恐怖。あっちは死なないのに、こっちは死ねると言うのはいつ見てもアンフェアだ。
猿橋を過ぎ大月を過ぎ、すっかり明るくなった山梨さんおはようございます。第一チェックポイントの笹子でおにぎりとおいなりさんをGET。そのまま笹子トンネルへ。まだ時間も早いのでクルマの往来もないまま甲府へ。ここでは信号運の無さに苦しめられるものの、釜無川を経て第二チェックポイント。ここらへんのチェックポイント間は短いのであっという間。道中のノボリを見ると向かい風なんだけど、さほどの脅威を感じない。まさか・・・ウーゴロードが開かれた!?
このペースなら目標である14時間切りも達成しそうだなあ、とコンビニのトイレを借り、意気揚々と駐車場辛でようとしてウーゴパワーがオーバーロード。自転車ごと宙に舞い、アスファルトに叩きつけられた。訳が分からないが、C3fitのアンダーの肘がぱっくり破れ、血が・・・血が・・・。レーパンにも穴が・・・。なんで俺こんなところで流血してるのよ?自転車を起こし、しばし呆然。タイヤの空気圧高めにしておいてよかったなあ、とかつまんないことを考える。とりあえずまたがり、漕ぎ始めると自分の動きがおかしければハンドルもおかしい。と・・・とりあえず次のCPまでと思うも、まだ前のCPから500mくらいしか進んでいないし・・・。落ち着け、ここは一旦リセットだろ、と自転車を脇道に入れてハンドルの角度直し。なんとか乗れそうだ。ハンドルその他をぐいぐいと押してみて、異常を確認。カーボンだからやばいときはバキッといっちゃうだろうけど、とりあえずはOK・・・だろう。信じるしか無い。
心は落ち着いてきたけど、あちこちに打撲と擦り傷。でも自爆だものなあ・・・。見方を変えれば、これによってアドレナリンがドバドバ供給されて他の部分の痛みも薄れるし戦闘能力もあがるかもしれない。なんという新しい理論だ。まさしく合法ドーピング。肉を切らせて骨を断つのだ。
富士見峠へむけてはダラダラ登り、くだりもダラダラ登る。二人組の参加者が見渡す限りの信号無視を繰り広げてくれて、その迷いの無さに「いつもやってんだろうな・・・」と心がささくれ立つ。けど諏訪大社にそういう気持ちは預けて諏訪湖岸。ここはちょっと追い風、諏訪市街は向かい風。一番厳しかったセクション。塩尻峠をようやく越えて第三チェックポイントの塩尻道の駅。これで170kmほど来たっぽい。残り120kmだ。完全に単独で走行しているのに、望外のタイム。このままいけば・・・12時間台は夢ではない。
松持市街からは二人組になった。ここから白馬のチェックポイントは75kmとやや遠い上に、極めて単調な場面。彼と一緒にうまく走れればいいなと思ったが、ほぼ理想的な展開になった。後半になると体調が悪いようで(けっこう咳き込んでいた)だんだんと遅れがちになっているようだったけど、木崎湖の手前までは二人で。木崎湖・青木湖のあたりはこの糸魚川ファストランでもっとも美しい景色を楽しめるところ。道幅も広く、アップダウンもゆるやかに適度な感じで走っていて楽しい。青木湖を過ぎて下りに入ると冬の豪雪のせいか路面があれ、人家が多いところでは融雪機の穴でガンガンとハンドルを叩かれて嫌になってくる。そんな嫌になるピークのあたりで白馬、最終チェックポイント。
だいたいここで午後1時過ぎ。おやおや、12時間を切るのも夢ではなさげ。スタッフに残り距離を聞くと60kmほどとのこと。あれれ?60kmも行くと海の上じゃね?うーん、GPSは45km弱を示している。でも、スタッフの言うことだしなあとダラダラしていたが、15分以上の休憩は避けてスタート。ここからは45km(たぶん)で700mほどを下りきるダウンヒルセクション。やたらめったらあるトンネルセクションとその合間の悪路セクションが気分を萎えさせる怖さだけど・・・うーんひたすら怖い。トラックもものすごい勢いでダウンヒルしてくるしなあ・・・。
今年は工事が多いせいかトラックの脅威は余り感じること無くトンネルセクションを終え、向かい風の最終セクションへ突入。前も後ろも誰もいないので仕方ないからひとりでガシガシ回して行く。ゴールはいつもの糸魚川ホテル。リザルトは11時間32分。なぜか最後のダウンヒルセクションの平均速度は平地の平均速度をも下回り・・・。落車が無く、ダウンヒルを人並みにできるようになれば10時間台も見れるかなあ、と思いつつも、結局タラレバの話だし気候はこれ以上はなかなか望めないしでなかなかむつかしそう。来年はどうしようかねえ。
※Pedal Far!チームの皆さん、ありがとうございました。