PC4もウォッシュレットだった。やっぱりトイレは大事ですよ。寒いサムイとやっているとスタッフの方も寒いサムイとかなり着込んでいる様子。僕も既に4枚重ね状態。PC4からはPC3まで銚子をショートカットして後はほぼ同じ道を通る。残念ながら風は予定通り凪いでしまっているけど、ピザパワーで復活した我ら二人に恐れるもの無し。二人で交代交代で時速32kmほどをキープ。一回コンビニにたちよったもののあっという間にPC5に到着。次のPC6は三石山や鹿野山を含む林道里山巡り75km。面倒くさいなあという気持ちでいっぱい。なかなか動く気がしない。だらだらしているとinainaさんたちに追いつかれ、ここで「ガストで食事して仮眠しないか?」というお誘いを受けたのだけど、ピザくった後のペースが結構よかったしさっさと山を終えてしまいたい気持ちがあったのでそのまま行くこと。この時点では22?23時間くらいでゴールできるだろうと言う計算があったのだけどね・・・。
・ピザボーナスはもうなくなっていたことに僕は気づいていませんした・・・。
しばらくは往路と同じ。ここにはこの時点で「300メートル超級の山がある」という知識だけ。登るんならさっさとしてくれよという気分でスタート。このやさぐれ感・・・。すでに余裕無し・・・。しかも思ったよりはっきりした峠までが遠く、やさぐれ感がどんどん募る。早く登らせろよ・・・のぼってやっからよ・・・。
210mほどの峠を越える。ずいぶんmezatakuさんをお待たせする。帰路もお待たせしまくり・・・。さあ、次の山があるんだろ・・・あんま高度さげるなよ・・・と思うも願いはむなしくぐぐっと高度を落として次の山もゼロ、、、でないにしろほとんど上りなおし。下りはやっぱり急なカーブと微妙な路面でよく見えない。うーん、ヘルメットランプもってくればよかったよ。いかに680ルーメン(メーカー公称)とはいえ、前方照射だと直角以上にまわりこむコーナーでは先が見えない。ぱっと見、道がどっちへ曲がってるのかさえわからない場面も。おそらくは眠気とサングラスの汚れもそれを助長しているに違いない・・・。
三石山を登る。真っ暗な中を・・・登る・・・。道端に自転車をとめて座り込んでいる人がいる。仮眠だろう。400kmでこういうところで仮眠しているのってあんまり見ないけどな、と思うも少しうらやましい。僕も・・・眠い。暗いし・・・冷える。こんな夜は、あったかい布団で眠るに限るのだ・・・。だが現実は。
真っ暗闇の中に明かり。三石山の峠に到着したようだ。その切り通しにはきれいなトイレと駐車場があり、トイレに併設された休憩所のベンチでひとり横になっていた。いいなあ、ベッドだよ。mezatakuさんにトイレに行くことを伝え小用を済ませてサングラスを洗う。これでかなり見やすくなった。トイレから出ると先客がおきて出て行くところだったので、猛烈にその場所で寝たかったけど、あと一個越えれば平坦になるんだと自分を納得させて走り出す。
いくつかのアップダウンのある細い道。やがて有料道路へでて長い下りもあったり。つまりまた高度が下がっているってことだ。しかも下りは冷えるときた。有料道路の料金所で何人かが休んでいる。先行するmezatakuさんがいなかったので、ここでうつらうつらしたいという夢をあきらめ最後(たぶん)の山岳アタック。ここはくねくね登る感じじゃなかったなあ。登り始めてすぐにmezatakuさんのチェーントラブルで数分休憩。その間にハンドルにつっぷす。起き上がると少しの間パワーが回復。うーん、やっぱねむいんだよこれは。さて、この山の道は暗くって様子はよくわからないけど、ひたすらまっすぐ上り谷の奥でV字に折り返してまたまっすぐ登る。すると頂上って感じだった。たしか。正直あんまり覚えてない。どこもかしこも真っ暗でねえ。闇は心を蝕んでいきます。魂を飲み込んでいきます。埼玉400のときは周りに人が多かったからかそんなに厳しさを感じなかったけど、今回はひとりになってしまっていることが多かったので、ひしひしと僕を包む漆黒と向きあうことに。DNAに刻み込まれた闇への恐怖が背骨の中からじわじわとしみ出してきて、孤独が募ってきます。でも・・・それもどこか心地よい・・・。
ようやく到着した頂上には大きなお寺があるようで、その前を抜けると下りになる。やがてマザー牧場を過ぎると本当の下り。体の芯まで寒さが突き抜けるけど・・・すぐに最後のPCだッ!がんばれ俺!がんばるんださとう!
PCでカップヌードルをすする。暖かい・・・そしておいしい・・・。でも気温はまだ寒い。太陽はまだその力を存分に発揮していない。最後の区間は40km。走り出して・・・すぐ気づく。ごめんなさい、mezatakuさん。僕はもう無理だ。この平坦さえまともに進めない・・・。もう・・・いいよね?ゴールしていいよね?
「少し、仮眠していきます」
ちょうど無人駅があったのでその駅舎の待合室に座って・・・寝る!なんどかタイマーに起こされてふときづくと30分が経過している。30分も1時間もかわんねーだろ・・・ともっと寝ようと思うと〔行け、さとうよ。すすめ。すすむのだ〕という声が・・・。ちょうど外をブルベライダーが駆け抜けていく。わかりました・・・ウーゴよ。私は走ります。走り続けます。
足がちょっぴりこわばってきていたものの、走り出し血がまわりだすともりもりパワーがでてくる。もりもりと幹線道路へ出るころには25km/h以上で走り続けられるまでに回復。しかし通りがかりのコンビニや歩道で寝転がっている人たちをよく見かけた。ここまできたら・・・もう明るいから目も覚めるのに・・・と思うも、やっぱり眠いときは寝るしかないよね。木更津に入るころには30km/h弱まで回復。金谷橋を越えて高速の下をくぐると30km/hを越え、最後の直線は32km/hで走りきりそのまま駐車場へつっこんでゴール!ウーゴ、ありがとう!覚醒しました!でもおそすぎ!もっと早く覚醒していれば音速だって超えられたのに!